013 やさい
投稿空いてすみません。
新しいパソコンがやっと届きました。
朝、3人で朝食をとる。
俺とリリィが並んで座り対面にシュリアスが座っている。
本当はリリィだけ専用に机の端に大きな玉座が置かれているのだが彼女が一緒に食べたいと言い出してから使われていない。(埃被ってそう…)
朝食はこれまたエルザさんが作ったのか、カラビの豆のスープに、バブ鳥の卵焼きにパンといったお腹に優しい食事だ。とうのエルザさんは先程からニコニコして俺たちの後ろに立っている。
カラビの豆は標高が高いところでしか取れず、平坦な地の多いウィーグル大陸ではあまり取れないがため一昔前までは高級食材だったが、前国王がお隣大陸のカルレア大陸と手を取り合ったそうで最近では割と流通している。
パブ鳥は全大陸全世界共通で有名な鳥で肉はどの料亭でも串焼きから丼ものまで、卵も朝食の卵焼きなどで使われるので、大変なじみ深い食材だ。飼育もしやすいため生息数も多くリーズナブルなためこれまた色々な人々から愛されているがアレルギー性があり食べられない人がたまにいる。
あとは付け合わせにサラダなどがあり健康にも良さそうだ。野菜=健康っていう発想は頭が悪そうだがな。
因みに俺はといえば冒険者の時、健康に健康にといろいろ食ってたので(水海老?ハハハ!)野菜は物怖じせずに食える。むしろ好きかな?
ふと、リリィのほうを見るとなんか同じ顔見たなァ...という顔をしていた。
そして、俺と目が合ったかと思うと、何か思いついたかのように目を見開き『おぉ!』という顔をすると急にニコニコしだして、
「ハルは男だからね!たくさん食べるといいよ!どれ私のサラダを授けよう!」
リリィは『ふふんっ』と得意げに俺のより一回り小さい椀を俺の方へと、横に回してきた。
全くこの娘は...とは思ったが、俺とてこの城に来てもう短くはない。ましては彼女の夫だ。
ここはひとつ俺からも仕掛けてやろう。
「おおっ!ありがとな。野菜ってのはちゃんと食わねぇとお肌がひどいことになるからなァ...そういや昔俺がパーティを組んだ女も野菜嫌いで、お肌が荒れてた気が...」
勿論そんなことはない。
俺のパーティには昔ヒーラーのシュヴィというやつがいたが、あいつは好き嫌いが多かった。
ダンジョン先でも基本食えないものが多く、よく自分用の菓子を持ち歩いていた。
菓子ばっか食ってたから『今に見てろ』とか思ったが、そんな俺の妬みをぶち破るようにアイツは美形というのだろうか…?まぁレベルは高かった。
リリィの方をちらっと見ると目を大きく見開き、「へ?」とあほらしい声を漏らしていた。
見る見るうちに顔が青ざめ始めて
「ね、ねぇ...は、ハルは...お肌綺麗なほうがいいの?」
「ん。まぁ...男ならみんなそうだと思うぞ。」
一概には言えないが。
とりあえず作戦通りリリィが乗ってくれたようで、ほっとする。
正直、リリィの年齢のうちから肌なんて気にしなくてよさそうだが、健康面も考慮して野菜も食べてほしい。
「やっぱり食べますっ!」
リリィは俺の方から野菜の入った器を少し強引に奪いとった。
「そうか?」
やはりまだ子供のようだ。
まぁ、このくらいちょろい方が可愛げもあるだろう。
器を奪い取ったリリィは、両手で持ち上げたサラダと少しの間向き合い、青い顔をしながら一度深呼吸をすると、脇に置かれたフォークを手に取った。
「い、いただきます。」と、言うとフォークで何かの葉?のようなものを突き刺して、また一度と深呼吸をし、口に運んだ。
「…ん。…お、おいしい…」
かなり小さな声だが、言ってる言葉とは裏腹に、彼女の顔は未だ真っ青である。
ただの食べず嫌いとかじゃないらしい。
ということは、嫌いな食べ物をきちんと食べたのだ。
リリィの頭に手を置きぽんぽんとしてやりながら「えらいぞ~」といってやった。
軽くなでてもやると少しうれしかったのか、これまた小さな声で「頭なでてくれるなら…やさいもいいかなぁ…」と呟いていた。
この後も、リリィは頑張って食べていたので、たまに褒めてやったりしながら俺たちは朝食を終えた。
んあ?シュリアス?あぁ、あいつは野菜食えるみたいだぞ。この後も一人もそもそ食ってた。
構ってやれなくてゴメンな。




