16策
見てくれる人はいるでしょうか。いたら返事をしてください。
「ど、どどどうすんのよ月乃?あのビースト本当何なの?それにカオリもカオリよ!あんなの魔法少女じゃなくてサイヤ人じゃない!」
「……本部の方も国に避難の要請だの何だので手一杯だからね。実質機能停止してるようなものだね」
現在、オペレーターのカナメは機能していない。
というのも、あんな大怪獣が出現してしまったのだ。 現在判明しているビーストの性質に則るならば、あの怪獣は生命体に対して物理的な干渉はできない。 しかし裏を返せば生命体でなければ物理的な干渉ができるということ。
つまりは人を直接破壊することはできなくとも建物や地形、車などは破壊することができる。 一般人からすれば直接的に殺されるか間接的に殺されるかの違いでしかない。
現在、多くの人間が天災を上回る圧倒的な破壊に巻き込まれるか否かの瀬戸際におり、そしてその状況に全く気付いていないという状況である。
「任務よりは人命を優先……当然のことではあるわね。だけど……」
「カオリ……」
月乃は考える。 本部の機能は停止している。援軍を望むことはできない。というより、魔法少女を集めれば集めるだけ死体が増えるだけだ。
「ちょっと!」
「「!?」」
予期せぬ乱入者。ボリューミーな緑髪が特徴的な魔法少女のミキだった。
「どうなってんのよ!?この状況!それにそいつ……!」
月乃に背負われているホムレスを目にして、ミキの殺気が膨れ上がる。
「こいつさえいなければ……!」
「ま、待って!この人の成敗は終わってるから!それに、今はそういう状況じゃないでしょう!?」
「くっ!」
遠く離れたこの場所でも、ドッカンドッカン衝撃が響いており、住民も窓から外を不安そうに覗くなどちょっとしたパニックに陥っていた。
ミキは苦渋の末、私怨を捨てた。
「で、どうなの?カオリってやつは互角に渡り合ってるんでしょ?勝算はあるの?」
「……ゼロだよ」
「は!?なんで!」
「カオリには魔法の才能が無いの」
「!?そんな……」
暴力による破壊では再生してしまう。あくまで魔法による消滅でなくてはならないのだ。 戦闘能力では互角の勝負だが、戦いという観点からすれば戦いにすらなっていない。
カオリができるのはあくまで時間稼ぎの足止めだ。
「ミキさん、この人をお願い」
月乃はホムレスをミキに強引に託した。
「ちょっと!あんたどうする気なの!?」
「……あれを倒す」
「はぁ!?あんた正気!?」
「現状、動けるのはわたし達だけ。わたし達がやるしかないんだよ!」
「……無謀ね。死にに行くようなものだわ」
「……策はある」
「「!?」」
月乃の言葉を受け、ギョッと目を見開くミキと小雪。
「だからミキさん、この人を本部に連れてって。でないとわたし達の身動きが取れない」
「……詳しく聞いていられる時間も無さそうだし、大人しく従ってあげるわ。その代わり、絶対に死ぬんじゃないわよ!?」
「……分かった」
「ちっ!」
ミキはホムレスの襟首を乱雑に掴み、この場を去っていった。
「……本当に策はあるのでしょうね?」
「わたし達三人であの化物を倒す」
月乃の言葉に何かを言いたげにする小雪に、月乃は重ねて言う。
「この作戦の要はあんただよ。小雪」
「!?」
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