11.眉毛の生えたモヤシVS発情期のメスゴリラ
<前回のあらすじを30文字以内で説明せよ>
美織「乳様突起て響きなんかエロくね?」
綺都「こら。」
翼 「貴様天才か。」
綺都「もうやだこいつらああああああああああ!」
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「神崎……」
「……上杉。やっぱ驚いてるね。」
「あの置き手紙はこういうことか……。」
綺都はハァ、と呆れと怒りの混じったため息をついた。
美織の隣に立っていた少年は綺都の顔を見るとフフッと馬鹿にするかのように小さく笑い、一歩前に出て自己紹介をした。
「まずははじめましてだな、上杉綺都。俺は広瀬翼という。早速だが貴様を拉致させてもらおう。」
今から売店行こうぜ!という軽いノリであり得ないことを言っている翼を綺都は汚物を見るような目で見た。
なんで美織の周りにはこんな変人しか居ないのだろうか……。
綺都は己のこめかみに指を当てた。
「断る。生憎変人とつるむ気は無いからね。」
変人、という言葉に気が触れたのか翼は眉間にシワを寄せて不愉快な顔をして見せた。
「何を言っているんだ上杉綺都。……貴様に拒否権なんぞ、存在せぬわ。美織、行くぞ。」
「うぃー。」
言い終わったと同時に翼と美織はその場の地面を大きく蹴って綺都めがけて走り出した。
「2対1はひきょガハッ!!」
2対1は卑怯だろ、と言う暇もなく綺都は翼の回し蹴りを顔面にモロにくらう。
ふらつく綺都の視界に次に入ったものはジャージに包まれた脚、美織の脚であった。
次は美織に蹴られると認識したと同時にもうひとつの感情が綺都の中に目覚めた。
『このバカだけには負けたくない』という対抗心が。
「ふっ!」
美織の一撃を避けた綺都はそのまま美織の脚を掴み振り落とす。
彼女の掴んだ感じ脚はかなり引き締まってそれなりに筋肉がついているのがわかった。
そんな脚で首元を蹴られていたと考えると少しだけ寒気がした。
対する美織はチッ、と舌打ちして綺都の背後に回る。
「上杉強くね?見た目モヤシのくせして。」
「だぁれがモヤシだっっ!!!」
「おい美織!こいつをとっとと落とせ!!」
先ほど綺都に重い一撃を喰らわせた当の本人翼は何故か教室の椅子に座って呑気に茶を啜っている。
そんな場違いの彼を見て綺都と美織は二人でつっこんだ。
「「お前も戦えよ!!??」」
「たわけっ!よくよく考えたら2対1は非人道的だろうが!」
「回し蹴り喰らわせた奴がどの口ほざいてんだ!!」
「あと正直眉毛の生えたモヤシと発情期のメスゴリラが一対一で闘ったらどちらが勝利するか興味がある。」
「誰が眉毛の生えたモヤシだ!!」
「てめぇぇ翼ぁ!!上杉倒した後で覚えてろよ!!」
「おや?貴様兄上に怒られてもいいのか?今回ばかりは俺もフォロー出来ないからな?まぁ貴様が上杉綺都に勝利すれば話は変わってくるが。」
「ぁぁあさっきの言葉取り消します翼さんっ!必ずや結果にコミットして見せまするぞ!!!」
「神崎お前やっぱ買収されてんじゃねえか!!」
「裏切るのも分かち合いてこその友!!」
「この外道がーー!!」
「おおーっとここでモヤシが眉毛を45°吊り上げて発情期のメスゴリラに反撃を開始する!っだがメスゴリラがここで己の自慢の剛腕でモヤシ裏拳を振り落としたーー!」
「実況するな!」
「ふっ、そろそろ茶番も終わりにしようか眉毛の生えたモヤシ。」
「何気にそのあだ名気に入るな。」
「この、超真剣必殺!!秘技!『ミオリちゃんFOREVERスペシャル~美人薄命~』でお主の人生も終わりにしてやろうじゃないかぁぁぁああ!!!」
説明しよう!
『ミオリちゃんFOREVERスペシャル~美人薄命~』とはその名の通り相手に人生の終焉を告げる必殺技で己の肉体を犠牲にして相手のみぞおちに思い切りタックルする諸刃の剣なのだ!!
因みにこの技は相手が美形な程、美織ちゃんの嫉妬の殺意が極まって技の威力が高まるぞ!!
美男美女の皆さん逃げて超逃げて!!!
「技名とんでもなくダサいな……。」
「おらぁぁあくらいやがれモサオぉぉおおお!!」
「最早あだ名の原形とどめてないし!!」
ものすごい勢いとスピードで美織が迫ってくる。よけれる気がしなかった。
背後には壁と優雅に茶を啜っている翼が見える。
このままでは背後にいる翼と衝突してしまうと考えた綺都は咄嗟に身を小さくして横へ転がった。
瞬間的に動いてしまったので身体の受け身をとるのを忘れてしまい、肩甲骨辺りに痛みが走る。
綺都はすぐさま起き上がり、顔を上げる。
「あ、」
目が回ってぐらぐらする綺都の視界にまずはいったものは
襲いかかっている美織の姿と、
その1,2m先の正面にいる翼の姿だった。
彼は湯のみを片手に口をあんぐりと開けてこの世のものでは無いのものを見るかのように美織を呆然と見ている。
「みお……」
ドォォオオオオオオンガシャアアアアアアアアアアアアンパリィィィイイイイン!!!!
ここまで約0.5秒。
少しだけ机がずれて散らかっていた教室は1秒もたたずに一気に戦場の荒野と化した。
視界の先には重なってうなだれて倒れている二人と割れた窓。
綺都は腰を抜かしてその光景をひとり呆然と眺めていた。
(え、えぇ~……)
もう日は落ちて、月が薄く登り始めている中、綺都はこの場から逃げようか逃げまいかの問題以前にこの状況をどう説明したら良いのだろうかと悩み果てていた。




