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〈隣国の王子-解かれた封印〉sideアルベルト

ー町外れにS級ランクの魔物が出現

至急、騎士団を召集されたしー


早朝、寝込みを襲うように届いたその報せに、私は耳を疑った。


S級。それは一国の軍隊に匹敵する災厄であり、本来なら万年雪に閉ざされた高山にしか生息しないはずの『天災』だ。


…一体何が起きている。無意識に眉間に皺がよる。



私、アルベルト・アースパーニャはアースパーニャ公国の第二王子だ。

兄が国王になるため、私は幼い頃から騎士としての訓練を受け今では騎士団長の職を預かっている。


兄の婚約者候補だったサヴォイア公爵令嬢。

公爵が難色を示したことでその縁談は立ち消えになったが、それは公爵が娘を溺愛しており手元に置いておきたい、そして。第一王子に見初められたのではないかとの噂を耳にしていた。



ー半年後に、隣国の第一王子と結婚するー


そう風の便りで聞いた知らせを、私は騎士団の詰め所で、…やはりか…と拳を握りしめながら聞いた。

私自身にもソフィアという婚約者がいながら、なぜか胸の奥がチリチリと焼けるような感覚を覚えた。

一度も会ったことなどないというのに。


「騎士団長、また訓練ですか?少しはソフィア様にもお顔を見せて差し上げないと」

部下たちの軽口を、いつも私は剣を振るう音で掻き消していた。


兄の結婚が終われば、次は私の番だ。

そんなことは分かっている。

だが、今は目の前のS級魔物-白竜-の脅威に、この身のすべてを捧げるつもりだ。


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