46、モフモフが大好きなため 条件付きのボス戦?
メアリーたちは眩しい光に囲まれる。
再び目を開けた時。
既に植物に囲まれる神殿の前に身を置いていた。
「おおお!ついにボスの部屋なのじゃ!」
メアリーたちは草まみれの階段を登り上げると、およそ3メートル高さがある緑色の扉が目に映る。
ライナーは隣にある緑色の石板を見つけると、皆に声を掛ける。
「こっち見て、石板の上に文字があるぞ!」
「おおお!本当なのじゃ!」
アヤメは話ながら、石板を触ると、淡緑色のパネルが浮き上がる。
――――――
『ようこそボスの部屋へ
扉の中には六曜魔王の一人、木星のジュピターが待っている。
挑戦時間は30分である。所定時間内にボスを倒せない場合、戦闘の参加者全員を死亡となる。
以下の条件をチェックしてから挑戦すると、特別ボーナスポイントを贈呈します。
[ ][戦闘時間マイナス5分]1ポイント
[ ][戦闘時間マイナス10分]2ポイント
[ ][戦闘時間マイナス20分]5ポイント
[ ][ボスの全ステータスが1.2倍になる]1ポイント
[ ][ボスの全ステータスが1.5倍になる]2ポイント
[ ][ボスの全ステータスが2倍になる]5ポイント
[ ][プレイヤーの全ステータスが90%になる]1ポイント
[ ][プレイヤーの全ステータスが70%になる]2ポイント
[ ][プレイヤーの全ステータスが50%になる]5ポイント
[ ][一人でボスを挑戦する]5ポイント
[ ][スキルの使用禁止(被動スキルを含む)]5ポイント
[確認][取り消し]
――――――
「あらまぁ~ かなり厳しい条件だわ~」
「そうよ、でも、勝つとたくさんのポイントを貰えられるよ。ネフェはどう思う?」
「この前にお知らせが書いた厳しい条件はこういう意味か……そして、名前だけでどんなボスがまったくわからん……誰か一人でボスの情報を集める方法でいいと思うが……」
「それじゃ、おいらに任せろ!スピードなら誰にも負けないよ!」
「いや、ここは僕が行く!影の中でちゃんとボスの情報を集めるぞ!」
ネフェの話がまだ終わっていないうちに、ライナーとレオラは奪い合いを始める。
「ライナー、まずネフェちゃんの話を聞き終えるのじゃ!」
「レオラちゃんも同じだわ。人の話を遮るのは良くないわ!」
「「すみません……」」
「構わん、でも、どうすればいいのかな……」
皆が悩んでいる間に、空にアナウンスが響く。
『初めてのクリアパーティーは既に現れました!他のパーティーも頑張ってくださいね!』
「不味い!もう考える時間がないぞ!やっぱり僕が……」
「いや、おいらが行く!」
「二人とも、もうちょっと考えさせてくれよ……」
ライナーとレオラはまた奪い合いが始まる。
アヤメとメルラは二人の争いを止めっている。
いつも冷静を保つネフェはとうとう途方に暮れてしまう。爆発しようとしたところに、メアリーのことに気付いた。
ライナーとレオラが最初の奪い合い時から、メアリーはステータスを呼び出して、ずっと何かを確認しながら計算していたようだ。
「やった!出来たよ!!!」
メアリーが不意に大声で叫び出したため、全員の視線が彼女に集まっている。
「ごめん。声がちょっと大きすぎかしら……アハハ…」
「それは大丈夫ぜ!しかし、メアリーは一体?」
「そうじゃ!メアリーちゃんはきっと何かの方法を思いついたのじゃ!早く教えて!」
「はいはい、もう計算したよ!私一人でボスを倒せるかもしれないよ~」
「「「「「えええ――――っ!!」」」」」
「今すぐ説明する。ボスは木星の誰だけ?」
「ジュピターなのじゃ!」
「ありがとう、アヤメちゃん!恐らくボスは風属性である。私の召喚獣の中に火属性が一番多いだよ!きっと倒せるよ!」
「それはわかったけど、計算って何?」
ネフェの質問に対して、メアリーは顔に自信の笑みを見せる。
「それはね~ 全ステータスがどれくらい減ると、私に影響を及ばないかっていうことよ!計算の結果は7割なら大丈夫だよ!」
メアリーのDEXは777であり、70%になると544である。
火属性のスズはランクAの召喚獣だったが、既に召喚した状態であった。ランクBのレッドクマを連続召喚するため400以上のDEXが必要なのだ。最後はDEX600以上が必要であるウンディーネの召喚回数は既に一日三回に修正されていたため、メアリーは全ステータスが70%になるときっと大丈夫だという結論を出したのだ。
「そういうわけで、先ほどはずっと半分になるとできるかどうかを計算した。やはり半分は無理よね……アハハ……」
「それはわかったけど、召喚獣が弱くなったら、どう戦うよ!?」
「それは大丈夫だと思うよ。ほら、プレイヤーのステータスと書いてるよ。フェルとスズちゃんは召喚獣だ!」
「あっ!なるほど!そういう方法もあったか!流石メアリーだぜ!」
「ウフフ~ やっと私の実力を知ったか~」
メアリーの無邪気な微笑みを見ると、皆はまるでさっきの争いと悩むことが起こっていなかったように心まで癒された。
「それでも凄すぎるのじゃ!流石メアリーちゃん!」
「そう言って、メアリーちゃん一人で気を付けてね~」
「いくら一緒に行けないと、あたしたちもここで応援するぜ!」
「そうさぁ、僕たちの分も一緒に頑張ってくれ!」
「今回だけトップスターをメアリーに譲るよ!負けたらおいらが許さないよ!」
「皆!わかった!リーダーの私に任せてください!」
メアリーはそう言いながら、[一人でボスを挑戦する]と[プレイヤーの全ステータスが70%になる]の前をチェックして、[確認]ボタンを押すと「ギギギ」と嫌な音を発しながら扉が開いた。
「それなら、行ってきます!」
メアリーは胸を張って、扉の向こうに足を踏み出す。
お読みいただきありがとうございます。
この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。
『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。
拙作を評価していただけるととても励みになりますので、大変嬉しいです。
予告:錬金術をメインとするVRMMO小説の新作『ララリのアルケミーダイヤリー ~もふもふと共にゲームを満喫する!~』近日中公開予定です。勿論、主人公は可愛い女の子とモフモフですよ。楽しんでください。




