再会(1)
なぜ、神聖国の勇者が、自分を調べているのか?
それは、ハイスパイダルを屠ったから。
ではなぜ、ハイスパイダルを屠ったことが、自分を狙う理由になるのか。
それはわからない。
でも、それならそれで、相手が、そう言うつもりなら、こちらとしても、遠慮する必要はない。
(そのためにも、あの女性勇者がシルビアーノではないことを確認する必要があるんだけど、どうしようっかなぁ。)
こればかりは、ゼノンたちに相談するわけにもいかず、答えの出ない自問自答を繰り返していた。
そんなことを考えながら散歩がてら歩いていると、気づかないうちに、神聖国イントリーニアの屋敷の近くまで来ていた。そして、前方から、今まさに気にかけていた人物が、ハルの方に向かって歩いてくるのに気づいた。
(ん?あれって確か・・・。って、ヤバイっ、シルビさんだ。ど、どうしよう。)
ハルは思案した。そして、気づいた。
(そうか、今は、幻術を使っていないから、“シルビ“さんと呼ぶのはかえってまずい。なら、そのままシルビアーノ?って聞くのが自然だよね。)
いよいよすれ違う、という時。
「こんにちわ」
ニコッと笑ってハルが声をかける。ハル自身、驚くほどに、自然に声をかけることができた。
「こんにちわ」
シルビも軽く笑みを湛えて答える。相手も自然に反応してくれた。これはチャンスだ。そう考えたハル。
そして、そのまま通り過ぎる。しばらくして、ハルは振り返って、声をかける。
「あれっ?シルビアーノ、さん?」




