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親父の遺産がダンジョンだった件  作者: 大石次郎


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27話

途中、野良モンスターの浮遊する石の怪『レビテーションロック』に小集団に絡まれたが、


「護衛であるからな」


とビッグヘッド達を差し置いて前に出たアバドンさんが、投擲スキル『キラートマホーク』で斧を投げ付けて纏めて両断し壊滅させた。


俺とダンジョン組は『強過ぎてそれはそれで不自然だろ?』内心ツッコんでいたが、兄貴とモモミは素人過ぎて素直に喝采していた。ま、いいけどさ······


「大きめの水の採取スポットと岩塩の採取スポットも行きは見てゆきますかな?」


「おー、それもそうだな」


確かにキラーモールの拠点と出入り口を往復するだけってのもな。


早速、手近な水の採取スポットの1つに立ち寄った。特に意識した所でもなかったが、いつの間にか植え込みや花壇が造られ、日光灯も設置されていい塩梅になっていた。


「あら? 湧水公園風になってるな」


「マスター殿、我らゴブリン族は空前の『造園ブーム』が起こりつつあります。反動でしょうな」


「ここは俺達が整備しました!」


「キラーモール達は農業と環境維持以外は関心薄いですからね!」


ハイウォリア達、意外な活動してた。


「すご〜いっ! ちゃんとしてる。ロミー連れて来たいなぁ」


「いや、公園なら外にもあるだろ?」


兄貴も呆れつつも、水の採取スポットの出来栄えには感心してたな。


「噴水も近くで見てみてね☆」


「ああ、うん。お水も綺麗じゃーん」


促されて噴水に溜まった澄んだ水を掬おうとするモモミだったが、ん? この気配!


ザパァンっ! 水の中からリュブリャナとプリースト個体が突然現れたっっ。


「キャーっっ??!!!」


「シュゥウウッ、ハハハっっ!!! 驚いたか妹君よっ?! プリースト、訳せっ」


「びっくり、デスカ? コンニチハ。スイマセン」


「はわわっっ」


腰を抜かしたモモミ。


「おほほ」


ウケてるアリッサ。コイツ······


「リュブリャナ、来たのかよっ?」


「他のヤツらが行くのに俺だけ行かないワケにもゆかないだろう? スキュラを連れてくるのは勘弁してやったぞ? 理性的だろ? ガッハッハッ」


「ピロシ、これが『ダンジョンジョーク』なのか??」


戦々恐々とする兄貴に、俺は答えに窮したさ。


その後、岩塩スポットでは塩の結晶の中に入って『塩で固められちゃったアンデッド博物館だよ?』という捨て身ギャグ? をしてきたヘルスパルトイと低温モードのツルベ火クィーン達と遭遇! が、


『己達はロクに食べないからといって以前は貴重だった食材で遊ぶんじゃない』とビッグヘッドにどちゃんこ怒られて、気まずい空気になった······


ともかく、俺達はどうにか! 目当てのキラーモール拠点までたどり着いた。はー、しんどっ。


_____



以前より発達してわいわいしているキラーモール拠点だ。


毛色のよい朗らかなキラーモール達。同じくワーグ達。うん、怖がるからリード付けといて、言っといたけど誰も守ってないけど、まいっか!


上位2体以外のケムシーノ達も一先ずゴブリン拠点に集めとくはずだけど結構普通に一杯いるな。うん、これもよし。今更だしな。


なんなら上位以外のゴブリン達も普通に来てブラブラしてるな、うん、よし。しょうがない。誰だってブラブラしたい時あるもんな!


2層のリーフウォーカーとモンクペンギン達も来ていて、リーフウォーカーは農地なんかに根を下ろそうとしたりて、モンクペンギンは水路に入りまくって騒動になりつつあるな。


うん。自由!


「なんか聞いてたより色んなのが一杯いるけど、仲いいんだねっ!」


「よく共生できてるな······」


感心しきりなモモミと兄貴。


「え〜と、そだね。とっととここの『村長』の所にゆこうか?」


「無難でしょうな」


改めてぼやぼやしてると面倒そうだ! ビッグヘッドにも同意され、ゴールドスコップの館に急いだ。


「よく来たね! やはりピロシと似たニオイだ! 杖持ってないからうっかり食べちまいそうだよっ、アハハっ!!」


ブルワーグを連れていたゴールドスコップのキラーモールジョークが速攻炸裂。


「······村長、ハ、イラッシャイ、皆、友達。ト言ッテル」


ヘビィナイト個体が知らん顔する中、ソーサラー個体が淡々と『意訳』した。


「こんにちは! モモミ・シープランドですっ」


「シュウベイ・シープランドです······」


挨拶も済み、そのまま食事会の流れになる。


「淡水魚、甲殻類、果実、木の実、野菜、穀類、豆、ハーブ、キノコ、苔の料理だ。これくらいなら食えるだろ?」


コック服のオークジェネラルが料理運んできた。


「食事担当してくれたんだ?」


「お前だけバックレるのか? と『他』がうるさくてなっ」


「そりゃどーも······」


なんか申し訳なくなってきた。


「素朴でいいじゃん!」


「調理は簡素だが、食材はどれも高品質じゃないか? へぇ〜」


2人とも気に入ってくれたようだった。


「豚の丸焼きはないの☆」


「ねーよっ! ブリっ子で言っても可愛いくねーからなっ?!」


「おほほ」


「シュウゥッッ、俺はキノコは食べんぞ?」


「ヒーホっ!」


「お酒もお供えして下さい······ヒィィィッッ」


「お主ら一芸を見せ帰ったのではなかったのか?」


「「ケムん?」」


「わん!」


「部屋が狭いのである」


ワイワイガヤガヤ、食事会は進んだ······


「ふぅ〜、食った食った。あれ? そういやエル・ジェリーマン来てないな??」


来ると言ってたのに? と思ってるといきなり椅子やテーブルがぐにゃぐにゃになりだした?!


「おっ?」


「ちょっとぉ?!」


「なんだなんだっ??」


椅子はハイスライム達っ、大きなテーブルはエル・ジェリーマンが化けていた!


「ムフフフッ、『完全擬態』してみました! 驚きましたか? あ、自分で訳しますね。おほん、元気デスカーーーっっ?!!」


「げ、元気です」


「どうも······」


今日一2人を引かせるエル・ジェリーマンだった。


_____



夕方、村はずれの石門まて俺、アバドンさん、アリッサ、モモミ、兄貴で戻ってきた。


「遅くなったが、林業ギルドに行ってくるのである」


「じゃ、またお会いしましょうね☆」


アバドンさんは村の林業ギルドの事務所の方へ、アリッサは森にあっさり去っていった。


「いや〜、2人とも、今日はもっと普通な感じで案内するつもりだったんだが、連中悪ノリしちまってさ」


「······いいよ。なんか安心した。最初は厄介ごとピロシ兄に押し付けただけだったけど、なんだか楽しそう」


「まぁアイツらも環境が整えばな」


「じゃなくて、お兄ちゃんが。て言ってるんだよ? ふふ」


「え?」


「戻ろう。モモミはロミーちゃんが待ってるだろ? ピロシも俺、ダンジョンの料理で着想を得たぞ? ちょっと店の新メニューの試食してくれ」


「いいけど······」


俺達は村の方に歩きだした。


楽しい、か。


かもな。

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