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〈宿命の謁見.1〉

アヤナーラは不安だった。

記憶を見られたこと…大切な記憶を消そうとされていること…何やら周囲が騒がしいこと…


私には伝えられていないけれど…確信に近い予感があった。彰人ーーー彼もまたこの世界のどこかに生を受けているのではないかと。

けれど、そう思った瞬間に背筋を凍りつかせたのは、ステイルのあの冷徹な眼差しだ。

もし彼が『彰人』の存在に気づき、その息の根を止めようとしているのだとしたら……


想像しただけで、内臓が裏返るような吐き気に襲われた。

「おえっ……」

堪え切れずその場に蹲り、胃液を吐き出す。


「…っ!お嬢様!お嬢様、大丈夫ですか?」と異変に気づいたエミリーが悲鳴に近い声を上げて駆け寄ってきた。

「お嬢様少し休みましょう、来週にはご実家に戻れますから、気を休めてください…」


しかし食事も取れず、体調が良くなることは無かったため医者を呼ぶことになった。


すると医者からは懐妊を告げられた。


嬉しさと同時に恐怖を感じたアヤナーラはその事をステイルに告げることは出来なかった。


そして帰省する当日…

何やら城の周りや城内にたくさんの騎士が控えており物々しさを感じさせた。


…一体何があるのだろうと不安になる。


公爵邸に戻る馬車の中、外の景色を眺めていた。


久しぶりの外、嬉しいわ。と少し気持ちが楽なる。


しばらくすると、城から離れた場所で隣国の国旗をつけた馬に乗る人物と目が合う。


そして相手と目が合った瞬間、驚きで目を見開く。


そこには前世で愛し合った夫がいた…


でもあちらは記憶を取り戻しているかなんてわからないし、もしも彼を選んでしまえば必ずステイルは彼を探し出し手にかけるだろう。

それからの未来は見えている。

戦争という名の未来が…


それだけは避けなければならない。


しばらく馬車を走らせたが

「エミリー。私戻らなければならないわ!ステイル様を止めなければ!」と城へ帰るよう命令する。


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