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023 王家ウィーグル歴史展①

2日目はリューネの町を見て回ることにした。

昨晩、リリィの就寝時間が遅かったので起床したのは10時ごろでそれから朝食を取り11時前に町に出た。


リューネの町は観光業で栄えているというだけあり、活気があった。

この当たりでは見ない衣服を身にまとっていたり、少し肌の褐色な人などが町を行き交っている。

通りでは多くの馬車が走り、観光客が移動手段として利用しているらしい。


そして何より、町が大きいのだ。

昨日は夜も遅かったため、街頭で明るさは確保されていたが、そこまで遠く見通せなかったのだ。

まず目には入るのは時計台だ。

大きさは…100メートルはあるのではないだろうか。

側面はブリックと呼ばれるだけあって、すべてがレンガで覆われている。


風化され時代は感じるが、それこそ汚いわけでなく清掃はかなり行き届いている。


時計台を中心とした町は、外側に行くにつれて標高が高くなり時計台からはリューネをすべて見渡すことができる。

観光マップによるとここは現在かなり大きい死火山らしく、町が丸々カルデラに覆われているらしい。


「まずは…」


観光マップで自分らの現在地を確認し、付近の観光地を探すと他より少し大きな文字で書かれた場所が目に留まる。


「…は?」


俺の阿呆らしい声に反応したのは俺の少し前をシュリアスと歩いていたリリィだった。


「ん?ハル何処か行きたいとこあった?」


そう言って、パタパタと駆け寄ってくる。

俺の観光マップを覗き込み、彼女もまた俺と同じ所が目に入ったらしい。


「これは…王家ウィーグル歴史展?これってうち…だよね?」


「だな…」


ウィーグル大陸は始祖王アルファン・リア・ウィーグルによって1200年前に統治された大陸だ。

それ以来、ウィーグル大陸はリリィのウィーグル家が治めている。

そんだけ歴史があれば歴史店があるかもしれないが、まさかこんなピンポイントであるかよ…


「ねぇハル…行ってみない?」


面倒くさい事になるのは間違いない。

でもなぜか行きたい…


「…ちょっと行ってみるか」


ここからも徒歩で十数分くらいで行ける距離みたいだし、まぁ少しくらい。

リリィの先代の方たちを見たいっていうのもあるが、俺たちがどういう扱いなのかが気にいなる。


「行くか…」


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

少し歩いただけなのだが、やはりというか人が多い。

むしろさっきより多い。

おそらくだが、この辺りが町の中心なのだろう。


建物(レンガ)も多いのだが、さっきよりも外国人の人が多い。

まぁそれだけ旅行客にも人気があるということなのだろう。


「お前らはぐれんなよ~」


「は~い」


リリィも俺の右手をさらに強く握る。

それに続くように


「シュリアスもまいごにならないでね~」


「了解した」


と、人の多い所ではなんとも迷惑なのだが、並んで歩かせてもらっている。


その後も、リリィが東洋系の男性に顔面をぶつけて蹲ったりと色々あったが…


「ここか」


シュリアスが呟く。

それに反応するわけでもないが、リリィも呟く。


「すごーい…」


人並みに流されるようにたどり着いた所。

そこはブリックのど真ん中だというのにそれを完全に無視した石造の建物があった。


『花嫁リリシア様写真展開催!』


と掲げられた建物はまるでこれひとつで博物館といわれても可笑しくはなかった。いや、博物館なんか行った事ないからよく分からんが。

にしても大きいこの建物は…なんか言葉にしにくいが…この大陸怖い。

何が怖いって、ふと建物の別の壁面に目を向けるとそこにはリリィの特大な絵が張られているのだ。大量に。


左から、出生順に一番右はリリィが読書している写真だ。いつ撮った。

あとちらほら写っている恐らく俺の顔の部分にモザイク入れるのもやめろ。あ、シュリアスにもはいってるから別にいっか…


「とりあえず中入ってみっか…」


平日だというのに混み合った館内に入場する。

入場料はと思い、懐から財布を準備していたがどうやらこの展覧会、無料公開らしい。そのあたりはなんかリリィっぽい。


館内に人の流れで入り、まず目に入るのは老公の恐らく青銅像だろう。


「あ、おじいちゃん」


「へ?」


リリィの言葉に思わず気の抜けた声がこぼれる。

一瞬耳を疑ったが、まぁ冷静になれば大して驚くこともないのだが…

おじいちゃんゴツくない?

リリィがおじいちゃんと呼んだ、(故)オルレシアン・ダーナ・ウィーグル

等身大の青銅像は高さは2メートルを超え、何より肩幅が広すぎる…

そして、伸びに伸びた白髭と白髪からは貫禄が感じれる。


「む?オルレシアンか…久しいな…」


「何でお前も知ってるんだよ」


人族での俺ですらしらねぇのになんで魔族(なんとシュリアスは魔族でした!!)のシュリアスが知っているのか…

そういやこいつ、読書好きだしな。多少は歴史には詳しいのだろう。

しかし久しいというのは…?

そんな疑問に答えるようにシュリアスは続けた。


「90年前、オルレシアンが若かった頃だったが、こいつはどうも戦いが嫌いらしくてな…丸腰で俺の城までやってきたのだ。そんで何を言い出すかと思えば『私が死ぬまでいい。どうか停戦してくれ』と抜かしたのだ」


「そんなん聞いたことねぇぞ」


「公にはされていないからな。細かく言うと表向きは戦闘中としておき、実際は互いに攻め合っていないだけだ。なんならたまに一緒に飲み交わしたりもしたぞ。」


この見た目で戦い嫌いとか…しかもなんでシュリアスもそれ承諾してんだよ。あとお前何歳だよ。


突っ込み出せばきりがないのだが、なんとか心の中でとどめる。


「聞けば趣味は日課のフラワーアレンジメント教室らしい」


「絶対嘘だろ」


さすがに突っ込まずにはいられなかった。





本当にすみません。失踪していたわけではありません。リレーのほうで新しい作品を書いていました(投稿するとは言っていない)。

進捗としましては日常学園系の執筆を開始しました(投稿するとはいっていない)。

というわけでリレーのteamOTKもよろしくお願いします。


ついでといいましては、最近書くのにはまっている『書店ミリア』のほうもよろしくお願いします。

書店ミリアも本音を言うとネタ切れです(現三話目)

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