18秘密道具
小雪が少し活躍します。
「チャラララッチャラ〜♩はじき〜!」
『拳銃!?』
さすがに拳銃程度であいつの体を破壊するのは不可能だろうけど、表面を傷つけるくらいの威力はあるだろう。
「いくよ。バッキューン」
ダァアン!ダァアン!
とりあえず足と頭部を撃ってみる。 表面に傷こそついたものの、微々たる変化。異形は銃撃に反応すら見せない。 さて、再生速度に違いは……
「全然分かんないんですけど!?」
もう少し派手に破壊しないとダメか?
『いえ、頭部の方がわずかに早いわ』
「枢木さん!?」
『ふっ……言ったでしょう?私の眼は特別なの。ごまかされるはずもないわ』
「枢木さんすげぇえ!」
はっきり言って視力の強化なんて不遇強化でしかないと思ってたのに!ここにきて起死回生の一手となるとは!
ボクは異形の破壊を捌きながら頭部から下に向けて銃撃。 やがて、
『胸の中心……フライドチキンで言うところのドラムが怪しいわ。とりあえず破壊してみせて』
「フライドチキンのところは分かりませんけど了解!」
それくらいなら楽勝だ。
「ガァアアア!」
異形の力は確かに凄い。けれど、
「ふっ」
「!」
いかんせん体が大きすぎる。速いとはいえ全てが大振り。予備動作が分かりやすいのだ。見切るのは容易い。とはいえ、
「胸まで攻撃を届かせるのは少し骨だけどね」
懐までの距離が少し遠い。下手に飛び込めば叩き潰されることになってしまう。 何とか崩して転倒させたいところだけど……
「グル……」
「……?」
おや……?異形の様子がおかしいぞ? 突然、異形の動きが停止する。 しかし、隙はない。
一体何が……?
『ちょっとカオリだっけ!?』
この声……確かミキさんだったっけ?
「突然何です?」
『大事な情報よ!あんたの倒した人型が自慢して聞かせてくれたわ!』
ホムレスさんが?
『あんたが戦ってる化物!そいつ進化するらしいわ!』
「進化……こいつポケモンなんですか?」
つまり、ホムレスさんはポケモントレーナーってことか!?
『あんた緊張感無いわね!?』
そう言われても別に緊張とかしてないし。それより進化とはどういうことだろう?
『あんたが倒した人型が言うにはその化物には自分の力が及ばない状況に直面した時に自己の力を最適化……つまり進化するの!何か予兆とか無い!?』
ピカァア!
「……今なんか全身赤く光ってますけど?」
『マジで!?気をつけなさい!更に強くなるわよ!』
「情報ありがとうございます」
異形の光が晴れた時、
「!?」
『『!?』』
そこには魔法少女がいた。 禍々しい紅の髪に黒いフリフリのドレス……というか、ボクに少し似てるような……?
その印象はボクだけじゃなかったようで、
『カオリにそっくり……どういうこと……?』
「ボクにも分かりません」
『あなたまさかビースト側の黒幕じゃないでしょうね?』
「ボクが黒幕なら局長をぶっ殺して借金をチャラにしてるところです」
『……それもそうね』
『それはそうなの!?』
と、ふざけている場合じゃない。
「………………」
異形の姿形は完全に人間だった。 あれだけ大きかった体もボクとそう大差無い。
『これは核の所在を確かめるチャンスよ』
理屈ではそうだ。巨体の中から核を探すのと小さい体から探すのでは探す手間に大きな差がある。
しかし……チャンスと呼べるかは怪しいところだ。
異形はその大きすぎるエネルギーを巨体によって持て余していた。 もしそのエネルギーが今の体に集約されているのだとしたら……
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