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第三章 第十四話 明かされるもの、秘められるもの

 みかんが追加でもう1セット注文したこと。

 ジェラート全制覇を2周し、その後トイレに駆け込んだこと。

 そうした細かい事件はともかく、俺たちは食事を終え、次の場所に移動することになった。


「あれ? 学校に戻るの?」


 結希が、疑問を示す。


「メアと奏、二人の能力確認があるからね。それに、学力診断も必要になるから」


 授業を受けるのではないと分かり、結希と明がホッとした表情を見せる。

 どうやら二人とも、勉強はあまり好きではないようだ。


「あの……ギフトなどについて、全員に示すのは、勘弁してもらえないでしょうか?」


 奏が、少し怯えた表情を見せる。


「そうね。個人情報だから、本来本人だけに見せるものなの。あなたたちが、例外なのよ」


 こちらに一瞬だけ、視線を向ける。

 法律を知っているため、俺もそのことは理解していた。

 だが、これから運命を共にする仲間たちに隠すのは、良くないと判断したからこそ、公開したのだ。

 今の段階で、奏にそれを強いるつもりはない。


「うん。分かった!」


 結希が答える。

 それに対し、奏は少しだけ考え、言葉を発した。


「いえ、結希にだけは、知ってもらおうと思います」


 意外ではあるが、納得できる。

 あの時結希が言い放った、生きる価値があるという言葉。

 恐らくそれが、彼女に届いたのだろう。


「分かった。メアは、どうする?」

「私の方は、構わない。共有したほうが、戦いの幅が広がるのは確かだから」


 こちらは、あっさり公開することに同意した。

 ループを何度も繰り返しているということなので、恐らく公開したほうが良いと「知って」いるのだろう。


 学校に到着する。

 そして、医療施設に向かうことになった。


「二人とも、戦いで見えない傷を負っている可能性があるから。まずはそのチェックね」


 まず、奏とメアの二人。

 そして、俺たちも念のためチェックを行う。


 結果は良好。

 奏は少し、身体的なダメージが残っているようであるが、一日ゆっくり休めば問題ない範囲のようである。


「ヒーローの潜在値を測るけれども、良いかしら?」


 これには、二人とも同意する。

 そして、測定が始まった。


「まず、奏の結果だけれども……現在値3、潜在値8。優秀な結果ね」


 現在値は、みかんと同レベル。

 そして潜在値も、他のメンバーと同等だ。

 これからの伸びに、期待できそうである。


「次。メアなのだけれども。現在値6、潜在値は……測定不能」

「ええ?!」


 全員の声が、響き渡る。

 みかんと同じ結果であり、明らかに異常事態だ。

 しかも、現在値6は「現役のヒーローの中でも、上位に位置する」値である。


「まあ、当然の結果ね」


 メアの反応は、淡々としたものであった。

 こちらの方が、おかしいのではないかと感じるほどだ。


「にゃあ……みかんのアイデンティティが……」


 みかんが、ガックリと肩を落としている。

 この結果はさすがに、そうならざるを得ないだろう。


「とりあえず、測定不能が二名というのは完全に異常事態よ。機器の調整や、上限の解放。すぐ兄に伝えるわね」


 舞先生が電話をかけ、会話を交わす。

 藤花コーポレーションのトップ、誠司。

 かすかに声が漏れているが、専門的な内容であり、十分理解することはできなかった。


「お待たせ。次は『ギフト』、『ギアス』、『フェイト』の測定に移るわよ」


 今日の午前中にも世話になった機器。

 まさかこの日のうちに、再びその前に立つとは思っていなかった。


「まず、奏からね。事前に告げられているから、結果は見ないで渡すことにするわ」


 舞先生が、奏に紙を手渡す。

 奏が、一瞬震える。


 隣にいた結希が、手を握った。

 震えは、収まったようだ。


「ひどい……許せない!」


 結希が、怒りを示す。

 よほど凄惨な結果が、記載されていたのだろう。


「でも、大丈夫。僕がいる!」


 珍しい。

 結希は、こんなに積極的だったのだろうか?


「おやおや~? もしかして、春の予感……ふにゃ!!」

「なあ、金槌はないか? いくら俺の拳が頑丈でも、さすがに毎回はキツイぞ」

「そうですね。何かしら考えたほうが、良いのかもしれません」


 みかん、明、漣。

 この流れも、見慣れてきた。


「それじゃあ、メア。どうぞ」


 彼女が、装置に入る。

 直前の潜在値測定の結果は、凄まじいものであった。

 恐らくこちらも、とんでもないことになるだろう。

 期待と不安が交錯するなか、機器が停止するのを待つことにした。

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