012 サプライズ計画
風呂から戻り、次はシュリアスが風呂へ向かった。
やる事のなくなった俺達はとりあえずベッドに寝転がる。
「ふぅぅ…ふっかふっかぁ〜!」
ベッドに飛び乗ったリリィは俺たち二人で乗っても大きすぎるベッドで転がりまわっている。
「ほんとだよ…これ毎回新品じゃねぇか?どんな洗濯技術だよ…」
新品にしても変なくらいふかふかだが、まぁリリィの思考上新品は無いだろう。
リリィは途端に転がるのをやめ、天井を見上げすぐに横で同じように寝転がっている俺の方を見ると
「やることないねぇ〜…」
「ないなぁ〜…」
まだ来てそんなに経っていないがもう飽き始めている。
リリィと一緒にいること自体はお世辞無しに心から楽しいと言えるが、俺が飽きているのはやることがないということに関してだ。
リリィと遊びたいという願望があるがやる遊びが無いということだ。
「わたしはどこかに行ってみたいなぁ〜」
リリィは頬杖をついてニヒッと笑いながら口にする。
「どっか行ったことねぇのか?」
「隣国にはおとうさんとお仕事でよく行ってたけど遊ぶ時間はなかったからねぇ…」
まぁそりゃそうだろう。
この国の最高権力者が旅行なんて行ってたらこの世界はどうなった事か。
ましてや当時は皇帝がいたのだ。国民から非難されるだろう。
でもなぁ...さすがにかわいそうだな。
今のリリィなら旅行くらい行っても国民もなんも言わないし、特に国がどうこうなるわけではない。
でも、いきなり旅行行くなんて言ってもリリィの事だ「せつやくっ!」とか言うだろうなァ...
リリィが楽しめて尚且つ、自然に誘える方法...
...
あ、新婚旅行か!!
これなら彼女も喜ぶだろうし、節約など言えないだろう。
とぉし...リリィには悪いが、少しばっかり秘密にして、明日ばれないように準備してサプライズにしよう。
「ハル~...」
「ん、なんだ?」
「ううん。なんか一人で笑ったりしてたから...」
おおっとアブナイアブナイ...
リリィはいらないところで感がよさそうだから、気をつけねば...
隣で「?」と首を傾げているリリィに悟られないように話を無理やりそらそうと…
「そういや、リリィが前に聞きたがってた俺が冒険業を始めた訳を教えようか」
「うん!お願いっ!」
よし。そらせた。
こうして、30分ほど話しているとリリィは眠りについた。
くー…くー…などとかわいい寝息を立てているのでこれまた頬が緩んでしまう。
ほんと、愛嬌女王様だなぁ…
そんなことを考えていると丁度シュリアスが風呂から戻ってきた。
明日のことはシュリアスにも協力してもらうか…
「もどったぞ〜」
「リリィもう寝たから静かにな〜。あとさシュリアス。明日リリィと遊んでやっててくんね?」
「む?」
と一瞬シュリアスは不思議そうな顔をしたが、何か察したのかすぐに「了解した」とこくりと頷いた。
明日から大変そうだ。




