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第四楽章 2

これを受けて当日のメンバーが決まった。


フルートは絵茉。

サポートするセカンドパートとして奏がオーボエで。

そしてピアノ伴奏は絵茉の母親だ。


当日は和音のサロンコンサートの企画の一つとして行うので、客も勿論入る。

それはコンサートの客としてではなく、あくまでも和音の客として。

なので音弥はコーヒーや軽食を提供するために当日はマスターに徹する。


今回もいつものサロンコンサートと何も変わりはない。


いつものコンサートと違うのは、演奏者がプロではないということ。

そのためフライヤーを用意したりはせず、店内の告知に留めた。


期待値を大きくしてしまうと、絵茉が萎縮してしまう。

加えてチケット代替わりのワンオーダー制でもない。

集客を特にしたわけでもなく、常連客には趣旨を説明して、近所のおじさんおばさん目線で見守ってくれるとありがたいと話した。


恐らく当日は、音楽好きの音弥の祖父が来店する。

祖父の茶飲み友達も連れてきてくれる事だろう。


このコンサートは、絵茉に自信を持たせる為の演奏会。

最後まで演奏出来たという達成感を味わって欲しいがための企画だ。


だから店としては採算度外視。


あくまでも絵茉のためのコンサート。


ほのぼのとした中で演奏させてあげたいという、母親の希望もあって、大々的な宣伝はしていない。


そんな環境の中絵茉は、あくまでもマイペースに練習に打ち込んだ。


正直、コンクールまではもういくらも時間はない。

だがこれを越えればきっと、コンクール曲も自信を持って演奏ができるはずだ。


決して焦らせる事はせず、目の前のメヌエットに向かう。


一つの曲に向き合う大切さの中に、楽しさも感じて欲しい。


更に音弥は、練習場所に和音を貸し出してその練習を見守りたいと提案した。

それを受けて奏がすぐに母親にメッセージを送ると、早速今日の放課後お邪魔しますと返答が来た。


専門楽器でなくとも練習は見れる。


今の絵茉に必要なのは、テクニックではなく完奏する事。

譜読みを手伝ったり、運指ならば音弥でも見れる。


曲の完成度をあげるのは奏の仕事。

メロディラインを歌う奏のオーボエが絵茉のフルートと母親のピアノを押し上げるはずだ。


ここでの練習ならば奏も一緒に吹くことが出来るので、それを感じ取って欲しいというのが音弥の狙い。


勿論個人練習も大切だ。


けれど絵茉の場合、躓いてしまったら煮詰まってしまう事も考えられる。


そんな場合には一人ではない新しい環境も刺激になる。


それが学校のような環境ならば、先輩や同級生の目も気になってしまうだろう。

時には嫌な言葉も聞こえてくるかもしれない。


けれどここならば自由だ。

形態を提案こそすれ、あくまでも絵茉の好きな練習をさせたい。


音弥と奏のデュエットを聞きたいと言うのならば、それもいいだろう。


いずれにせよ、絵茉に音楽を楽しんでもらうためのレッスン作りをしよう。


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