↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
37/53

30.ミルクパズルってクソ難しくね?

<前回のあらすじを30文字以内で説明せよ。>


 翼 「あの不細工女許さぬ!!」


 梓馬「翼さんの心の方が不細工だと思います!!」


 翼 「貴様どうやら天に召されたいようだな?」


 梓馬「自分じゃないっすよ!? 綺都さんに伝言頼まれたんす!」


 翼 「上杉ぃいいいいいい!!!」

 ___________________________


「広瀬さん……。」


「わりぃ綺都…時間あるか?」




 かなり待っていたのだろう、礼は青いマフラーで赤くした鼻頭を隠してそう言った。

 綺都は戸惑いながらもこくりと頷いて了承した。




「ありがとう。…外は冷えるから家でもいいか?」



「…神崎のことですよね。」



「お、よくわかったな。」




 驚いている彼に対して綺都は苦笑いをする。

 家で話すというのもきっと美織のことを気遣ってのことだろう。

 綺都は家まで足を運んで行く礼の背中に続いて歩き始めた。


 _________________________


「そこらへん座ってろ。」



 お茶出すから、と言って礼は自分の部屋を出て階段を降りていった。

 緊張しながら綺都は側にあった礼の部屋のベッドに腰かけた。

 白い壁にフローリングの床、衣類や本は綺麗に棚の中に片付けられ表彰状やアーティストのポスターが飾られている。

 男子高校生の部屋とは思えないほど綺麗だ。

 辺りを見回しているとガラスのローテーブルの上に置いてある写真たて達に目が止まった。

 お洒落なフォトフレームの中では可愛らしい二人の少女が肩を組み合って嬉しそうに笑っていた。

 おそらく片方は美織だろうか。


(神崎の隣の子、滅茶苦茶可愛いな…。)


 美織の隣にいるこの可愛らしい少女は誰なのだろうか。




「その写真、気になる?」




 礼は湯飲みとお菓子ををお盆に乗せて扉を足で開けながら綺都に調子のいい声で尋ねた。




「神崎とこのもう一人の女の子…妹さんですか?」



「ああ、それ翼だよ。」



「……………………えっ?」



「せっかく可愛いのにリビングに飾らせてくれなくてな…仕方なく俺の部屋に飾ってる。」

 



 見てはいけないものをみてしまったと綺都は目頭を押さえた。

 見た瞬間すごい可愛いと思った数分前の自分を殴りたい衝動にかられていた。



「で、本題なんだけど。」



 ローテーブルの上で両手を組みながら礼は真っ直ぐに綺都を見据えた。



「今日、美織となんかあったろ。」



 その言葉に綺都はドキリとして生唾を呑んだ。




「本当は今日の放課後美織の相談を聴く筈だったんだけど、アイツ何も言わずに帰っちまったからさ。あの時美織を迎えに来たお前と何かあったのかなって思って。」



「…よ、よくわかりましたね。」



「勘だ。ちなみに親友ていうのも綺都のことでいいのか?」



「…親友、ですね。」




「よし、ビンゴ。」と礼は無表情のままパチンと指を鳴らす。




「……でも今喧嘩しちゃって。」



「原因は?」



「俺からなんです。悩み抱えてた神崎が親友の俺に頼らずに広瀬さんに頼ってたからついカッとなって…悪いの俺なんです。」



「うーん…とりあえずごめん?」



「広瀬さんと神崎は悪くないんです。今回はホントに一方的に俺がやらかしただけで…」




 頬杖をかいている礼を見るとどうしてもあの光景を思い出してしまう。

 礼に優しく抱き締められている美織の顔を思い出してしまう。

 彼女のあんな心から嬉しそうな顔を初めて見た。

 自分なんかには決して創らせる事が出来なさそうなあの表情。

 その笑顔を創らせたのが目の前にいる礼と考えると何故だかものすごく胸が苦しくなった。



「広瀬さん。」


「ん?」



 膝の上に置いている拳を綺都はぎゅっと握りしめた。




「神崎は……多分広瀬さんのこと好きなんだと思います。」


「へ、」



 礼は大きな瞳を溢れんばかりに見開いて綺都を見た。

 そんな礼を気にせずに綺都は続ける。




「神崎って見た目は良いのにいつも小学生より幼い言動でガキ大将みたいなことばかりしてるけど……今日貴方と一緒に居たときのアイツは凄く綺麗でした。いつものあの無邪気な笑顔じゃなくて、心から笑っている笑顔でした。」



「…ふーん。」



「そんな二人を見て、何故だかすごく辛くなりました。悔しくなりました。邪魔をしたくなりました。」




 親友の自分を頼らずに幼なじみの兄にすがりついた彼女に不満を抱いた。

 理不尽に礼を妬んだ。

 どんな難しい問題も解けるのに、この変な感情を解くことが出来ない自分に苛つきを覚えた。




「教えてくれませんか広瀬さん。」




 綺都は瞳を潤ませて顔を上げた。




「俺は、神崎に恋してるんでしょうか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。