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親父の遺産がダンジョンだった件  作者: 大石次郎


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15/25

15話

メジハの牢獄ダンジョンにおいて、旧魔王軍の首魁個体達はその死が確定すると錆びた王冠に転じ復活の時を待つ。


復活後、その記憶や経験、進化の度合い等の多くは刷新されるが精神体であるアンデッド達に関しては記憶の保持傾向があった。


ピロシ・シープランドが復活させたスケルトン種の首魁ヘルスパルトイと、ウィスプ種首魁ツルベ火クィーンもまさに記憶を維持しており、目覚めて早々にオーク族に報復を行おうとしたが事前の備えとアリッサの守護で事なきを得ていた。


塩の採掘地点の様子を見る等したピロシは今後の作業の組分けを改め、1層の首魁達は眷属達と共に効率よく立ち回り程なく1層の環境回復は達成された。


2層の下り口付近の調査も済み、ピロシはアリッサ、アバドンロードに加え、1層各勢力の選抜者と共に地下2層へと下ってゆくのであった······


_____



土、土土土! 1層が石まみれだったのに対し、ここは土まみれだな。


でもって毒気の代わりに『毒沼』だらけだぜ······


「浄化の負荷がちっと重いな」


「通路の崩壊補修は石より柔い土ですから、楽でしょう?」


「楽、なのか??」


柔らかい分、大胆の崩落してるとこも多いんだがっ。


「ピロシ坊、この『土塊(つちくれ)の小路』は食物を得易い層。しっかり抑えておくと今後が楽であるぞ?」


「食物······」


近くの毒沼の中から毒持ちの巨大蛭『クサレオオビル』群が這い出てきたが、ツルベ火クィーンの暗い炎とブルワーグの火の息とスタンケムシーノの電撃で速攻に焼かれていった。


「クサレオオビルは薬品の材料なるのですが、今はまぁよいでしょう」


用心の為に防毒マスクとゴーグルをしているビッグヘッド。


「『数代前の我ら』が暮らしてたのが信じられないな」


「まぁ当代主が上手くやってくれるさ」


同じくマスクとゴーグルをしたオークジェネラルとゴールドスコップに振り向かれ、若干胃が痛い俺だよ。


「前向きには善処する俺だよ」


1層片付いてもそれで楽になる、って感じでもないのな。トホホ、だぜ······


_____



ちょいちょい野良モンスターを撃退しつつ、直し浄めながら進んでいった。


魔力灯は土器製で数が少ない。代わりに光る苔が群生していたようだが毒気で枯れ果てていたから、これを回復させる必要はあった。


通気口は普通にあるが水路はほとんどなく、代わりに小さな水場が多数ある感じだ。


作業に消費する魔力は多いが1層より魔力の強い2層は得られる魔力結晶の量が多く、質のよい物も産出されていた。


「結構遠いな······」


土煙撒いたりする土属性のスライム『ブラウンスライム』の群れをゴールドスコップと喧嘩ケムシーノとヘルスパルトイとオークジェネラルが蹴散らすの尻目に、ビッグヘッドにもらった『収納の腕輪』から魔力結晶を取り出して鍵の杖に充填する。


なんか、眠くなってきた。


「おやすみ、おやすみ、坊や。健やかに眠れ、マスター君······」


追い打ちで、頭の上のアリッサが囁いてなにやら術を掛けてくる。霞が掛かったようだ······


「寝、む······てっ、寝かすなよっ?!」


「おほほっ」


杖を振り回してワル蝙蝠を追い払うっ。だがほんと疲れてきたな。


スライムの撃退も済んだようだ。


「良さげなところで1回休まないか? 現地で穏便に行けばいいが、今回交渉材料は『木材とか飲食品と日用品』くらいだろ? また試し、があったらしんどいぜっ」


「ヒーホ、この環境なら十分交渉できると思いますがね〜。『リザードマン』達は生身ですから」


そう、2層最初目的地は『リザードマン拠点』だ。


「眷属に偵察させた範囲では、拠点は衰退しておりましたよぉーー、ヒィィィ」


うん。それはそうなんだろうけど、


「俺も生身だから休みたいんだよっっ」


「「······」」


死霊首魁コンビ困惑。ま、とにかく休憩することになった。


_____



ビッグヘッドにキラーモール拠点製の『霊木(れいぼく)の灰』を使って魔除けの結界を張ってもらった。


焚き火もして、村から持ってきた兎ベーコン千切りパンを炙って分けて食べる。死霊コンビは皿に盛って『お供え』すると枯れたようになって『食べたことになる』そうだ。


「うまっ、ヒーホっ!」


「ヒィィィ」


喜んでる喜んでる。ふふん。


「ギャグはもう一つでも、マスター君のパンのチョイスはスベらないですね」


「ちょいちょいその辺つついてくるよな?」


「おほほ」


塩味(えんみ)は兎ベーコンのみ、油分はオリーブのみ、このパンの引き算の確かさは」


アバドンさん講釈始まったな、そっとしとく。


「ふんっ、美味くはある」


オークジェネラルな。『美味くはある』料理の感想で始めて聞くワードだぜ。


マッタリした空気になりかけたが、スッとビッグヘッドが入ってきた。


「マスター殿、リザードマンは3層の住人。気位の高い連中です」


「あ、ここだとそんな感じなんだ」


外のリザードマンは種にもよるけど原始的な暮らしをしていて、総じて凶暴だ。人里離れて暮らしてるから揉めるケースはオークなんかより少ないが。


「疲弊しているのでしょうが、甘過ぎる条件提示は『施しを受けた』と感じて返って反発します」


「ややこしいなっ、リザードマン!」


「まずは3層の初期攻略への協力と引き換えに物資の提供を申し出ましょう。一度筋を通せば義理固い連中です」


「その義理難い連中に我らは追い出されたがなっ」


「覚えちゃいないが、面白くはないね」


うっ。数代前とはいえ元2層在住のジェネラル個体とゴールドスコップ。


「まぁそこはお互い様だろ? 前向きに行こうぜ?」


俺はベーコンパンを齧りながら2人に言った。


1層攻略で気付いたが、基本的には和議の繰り返しだ。このメジハ牢獄ダンジョンはさ。

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