2人だけの時間、片思いの香り
放課後の秘密の公園。
夜空には星がちらちら輝き、街灯がぼんやりふたりを照らす。
「ねぇ、香織ちゃん」
夏海さんが手をぎゅっと握って笑う。
「今日も一緒にいられて、嬉しいな」
ボクは頬が熱くなりながらも、自然に手を握り返す。
“これって……両思いっぽい雰囲気?”
でも心の奥では、まだ迷いがある。
⸻
夏海さんと目が合うたび、胸がドキドキする。
そのくせ、何を考えているのか、本当に好きなのか――
確信は持てなくて、もどかしい。
「……ボクも、嬉しいです」
声が少し震えるのを必死で隠す。
手のぬくもりだけが、心を安心させる。
⸻
夏海さんが近づいてきて、耳元で小さくささやく。
「香織ちゃん……いつも優しいね」
その距離、声の甘さ……
ボクの心臓は爆発しそうになる。
でも、もしかしたら夏海さんはただの“憧れ”として言ってるだけかもしれない。
ボクも、心の中で少しずつ考える。
“ボクが本当に好きなのは、夏海さん……でも、夏海さんも同じ気持ちかな?”
⸻
手をつないだまま、ふたりでベンチに座る。
笑いながら話す表情は、両思いみたいに見える。
でもお互いの心の中は、少しの片思いのもどかしさでいっぱい。
香織ちゃんの心の奥では、こんな気持ちも芽生えていた。
“このままでもいい……でも、いつかちゃんと伝えたい”
⸻
夜風がそっと頬を撫で、手のぬくもりだけが確かな幸せを教えてくれる。
両思いっぽい時間の中に、片思いの切なさが混ざっている。
ふたりだけの時間――
甘く、もどかしく、そして胸キュンが止まらない夜だった。




