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〈はじまりの光-氷の王子と薔薇の令嬢-1 sideステイル〉

私は物心がついた時から、たくさんの勉強に魔術や体術、剣術の訓練をし、さらには我が王家や我が国の歴史を時間を掛けて学ばなければならなかった。


公務で忙しい父である国王、母である王妃には年に数回しか会うことができなかった。

私には弟がいるが、住まいも別で、教える内容が違うという理由で弟にもほとんど会わせてもらえず、私は孤独だった。


私についていた教師は常に完璧でいることを求めてきた。

訓練に負けると悔しくて涙を流すこともあったが、そのような感情を出すことすら禁止してきた。

王とはそういうものだと幼い頃から教えられてきた。


段々と出来ることが増えていくと、周りの目が変わって行った。

"ステイル殿下はとても優秀なのね"

"あの幼さにしてあの実力、安心して将来を任せられますね"

"あんなに幼いのに感情を見せないなんて…ほら、今日も淡々と訓練をこなしていらっしゃるわ"

あちらこちらで、そのような評価が囁かれるようになった。



周りから優秀だと言われていた中、年上の貴族の子どもに訓練で負けたことがある。

悔しくて顔を歪ませると、その子どもはニコッと笑いながらまた訓練をお願いいたします殿下。と涼しげな顔で言った。

それが後の私の側近、従者になるユリウスだった。

私はもう負けないようにと、さらに鍛錬を続け、ついにユリウスに負けることがなくなった。


だがその頃には、心に分厚い氷が張り詰めたかのように、何も感じなくなっていた。

熱い涙も、喉を焼くような悔しさも、すべては遠い霧の向こう側のような出来事だった。


私の生まれた意味は王になること。

感情など不要で、ただ優秀な王としての務めを果たすことなのだと子どもながらに理解した。


愛された事がない私は周りに対しても常に冷ややかで、いつしか"氷の王子"、"冷徹な王子"と呼ばれていた。

そんな色の無い世界で私は生きていた。

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