おどろきの連続
がらーんとしたクラス内で1人の男の子と目が合う。
「おっおはようございます。」
男の子は頬を掻き苦笑いをしながら私に挨拶をした。
「あはは・・・どーもおはようございます。」
こちらも口元が引きつりながら挨拶を返す。
「「・・・・・・・・・・・」」
お互い所在なさげに視線を彷徨わせ、なんとも気まずい時間が流れる。
何か話そうと思い口を開くと同時に後ろの引き戸が開く。
振り向くと頭にシルクハットをかぶり片手に杖を持ち燕尾服を着たヒツジが人間のように立っていた。
「!!?」
余りの驚きに口をパクパクさせていると、
「あ~やはり、思っていた通り今日も今日とて集まりが悪いですねぇ」
「ぬっぬいぐるみがしゃべったぁ!」
さらに驚いていると、男の子が「あっ校長先生おはようございます」と挨拶をしている。
「こっ校長!?」
「どうもはじめまして七草 すずさん。私はこのクラーク学院で校長をしているメリーです。」
そう言うとシルクハットを脱ぎ頭を下げる。
ぬいぐるみが、ヒツジのぬいぐるみがしゃべって、動いて・・・うーん?
あまりの衝撃ににだんだんと意識が暗く遠のいていく。
~~~~~ ~~~~~
暖炉の薪が燃えている音とやわらかく温かいオレンジの炎に照らされながら暖炉の近くにロッキングチェアに座っている老婆。その膝に小さな女の子が泣いているのか顔を伏せている。
「おばあちゃんおとこのこがね、なんでお前の家おかあさんいないんだって・・・どうしてわたしにはおかあさんがいないの?死んじゃったの?」
あれ、これ私?そうだ小さい頃男の子たちに馬鹿にされた時だっけ・・・
「すず。いいかい、お前のおかあさんは死んじゃいないさ。この世界のどこかで悪い魔物たちをこらしめているのさ」
「わるいまもの?」
おばあちゃんにおかあさんのことを聞くといつもこの話をしてくれた。
「そうさ、この村はいまでこそ魔物と人間が仲良く暮らしているが、お前が生まれるもっと前は凶暴な魔物がたくさんいたんだよ。
みんな魔物に怯えながら過ごす毎日さ。それをお前のおかあさんがそうだね、14、15才頃だったかね、この町は私が守ると言って急に村を出ていったんだ。」
「おかあさんが?」
「ああ、それから2年後ぐらいたった頃だねぇ、村に帰ってきたと思ったら魔導士になって帰ってきたのさ。そして悪さをしている魔物たちを片っ端からこらしめていってね、そのおかげで今では皆仲良しさ。」
あの時のおかあさんはすごくておばあちゃんも腰を抜かしてしまってね。そういいながら私の頭をやさしくなでる。
「おばあちゃんわたしもまどうしになりたい!みんななかよしにしたい!」
「そうかい。ふふっじゃあ魔導士になったらお母さんに会えるかもしれないわねぇ。」
「おかあさんにあえるかなぁ?」
「あぁきっと会えるさ。」
懐かしいな。あれ?でもなんでこんな夢見てるんだっけ・・・起きないと。
つづく




