005 暇です、王女様。
「リ~リ~ィ~...」
ある昼下がり。
俺は股の間に座る少女の頭に顔をうずめていた。
「ん。なに?」
先ほどから何やら読書に耽っていたリリィが顔を上げた。
「ひ~ま~...」
暇なのだ。
結婚したものの特にやることもない俺は勿論。
国の業務をやらなくてもいいリリィまでもが暇なのである。
この年齢にして老後並みに暇とか今後大丈夫か?
因みにシュリアスのやつは先ほどから長い黒髪を目元までたらしながら、グゴーグゴーとイビキを立てながら俺たちの部屋のソファで寝ている。お前昨日また夜中まで飲んでたもんな。あと髪切れよ。
「ハルもほんよんでみたら?」
読書か...そういえばここ10年近くまともに本なんて読んでないな。
「本か...どこにあるんだ?」
そういえば俺はこの城の事を全く知らない。
トイレや食堂とか一般的なところは教えてもらってないけど、あれかな地下室とかあるのかな?
「本なら西館の4階にあるしょかんにおいてあるよ~」
書館か...すげえ...
「蔵書数って何冊くらいなの?」
いや、予想はできているけど...ね??
リリィは本を机のわきに置くと、何やら指を折りだした。
「え~っと...たしかぁ......4200万冊くらいだった...かな?」
図書館じゃねぇか。
いや図書館超えてるわ。
「でも、国の人もみんな使えるし無駄にはなってないと思うよ。」
なるほど。一般公開しているのか。いい国だ(図書館でした)
「私ももうこの本読み終わるし...一緒に本見に行こうよ!」
わぁい。何読もうかしら^^すっげえ一般の方々ににらまれそう。
「ところで、リリィはさっきから何を読んでんの?」
この娘がこれほど静かになる本だ。俺も読んでみたい。
「これ?タイトルは...『愚者の魔鏡』だって。意外と面白かった。」
と、満足そうに本を胸に抱えた。
なんだそれ。書いたやつ誰だよ。
「んじゃ書館行くか。」
「わかった!じゅんびしてくる!!」
リリィは立ち上がると本を胸に抱え部屋の扉を勢いよく開けるとどこかへ走っていった。
王女様、はしたないですよ。
というか、本借りに行くのに準備って...
「おい、シュリアス起きろ。働け。」
シュリアスを蹴り上げる。




