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〈月夜の闇〉

ユリウスが去った後、静寂に包まれていた。

エミリーに支えられようやくベッドに横たわったものの、なかなか眠ることは出来なかった。


「エミリー…ありがとう、私は休むわ…」と力なく伝える。


「私は隣に居りますので何かあればすぐに叫んでください」と部屋を去る。


泣き疲れ、だんだんと意識が遠のいていったその時ー

乱暴に扉が開かれた音がした。

驚いて体を起こすと、そこには魔道具を持ったステイルが立ち、その奥にはユリウスが怪我を負い膝をついていた…


恐怖で「い…いやっ…」と叫びそうになる私の口を押さえ「静かにするんだ、アヤ。君に怖い思いはさせないから心配するな」と穏やかな声でステイルは言った。


その手は凍えるほど冷たくなっていた。


「…ユリウスは、私が君の心を壊そうとしていると言うんだ。私はただ…君の中にいる、君を苦しめている『不純物』を取り除いてあげようとしているだけなのに… 君の瞳に、君の記憶に、君の心にいるのは私だけでじゅうぶんなのだから…それ以外は必要ない」


私は狂気に満ちた瞳を見つめることしか出来なかった…


ああ、私はどこで間違えてしまったのか…

どうしてここまでステイルを追い詰めてしまったのか…

そんな事を考えているうちに、ステイルは水晶の付いた鎖で繋がれた魔道具を私の頭に嵌め、反対側を自分の頭に嵌め魔力を流し始めた。

そして私は意識を手放した…


「さあ、見せておくれ。君の中の記憶を…前世の記憶とらやを…」


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