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異世界のマ歯車鍛冶(ギアスミス)!  作者: 優暮バッタ
第二部 鬼の腕(カイナ)
36/199

完成『マギアハンズ(鬼)』

体調崩しかけて、ようやっとマシになったので深夜に投降です。すまんのぅ、ヤス……




「例のブツは?」


「ぐへへ、こちらです旦那」



 木製のアタッシュケースからキヤは完成したギルバの義手一式を取り出した。わざわざこの悪の組織がやってそうな取引っぽいことをしたくてこのケースを作ったあたり、キヤの頭のネジは相変わらずブッっ飛んでいる。もうちょっと別の部分に凝るべき場所があったのでは、キヤは相変わらず感性が一般人より少々ズレている。



「ほう」


「ギルバさん専用義手『マギアハンズ(鬼)』。素材は主に軽くて丈夫な木材の最高峰ダークフォレストセコイア、繋ぎはその木で作った木ネジを使ってます。神経の代替品はシルキーワームの糸を寄り合わせた糸束、魔力の伝導率はピカイチ。普段の生活どころか慣れれば戦闘も可能な反応速度。


  関節は伸縮性の高いチューブワームの皮を使い、接着剤としてスライムの接着剤を使ってます。そして腕全体にウォータースライムの体液を使ったニスで防水加工を施してあり、木製でありながら非常に腐りにくくなってます。まぁお手入れは必要ですが。


  そして目玉はコレ、マーソウさんに合成してもらった魔力制御用のカラの魔石。なんと一つにつき魔石100コを合成してあります。それを十二コ。鬼人族の魔力すら平気で受け止めてくれるスペックになっててやべぇことになってます。それが肩から肘に八つ、肘から手首にかけて四つ。取り換えるときはストッパーを外して内側に引っ張ると取れます。予備の魔石とカートリッジは別売となっておりますのでご注意をば」



 義手を確認するとコートを脱ぎ、義手接続用の部品を左腕のあった場所に装着するギルバ。固定用のベルトを調節ししっかり接続用の部品を固定し、アタッシュケースから義手を取り出し


 接続する。カキュッ! という軽い音と共に義手がしっかりと接続され、同時にギルバは魔力を軽く流し込む。



「……どうです? 使い心地は」


「一先ずは。最高だな」



 義手で握り拳を作りキヤに差し出す。キヤは満面の笑みでその拳に自分の拳を軽く当てた




ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ



「フゥゥ……シッ!!」



  工房の裏側にある場所、いわゆる誰もいない、誰のものでもない広い空き地。そこに新しく雑に立てられた細めの丸太が数本あった。利き腕の右手に剣を持ち、超速で剣を振るうギルバ。たちまち一本の丸太がバラバラになる。



「どうです? 剣を振った時の重量バランスとか」


「……多少の違和感があるが、これは慣れでどうにかなるだろう」



 ヒュ、と風を斬って鞘に剣を収めるギルバ。無表情がデフォルトの彼だが、若干いつもより口角が上がってるような気がしないでもない。



「そいつは重畳! えっと、今の時間は……よし、稼働させて丁度一時間くらいかな。ギルバさん、一旦ちょっと義手外して魔石全部出してくれます?」


「わかった」



 ゴルドワーフから譲り受けた貴重な時計の魔道具をチェックしたキヤはギルバから一旦義手を預かる。そして義手から魔石を入れたカートリッジを取り出し、マーソウに渡す



「これ、あとどんくらいで満杯になる?」


「貸せ……そうだな、肘から手の部分の魔石は5%ほどか。肩から肘までは10%ほどだ」



 マーソウの合成スキルには派生スキルがあり、その魔石が含んでいる残存魔力も図ることができる。魔石には合成する際に混ぜる魔石の魔力総量が等しければ等しいほど合成後の魔力が安定するという性質があるのだ。例えるなら、シーソーで両側に同じ重さの者が座っていれば安定しやすい。不安定であればあるほど爆発するなどの事故を起こしやすくなるのだ


 マーソウのスキルはそういった事故を起こさないようにスキルが自己進化した結果身に着いたものなのだろう。これもまた非常に稀有な例だ。



「ふむん、一時間で大体10%、なかなかいいんでない? そんじゃ、溜まった魔力放出の方の実験もやってみようか」



 不敵に笑いつつ魔石を戻した義手をギルバに返すキヤ。マーソウとキヤ以外は『まーたロクでもないこと考えてるな?』といった表情をしている。マーソウは若干の呆れ顔だ



「そんじゃギルバさん、義手を付けたら義手をまっすぐ伸ばして掌をあの残ってる丸太に向けて、腕の上の部分を、こうガシャッ! と手前に引いてもらえます?」



 ギルバが言われるままに義手をいじると、腕の上のパーツが引かれ掌からなにやら短い筒がニョキッと生えてきた。



「……お前、これなんだ?」


「魔力放出用の特殊機構ですよん。ちょいと前にマーソウさんから興味深いことを聞きましてねぇ」



 キヤがマーソウから教えてもらったこと、それは魔石から発生する魔力の特性のことだ。どうやら魔石から放出される魔力は指向性を持たせることができるというもの。


 火縄銃で例えてみよう。火薬はそのまま火をつけただけではただの良く燃える粉だが、筒に入れて押し固め、火をつけることで筒の穴の開いた方向へ強力な爆発を起こす。火縄銃はその爆発の勢いで弾丸を射出するわけだが、それの法則が魔石にも適用されるらしい。



 魔石カートリッジは手先の方向に向かって穴が開いており、魔石を入れる穴の内側には魔力耐性の高いマジックスライムの体液を使って作られた抗魔液コウマエキが塗られている。この抗魔液は塗ったものにわずかながらに魔力耐性を与えるが、盾や鎧などに塗ってもあまり効果的とは言えない。効果が小さすぎるからだ。だが魔力に指向性を持たせる分には十分すぎる効果がある。



「そんじゃ、魔力を操作してみてください。イメージとしては、魔力を魔石から押し出す感じで」



 ギルバは言われるままに義手の掌を丸太へ向けて魔力を操作してみる。



バガァン!!!!



「ファッ?!」


「やぁん?!」


「キャッ?!」


「何?!」




 轟音と土煙の晴れた後には、粉々になった丸太だったものだけが残っていた




「…………大☆成☆功!」


「なにさらしてくれとんじゃこのタコ!!」


「ぎょべぇ?!」



 久しぶりのサツキによる渾身のストレートパンチがキヤの頬を撃ち抜いた。是非もないね


案の定サイコガンになりました。なおさっちゃんによる防御無敵貫通渾身のストレートくらいで開発は止まらない模様。止まるんじゃねぇぞ……

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