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さよならの夜 作者:中川あき
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序章

友香ゆうか先輩」
……まさか、この声は……
思わず振り返った。そして、目を疑った。
「嘘」
そこにいたのは、そこにいるはずのない人だったから。
勇哉ゆうや
私はその名を呼んだ。
彼は微笑んだ。いつものように。
「最後に、お別れを言おうと思ったんです」

勇哉は、後ろを向いて歩き出した。
……行ってしまう!

「勇哉」
勇哉はこちらを振り返った。
「……ねえ、勇哉。あなたは……」
勇哉は首を傾げ、いつもの様に微笑んでいる。
「あなたは、本当に……勇哉なの?」
勇哉は、いつもの様に微笑むだけだ。
「それとも、これは私の夢なの?」
私の頰を、何か冷たいものが伝っていった。
「ねえ、行かないで……」
(ごめんね、夏希)
全部、私のせいだ。
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