表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
門兵ですが、そこそこできます  作者: 勢崎カスリ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
66/67

覚悟(2)

 それから二人は、イントリーニアの拠点に向かった。拠点には、執事服の男一人だけの存在が確認できた。シルビアーノ曰く、その男は、ガジルと呼ばれ、イントリーニアの術師会に所属している幹部の一人で、攻撃系に特化した“元“勇者とのこと。ランクとしては、Aランクらしい。おそらくは、ゼノンと同レベル。ただし、ゼノンといえど、ハルの“本気“のインビジブルは、その気配すら感じ取れない。確かに、ダンの最期を見届けた後に野営地に戻った際、ガジルのただならぬ気配を察知し、咄嗟にインビジブルをかけたが、ガジルには悟られなかった。なので、今は、シルビアーノにもかけて、拠点内を探索している。

 (それにしても、あなたって、ほんと、すごいのね。他人にインビジブルをかける、なんて聞いたことがないわよ。学園にいた時からすごい、とは思ってたけど。これほどとは思わなかった。正直、攻撃を仕掛けなくてよかったわ。)

 (いやいや、僕なんてまだまだだよ。まぁ、もし、君に攻撃されても、なんとかやり過ごすことはできたとは思うけど。)

 (やり過ごす、ねぇ。確かに、ダンの攻撃を見事に躱してたものね。私には、“あの“攻撃は躱せないもの。)


 しばらく、拠点内を探索してみたが、先の獣魔騒動とイントリーニアとの直接的な関係を示すものは、流石に見つからなかった。しかし、ガジルが、イントリーニアに“魔術通話“で何かしらの報告をしているのを聞くことができた。“魔術通話“とは、パンズール王国でいうところの念話に近いのだそうだが、頭の中での会話ではなく、声に出すところが大きな違い。そのため、通常は、“静音結界“を張って使用するらしい。今も、一人しかいないが、ガジルは“静音結界“を張っている。しかし、ハルは、相手に気づかれることなく、その結界を破っている。

 (ねぇ、これも、その、オリジナルってやつなの?)

 (うん、何とか形にできたんだよね。)

 (もう“すごい“を通り越して、“怖い“わよ。アンタって、ほんとに門兵?)

 (うん、ただの“門兵“。ほんとは、こんなことより、門兵の仕事に戻りたいんだよね。)


 ガジルの報告内容はこうだった。

  ・イントリーニアが送り込んだダン、シルビの二人の勇者と、世話人としての術師は、原因は不明だが自分ガジル以外の全員が滅殺。

  ・ターゲット(ハル)との交戦が生じたことは、見張り役の術師からの報告で確認。

  ・ターゲット(ハル)の存在も、感じ取れた気配がなくなったことで、同じく滅殺。ただし、これは想像の範疇。

  ・直ちに、イントリーニアに戻る。


 (で、彼はどうするの?)

 (とりあえず、このまま放っておく。)


 しばらくして、ガジルは拠点を後にした。ハルとシルビアーノも後を追うように、拠点を出た。

 「じゃぁ、一旦、僕の屋敷に戻ろうか。」

 「いいの?」

 「別に、いいよ。それに、さっきの“アテ“にも関係するし。」


 どういうことかよくわからなかったが、せっかくなので、甘えることにした。そういえば、ハルの実家によるのは、専科1年の時以来。果たして、覚えていてくれてるだろうか。

 ハルは、事前にハースへ念話で事の顛末を伝えておいた。内容は、シルビアーノに話したことと同じ。

 (本当のことは話せないけど、でも、全くの嘘、でもないから。許して、かあさん。シルビアーノ、も。)


 「やだ、どうしましょう。ハル君が女の子を連れてくるんですって。アキ〜、アキ〜。」

 「はい〜、ただいま。」

 急ぎアキがハースの元にやってくる。

 「どうされましたか、奥様」

 「ハル君が、ハル君がね、女の子を今からこの屋敷に連れてくるんですって。」

 「ハル様が?女性を?まさか・・・」

 「たぶん」

 「まぁ。だから、最近ちょくちょくお出かけになられていたのですね。」

 ハースとアキは、“ニヤリ“と薄笑いを浮かべて、

 「キャ〜、お祝いよ、お祝い〜!」


 「何事ですかな?」

 「お祝いだってさ。まぁ、俺は飲めれば何でもいいよ。」

 「旦那様〜。」

  薄目をアルに向けたゼノンは、そのまま言い放った。

 「はい、チェックメイトです。」

 「そ、それ待った〜。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ