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〈嵐の到来…1〉
公爵邸に戻ったアヤナーラは夕食もあまり喉を通らず、湯浴みをしたあともなぜか身体が冷えきっていた。
あのステイルの顔や後ろ姿を思い出すと手が震えてしまっていた。
ベッドに入ってからもなかなか寝付けなかった。
たくさん歩いたせいか身体も怠く頭の中もごちゃごちゃしていたため、きっと考えすぎかもしれないわ、もうすぐ結婚式ですしきっと大丈夫…と自分に言い聞かせながらも…ステイルの別れ際の冷たい後ろ姿が脳裏から離れなかった。
深夜…
アヤナーラの部屋へ夜中に飲む水を交換に来た侍女がアヤナーラの様子がおかしいことに気づく。
「エミリー様、お嬢様がたいへんです!ひどい熱を出されています!」と慌ててエミリー起こしに来た。
すぐに起きて医者の手配と必要なものを準備しアヤナーラの元へ向かう。
「お嬢様、お嬢様しっかりしてくださいませ。お嬢様…」とエミリーがアヤナーラの手を握り心配そうな顔をしながら声を掛ける。
アヤナーラは、うっすら目を開け、ふとどこかで見たような光景だなと思いながら「大丈夫よ…」と言うも次の瞬間には気を失っていた。
すぐに医者が駆けつけ城下町で流行っていた鎮静化したはずの流行病だとわかるやいなや、すぐに誰も近づけないよう伝令を出した。




