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第一話:この俺という最高の賞品

読んでいただきありがとうございます!

雨の中、絶望する彼女を引き留めるため、ウリエルが放った起死回生の「究極の一手」とは?

……なお、使用後の本人のメンタルは保証されません。

ウリエルはその沈黙の中で、平静な表情を保ち続けた。


自分の耳の付け根が燃えているのは、ちゃんとわかっていた。


彼女は黙ったまま、少しだけ眉間を寄せた。

難問に向き合うときのような、処理しきれていない何かを抱えた顔だった。


(よかった。死にたい気持ちが、さっきより増してはいない)


ウリエルは視線を地面の水たまりに逃がし、心の中で、かなり激しい一人反省会を始めた。


(俺という可愛いやつ、だと?黒歴史確定だ。なんでそんなことを口から出してしまったんだ俺は)


(本当にお前が言ったんだよな、今の。確認するぞ。変な子供だと思われたんじゃないか)


手をそっと下ろして、水紋の行方を研究しているふりをする。


問題は、『あなたに差し上げます』みたいなふざけた口説き文句は、消耗品だということだ。

彼女には、手で掴めるくらい具体的な理由が必要だ。

そうじゃなければ、一時の騒ぎが過ぎたあと、このとんでもないお姉さんはまた同じ場所に戻ってしまう。


繋ぎ止める、フックが要る。


三つの方向性を思い浮かべて、全部却下した。

四つ目が浮かんだ——


ウリエルはその瞬間、脳内で即座に却下した。


(ダメだ。絶対にダメだ)

(どれだけ臭いセリフか、考えただけで全身の毛が逆立つぞ——前世七年間、異性とまともに話したことすらなかったくせに)

(女神様、いっそ次回の転生に回してくれないか?)


足の指が無意識に床の隙間を引っ掻いていた。


道理は通じない、それはわかっている。

前世で、笑いながら「ちゃんと生きるよ」と言い続けた友人が、最後は消えてしまった。

必要なのは道理じゃない。

「まだ終わってない何か」を具体的に感じさせる、フックだ。


それから、彼は口を開いた。


(待——)


大脳からの緊急撤回コマンドが間に合わず、この幼い体の口が魂を裏切り、待ちきれないとばかりに第二のド直球をぶち込んでしまった。


「あの、俺のこと育ててみない?お母さんになってよ」


言葉が落ちた。


中庭に残るのは、雨音だけだった。


ウリエルは無表情のまま目の前の水たまりを眺め、雨粒が落ちて、広がって、消えて、また落ちて、広がって、消えるのを見続けた。


(俺は何を言っているんだ)


(美少女に向かってお母さんになってくださいって頼んだぞ?!「俺という可愛いやつ」より十倍は恥ずかしいだろこれ!!)


指の爪を床の隙間に思い切り押し込もうとした——爪が短すぎて入らなかった。

かえって爪の先が少し痛んだ。

でも、この痛みが必要だった。

物理的な刺激がなければ、自分の顔が今どんな表情をしているか、自信がなかった。


(それともこの体が幼すぎるせいで、本能的に「お母さんが欲しい」方向に引っ張られたのか? 生理的な現象として?!)


(だとしたら——)


ちらり、と極めて目立たない角度で彼女を盗み見た。

即座に視線を床に引き戻し、釘付けにした。


(死にてええええっ!!!)


(……まあいい。意味は伝わった。生きてこそ叶えられるものを一つ渡せた。ないよりはマシだ——とりあえずその時まで生き延びてから考えよう。今はそれでいい。それでいいんだ)




彼女はずっと彼を見ていた。


「俺という可愛いやつ」と言った瞬間から、その視線は一度も外れていなかった。


ウリエルは顔を上げて彼女の目を正面から受け止めた。

逸らさなかった。

続きも言わなかった。

ただそこに立って、見られ続けた。


雨はまだ降っていた。

急ぎもせず、止みもせず、古い壁を叩き、地面を叩き、二人の間の空気を叩いた。

すべてを洗い流すように。


あの理屈にもならない表彰のせいか、それとも別の何かのせいか——雨に打たれて疲れ果て、虚ろだったその瞳に、ある瞬間、ひびが入った。

焦点が、少しずつ引き戻されてきた。

本当に、彼の顔の上に視線が落ちてきた。


そして彼女は口を開いた。


声はかすれていた。

長い間、言葉を使っていなかったような。

あるいはもっと前から、何かをずっと喉の奥に押し込み続けていたような、そんな声だった。


「……うん」


ウリエルはその一言を聞いて、胸のつかえが下りるのを感じた。


「でも」


彼女は小さく続けた。

その声の中で、何かがゆっくりと、しかし確かに息を吹き返し始めていた。


「少し、待っててくれるかな?」


彼女は壁に手をついて、ゆっくりと立ち上がった。


ウリエルは首を上げて、その様子を見上げた。

思ったより背が高かった。

金色の長い髪が動くたびに後ろへ滑り落ちて、濡れた毛先が腰の横で細かな水の弧を描いた。

金色の瞳は、もう虚ろではなかった。

焦点が戻っていた。

はっきりとしていた。

その奥に何かがあった——ウリエルにはまだ、それが何かを読み切れなかったが。


「一つ片づけてくる」


彼女は言った。


「あとで、迎えに来るね」


「……いつ?」


ウリエルは聞いた。


彼女は少し虚を突かれたように止まって、考えてから答えた。


「明日」


「わかった」


ウリエルは頷いた。

その約束を、胸の中でしっかりと押し固めた。


「待ってる」


彼女はしばらく彼を見つめた。

その目の中に何かがあって、ウリエルにはまだ読めなかった——重いはずなのに、なぜか軽かった。

数秒、静かに見ていた。


それから、彼女は身体にかかっていたあの古い毛布をそっと外した。

ウリエルの小さな体に、丁寧にくるりと巻きつけた。

彼には大きすぎる毛布で、ほとんど全身がすっぽり包まれた。

ずしりと重くなった。

この世界が誰かの肩に負わせていた何かが、急に自分の上に来たような、そんな重さだった。


それから彼女は向きを変えて、中庭の反対側へ歩いていった。

数歩歩いて、雨の中で金色の髪が揺れた。

振り返らなかった。


ウリエルはその場に立ったまま、その背中を目で追って、【観測者】でそっとその方向を探った。


——底なしのあのエーテルが、彼女が向きを変えた瞬間、ひっそりと、何かが変わっていた。

どこがとは言えない。

ただ、さっきとは違った。




毛布を畳んで元の場所に戻し、窓際に腰を下ろした。

おばあちゃんに引きずられて食堂で二口だけ食べて戻ってくると、雨は上がっていた。

夕日が雲の隙間から顔を出して、中庭の水たまりを一面の砕けた金色に染めていた。


彼女が最後に言った「明日」という言葉を、思い返した。


(戻ってくるよな)


そして内部審判に一項目追加した。


——「俺という可愛いやつ」。これは二度と使わない。永遠に。


夜は約束通りやってきた。


ウリエルは窓際に座って、かかとで壁をとんとんと鳴らしていた。

午後とまったく同じリズムで。



【第一話・終】

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


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