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第一楽章 2

一頻り作業も終わり、音弥も自分に淹れたコーヒーを手にカウンター内の椅子に腰を下ろす。

カップに口をつけ一口を飲み、フウッと息を吐き出してからカウンター席の一番端に視線を向けた。


そこにはいつからいたのだろうか、ロングヘアーで薄いブルーワンピースを身につけた女性が一人、腰を下ろしている。


女性は音弥に一度微笑みを向けてからゆっくりと頷いて奏へと視線を向けた。


奏はその女性に気付いていない。


一方の音弥は、またかと少し辟易した様子で溜息を吐き出した。


「ねえ奏、お前何面倒事を持ってきたの」

「へ?」


奏は音弥の問いの意味がわからず、大きく齧ったエッグサンドを咀嚼ながら首を捻る。

そしてそれが胃袋へと落ちた時、あぁ!と声を発して手を叩いた。


「いる?」

「うん」

「クラリネット?それともフルート?」

「フルート」

「そっちかー」

「クラとフルートに思い当たる節があるの?なんかもめてたりとか?」

「もめてると言えば…でも発端はフルートだから、かな?」


この脈絡もなく始まった謎の会話、二人の間ではどうにも成り立っているようで、奏はエッグサンドの続きを楽しみ、音弥は軽く溜息を吐きだした後にその女性のためにもコーヒーを淹れた。


「さて、何から話しましょうか」


エッグサンドを綺麗に平らげた奏が、冷めかけてきたコーヒーを飲んでから音弥に視線を向ける。

するとカウンターに座っていた女性もコーヒーを飲み、音弥の顔を見つめた。

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