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〈共鳴する魂〉

ステイルは、静かに横たわるアヤナーラの額に魔道具をつけた。

彼女を救うため、そして彼女の中から『知らない男』を消し去るために、彼は幾度となく彼女の夢への干渉を繰り返していた。


夢の中でヤツが現れるたびに、魔力を流し込み消そうとしたが、ヤツはなかなか消えようとしない。


(消えろ。その忌々しい記憶も、名前も。君に必要なのは私だけだ…)


思い切って大量の魔力を流し込もうとした瞬間、消去しようとした記憶の断片がステイルの魔力に抗うように激しく発火した。


「ーーーっ!」


ステイルが怯んだ隙に、アヤナーラの意識が、張り裂けんばかりの絶叫をあげた。


「彰人ーっ!」


その声は、アヤナーラのものではない。

かつて愛する男を遺して死にゆく『綾乃』の、魂を削り出すような叫びだった。


「アヤナーラ……やめろっ!その名前を呼ぶな!」

ステイルは狂ったように叫び、彼女を抱き寄せようとした。だが、その声はすでに、アルベルトのもとへ響き渡っていた。


ー同時刻 アースパーニャー

うとうとと、眠りについた頃。

私はまた前世の記憶を見ていた。


最近では眠ることが嬉しくてたまらないのだ。

夢の中で、綾乃、そして陽菜に会えるからだ。


幸せそうに綾乃を抱きしめている時だった。


"彰人ーっ!"

突然、恐怖に慄き、泣きじゃくっている顔で綾乃が私….いや俺の名前を叫んだ。


私は一気に覚醒し飛び上がった。

今すぐにでも彼女を助けねば、と。


アルベルトの周囲に、凄まじい魔力が渦を巻く。

かつて「彰人」として守りきれなかった悔恨が、「竜殺し」という二つ名を得た「騎士団長」として圧倒的な力と結びつき、彼を突き動かした。


「私はこれからヴァレンシュタットに行く。

しばしの間、騎士団を頼む。」と副団長に告げ、馬に乗り駆け出した。

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