17.ナニナニカーニバル
ちがう!言い訳をさせてくれ!筆が進まなかったんだ!
※今回は下ネタ注意
<前回のあらすじを30文字以内で説明せよ>
綺都「あらすじよりタイトルどうした。」
翼 「本当に。ナニがあったんですかね全く。」
美織「ナニがナニナニしてるんでしょうねぇ。」
綺都「お前らもどうした。」
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前回のあらすじ
『ツバサがなかまにくわわった!』
「よし、皆の衆そろったな。」
「いや翼が無理矢理叩き起こしただけじゃん。」
珍しく正論を語る美織の言葉など耳にも入れずに翼は威厳よく腕を組んで3人の前に立った。
綺都が隣にいる美織の様子をうかがってみると彼女は眠そうに目を細めて不機嫌そうな顔をしていた。
「それでは、先ほど起こった詳細を説明しよう。」
「あの生徒指導室での出来事っすね翼さん!!」
「うむ、流石だアヅマ。」
フッ、と翼は凛々しい表情を少しだけ綻ばせた。
「で、具体的に何したんだ?プロレス技でもかけたのか?」
当事件の無関係者の綺都は頬杖をつきながら興味なさそうに話をうかがう。
そんな綺都に対して翼は誇らしげに口を開いた。
「薬を飲ませて逃げてきた。未完成の薬だったからどんな効果があるのかまだ不明だ。」
ガタタタ!!
綺都はソファーから崩れ落ちた。
テストで良い点数がとれたぞ、と言うように誇らしげに語った彼を綺都は驚愕の眼差しで見上げる。
流石の美織も隣で静かに冷や汗をかいて関係者じゃないというようにそっぽを向いていた。
気がつけば綺都はその場から立ち上がって衝動的に翼の胸ぐらをつかんでいた。
「え、ちょ、薬って何?お前バカ?バカなのか??脳ミソプッチンプリンなの??」
「悪いが俺はコーヒーゼリー派だ。」
「ちなみに私はヨーグルト派だぜ……。」
「自分はダントツで杏仁豆腐派っすね!!」
「俺はフルーツゼリー派だけど……じゃなくって!お前ガチでか!? 気絶させる薬学校の先生につかっちゃったのか!?アホなのか!!何してんの!??」
「使ったが何か?」
「ナニか?じゃねぇよナニしてんのバカなのナニしてんのホントにナニしゃってんの!?? 生徒ならまあギリギリセーフだけどナニ先生を薬で殺しかけちゃってんの本当ナニしてんの!?」
綺都の言葉に翼の代わりに美織が一言。
「上杉…ナニナニ言っちゃって本当やらしいナニよ。」
「そうナニよ上杉綺都。だから貴様はいつまでたってもナニがナニになって無自覚プレイボーイなんてあだ名がついちゃうんだナニよ。」
「ナニナニうるせぇよ!!ってかナニ!? 無自覚プレイボーイってナニなの!? 俺そんなやらしいあだ名つけられてんの!?? ナニそれ!!?」
「え?ナニ貴様知らないナニか。お前いつも女子共から黄色い歓声を浴びているから裏では嫉妬で殺意の沸いた輩たちに無自覚プレイボーイという悪意しかない称号で称えられているナニよ。ナニでそんなに鈍感ナニか??」
そう言って翼は鼻でフン、と笑う。
「よし二人とも、まずはナニナニいうのをやめようか。」
「いや言い出しっぺ上杉ナニよ。」
「言い出してないから。俺が何々言ってたらスケベなお前が反応しただけだから。片仮名じゃなくて漢字だから。大体ナニ?お前ちゃんとナニの意味わかってて言ってるの?」
綺都の問に美織は自慢気に言った。
「そりゃあ男のバベルの塔に決まってるナニよ。」
「お前に言わせた俺が馬鹿だった……。」
「上杉のバベルの塔はショボそうナニ。」
「だまらっしゃい!!」
「ナーニナーニナニナーニナーニ♪ナニー …ブフッww」
「お前も黙れ!さっきから下品にも程があるぞ!!」
「ねぇねぇ翼この眉毛うるさいナニ。翼の超必殺悶絶スプレーでこの眉毛ナニ星人を黙らせるナニよ。」
「ナニを言っているナニか美織。眉毛ナニ星人は常にナニナニ言ってないと気がおさまらない生命体ナニよ。…ブッフォオwww」
「お前らナニナニ言いたいだけだろう!? しかも今途中で吹き出してたし!広瀬お前どんだけナニナニ言ってんだよ!!ほんとさっきからナニなんだよほんとナニナニナニナニナニうるさいよこの回ナニだけで終わらせるつもりか!!?」
「いや、ちょっと待て上杉。」
そう口止めした美織は手元にあったメモ帳をとって何やら文字をつづり始めた。
そしてしばらくすると書き終えたそれを隣にいた翼に見せると彼は勢いよくブッハ!と吹き出した。
「何を書いたんだ何を。」
白々しい二人を見て不審に思った綺都はそのメモ帳の中身を見た。見たと同時にフリーズした。
『ナニを言った回数』
・神崎 8回
・上杉 27回 ←NANBA1 さすがバベルの豆!!
・広瀬 21回
「ホンットウにナニをかいてんだぁぁぁあーーーー!!!」
綺都は発狂してメモ用紙をビリビリに破り捨てた。
外野からは「あー」と残念がる声が送られてくる。
「まぁ、というように上杉が一番多いナニね。」
「何をしたいんだお前らはホンと!!」
「ちなみに今の二回も合わせて上杉は合計29回ナニ。」
「この思春期!発情期!中二かよ!!中二だったな!!」
「まずいです翼さんとうとう上杉さん壊れ出したっす。」
「ああ、重症だ。美織の馬鹿ンス症候群の次にまずい。」
「なにその沖縄県みたいな病気。」
「貴様は沖縄県民の皆さんに穴掘って土下座でもしてこい。」
あ?と翼にガンをつける美織に綺都は指摘をする。
「というか神崎、お前『塔』の文字『豆』になってたぞ。豆にしちゃってどーすんだよ……。」
「上杉、始めは皆平等であった。人も神もビルも、豆も。」
「おい広瀬このバカの言葉を翻訳する薬とかないのか。」
「生憎まだ無い。人類には奴との会話は早すぎる。」
「おいこら翼あとで屋上来いやてめぇ。」
「あと『NANBA1』て何? 機械の名称?」
「バッカお前上杉あんなのも読めないのかよ…。そりゃあれだ。『ナンバ』じゃなくて『ナンバー』だよ。ナンバーワンのナンバーだよ? わかるかい?」
「おい広瀬このバカの頭を人間にする薬とかないのか。」
「あるっちゃあるが、いいのか? このバカが人間になったら作品のタイトルの意味が無意味になるぞ。」
「それもそうだったな悪い。忘れてくれ。」
「優しさってなんだっけ、梓馬……。」
「ね、姐さんそんなに落ち込まないで下さい!自分はそんな姐さんみたいな発想にたどり着きませんでしたよ!だからそんなす○っこぐらしみたいに端に行かないで下さい姐さん!」
「梓馬……。」
「姐さん……。」
「あづm……」
『ピンポンパンポーーン』
『神崎ぃ……広瀬ぇ……逃げられると思うなよ……ブツッ』
「「…………。」」
「お、おい。今の……。」
体育の時や罰掃除の時によく聞いた低いドスのきいたあの声。
綺都と梓馬は先程名前を呼ばれた二人の顔を見た。
「「………………。」」
美織は準備運動を、翼はどこから出したのか量の薬品(おそらく手作り)の中身を水鉄砲の中に入れていた。
その二人の光景を見た綺都はすぐに察した。
「まさかお前ら、戦うつもりか?松沢先生と。」
そう言うと二人は静かにコクリ、と首を頷かせて保健室から出ていってしまった。
隣にいた梓馬が心配そうに呟く。
「あの二人…大丈夫ですかね?」
「わからない……無事を祈ろう。」
一人の、友として。
綺都は静かにその場で頭に手をやり敬礼した。
これから投稿ペース遅くなります。
ごめんなさい(´・ω・`)