返金の順番
港の返金窓口は、日暮れ前に札を配り終えた。ロマス商会の資産を売っても全額には足りず、生活費を奪われた若い荷役人から優先して受け取ることになった。貸金を払った大商人は異議を唱えたが、町会の委員は出入りの船を失うより今夜の飯を失う方が切迫していると説明した。
フォルは祖母と窓口に来た。彼の名に紐づく給与記録は三通あり、別名で働かされた期間の確認が残る。相談員は印を一つ押すごとに、次の審理までの期限を口頭でも確かめた。フォルは祖母を先に帰し、椅子へ座って記録の写しを取り続けた。
窓口で働く若い女は、同じ説明を朝から何度も繰り返していた。人によって印を押す手が止まり、見えない数字を指で追う者もいる。職員は列を急かさず、木の椅子を二脚増やした。シオンはその椅子がいっぱいになるのを眺め、自分が一度も顔を知らなかった人々の数に気づいた。争いが終わる日は、まだ先にある。
シオンは壁際で順番を待った。脅迫を認めた件の処分通知を受け取るためだ。書記エダは罰金と、港の混乱に伴う一部損害についての民事申立てが別にあると告げた。ロマスの不正がどれほど明らかになろうと、シオンの責任は相殺されない。
窓口の外で、大商人が払い戻しの遅さを罵りながら馬車へ乗る。足元では雇われた馭者が破れた靴を紐で縛り直していた。金を持つ者の損失が軽いとは限らない。しかし今日、誰が列の先頭に立つかを決めなければ、弱い者から倒れる。
シオンは罰金の額を見て薄く笑った。人から恐れられるため払うには、高いとも安いとも言えない数字だった。その笑みをフォルが目撃した。少年は何も言わず書類を抱き直し、彼から離れた席に移った。




