003 戴冠
「こくみんのみなさん。私のおと…父ライアン・ウィーグルにかわり、ウィーグル大陸国の女王になります、リリシア・フィ・ウィーグルです!これからもお父さんの残してくれたこのウィーグルを私が良い国にしていきますっ!」
今日、城前に集まったのは戴冠式なだけあっておよそ20万人の群衆になる。
中には人族だけでなく別種族も多くいる。
そんな事より良いのか?リリィさん?
群衆の奴等みんな和んでるぞ。
「それにともなって、私は結婚します」
いや、何に伴ってんだよ。
「こちら、私の夫になりこの国の国王となります、ハルです。ちなみに身分は私より下です!」
おい、何故それを言った。あと群衆の皆様睨まないでください。
分かってます。リリィたそはみんなのアイドルですね知ってます。
俺はとりあえず軽く会釈した。
『おいおい、あいつロリコンじゃねえのか』
やめろ。それ一番気にしてるやつや。
『王女様も大変だな、あんな根暗みてえな暗い男...』
『私たちのこと睨んでるわコワーイ』
『てか、あいつ誰?』
『あいついい男じゃねえか♂』
すげぇ言われ様だな~。てか最後変な奴いたぞ。
群衆は俺たちの遥か20メートル下にいるが冒険業をやめた後、念の為ととっておいた聞き耳スキルがここで暴発する。
でもあいつらの言ってることはわからなくもない。
いきなり現れたどこの誰かもわからない馬の骨が、『国王です』って言って『はいそうですか、宜しくお願いします。』なんてできるか。
しかも挙句の果てにはみんなのアイドルリリシアたん(12歳)と結婚しますだぞ?
こんだけで済むならまだいいほうだ。
ここで俺が『シュリアス皇帝を倒したのは俺だあああ!!!!!』って叫んだら立場逆転だろうな。
でも正直なところを言うと、何よりめんどくさい。
この世界を最悪にまで落とした皇帝を倒したんだ。
報酬金だの広報だのが黙ってるわけがない。
金なんてもらうくらいならリリィのひもになるわ。
式を終えるとリリィがパタパタと走ってきた。
俺のところまで来ると俺の腹のところに顔をうずめた。
「むふ~ハルの匂いだぁ~」
コラコラ
「リリィ。ここは廊下でみんな見てるからそういうことは部屋でしような」
指摘してやるとリリィは「へ?みんな?」と不思議そうに顔を上げあたりを見渡した。
「さっきから使用人の人たち見てるぞ」
見る見るうちにリリィの顔が赤く染まっていく。
「は、ハル。ろうかでこういうことはひかえるようにっ!」
え~...俺すか。




