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門兵ですが、そこそこできます  作者: 勢崎カスリ


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想定

 神聖国イントリーニア(旧ストロフィア公国)。聖都サパト(旧主都ストーラン)。今から約500年前。魔人族の襲撃に遭い、王家が全員殺された過去を持つ、不遇の国家。それから、周りの国々の協力を得つつ魔人族を打ち払い、200年前にやっと今の国家形態を成し得た、周辺国の中では、“新興国家“に位置する。

 と言うのは、“対外“的な話。その実は、現在も国家を牛耳っている神聖教会による“自作自演“のクーデターに他ならなかった。当時、力を強めていた神聖教会とその下部組織の冒険者組合の幹部、そして“教会員“と呼ばれる一部の上級魔術師が結託して王家に反旗を翻した。そして、そのクーデターに最も貢献したのが、上級魔術師達による儀式で“召喚されたスキル“を啓受された複数の魔術師=“勇者“たち。現在のイントリーニアにも、10人の“勇者“が存在している。そのうちの2名が、先のパンズール王国の“前巡礼“にて、モンスターを手引きした者たちである。

 なぜ、そのようなことをしたのか。今、イントリーニアは、周辺国の1つ、パンズール王国を手中に収めるべく、“国家乗っ取り“を計画している。その中心人物が、今この場に集いし、5人の上級魔術師。五賢師と呼ばれる者たちである。


 「まさか、あのハイスパイダルが、あぁも簡単に退けられるとはね。」

 「まぁ、以前送り込んだ間者達が看破されているのだから、それなりの強者がいるとは思っていたがね。」

 「それで、アイツらからは何と?」

 「はい、まずは“どう言うことか“との確認が。」

 「まぁ、確かにそうだわな。アイツらからは、ゴブリンあたりを5体とか、甘っちょろい要請だったからね。で、なんと答えた?」

 「はい、こちらからは、要請通りゴブリンを5体送ったと、答えておきました。それと、今後の計画についても問われたので、予定通り、とだけ答えておきました。」

 「うむ、それでよろしい。」

 「これで、パンズール側がどう出るか、ですな。」

 「予定通り、巡礼を進めるでしょうか?」

 「それならそれで、こちらも予定通り、さ。もし、延期、あるいは中止となれば、プランBに切り替えるまでだ。」

 「しかし、あのハイスパイダルを切ってとった者は何者でしょうなぁ。」

 「我が国同様に“勇者“がいるのやもしれませんなぁ。」

 「いいや、それはないでしょう。彼の国は、スキルの啓受を禁じて、と言うより、“スキルの召喚“自体を禁じておりますゆえ。」

 「そうですな。では、それ相当のものがいると?」

 「そういえば、間者を看破した者がいましたな。」

 「確か、“門兵“でしたかな。」

 「“門兵“ですか?何かの間違いでは?」

 「いや、それは事実のようだ。我々の送り込んでいる間者もそれなりの実力を持った者だ。それを看破できるとなれば、たとえ、“門兵“であっても、もしかすれば、ハイスパイダルを打ち倒せるやもしれぬな。」

 「それに、今回、“あの者“も関わってきたと。」

 「“あの者“?あぁ、ゼノンワルドか。確かに、そっちの方が厄介かもしれんな。こちらの動きをそれなりに感づくやもしれん。」

 「では、警戒を?」

 「うむ、一段、二、いや、もう三段上げて、ことに当らねばならぬな。この計画は、絶対に失敗してはならぬのだから。皆も、良いな?」

 「「はっ!」」

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