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魔王は転生して令嬢となり、雇われた勇者護衛  作者: 星野翔


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第47章:地獄の門開く!魂を燃やす相討ち

神の島の聖台の上、硝煙が立ち込め、血光が天を突き刺していた。

白石の敷き詰められた地面はことごとく崩壊し、戦況は凄惨を極めていた——全陣営の魔神と戦士たちが重傷を負って倒れ、鮮血が破れた衣と冷たい岩を赤く染め、空気には刺すような焦げ臭さと血生臭さが充満している。

「咳……ガハッ!」

遠古の魔神ベルフェゴールは血の海の中に無惨に倒れ伏し、かつての凄まじい重力気圧は影も形もなかった。彼は大口大口と血を吐き出し、いつもは怠惰な笑みを浮かべていた少年のような顔を惨白と疲労で引きつらせていた。彼は苦笑しながら陰鬱な天空を見上げ、声は細く掠れていた。

「さすがは……ディアの前世の肉体だな……僕が全力を出しても……やっぱり勝てないか……」


そう遠くない場所で、皆が命を捨てて重傷を負わせ、血肉が崩壊したはずの虚無魔神ニビルが、その巨躯を肉眼で見えるほどの恐怖の速度で狂暴に蠢かせ、再生させていた! 無数の漆黒の混沌たる血肉と筋膜が再び交錯し、再び魔王の昔日の不死不滅たる六翼の霸姿を現出させる!

『ガアアアアア——!』

ニビルは六つの目をカッと見開き、天を引き裂く刺すような咆哮を爆発させた。見下ろすように倒れ伏す傷病者たちを睥睨し、残虐で狂妄な嘲弄を言い放つ。

『羽虫どもが……ことごとく……死に絶えるがいい——!』

漆黒の混沌の死光がニビルの口の中で急速に収縮し、死の影が一瞬にして聖台全体を覆い尽くした!


「や……やめろ……」

血の海の中、メシアは全身から血を流しながら、指先をかろうじて動かした。全身に骨が見えるほどの恐ろしい傷を負い、その身体は血みどろとなっていた。少年の意識はすでに薄れ、視野は真っ暗に染まっていたが、真龍の勇者たる不屈の執念と愛する者を護る本能だけで、手にした天魔断罪の剣を死んでも放さなかった!

『カチ……タッ……』

メシアは激しく震える腕で、剣の先を粉砕された地面に深く突き立て、一寸一寸、恐ろしいほどの難儀を伴いながら、傷つき破れた身體を強引に立ち上がらせた。彼は自らを全員の最前線に立たせ、口からは細くも千鈞の重みを持つ言葉を繰り返し漏らしていた。

「僕が……絶対に……大小姐の髪の毛一本すら……触れさせない……」


まさにこの万劫不復の、絶望に満ちた至暗の瀬戸際——

一本の華奢で儚い影が、血痕と砕けた石を踏みしめながら、静かにメシアの背後から歩み出てきた。

ディアの神情は恐ろしいほどに冷静だった。普段の傲嬌も狼狽もなく、その深紅の血の瞳には、底知れぬ決意と静寂だけが残されていた。

彼女は手を伸ばし、メシアの張り詰めた傷だらけの背中を、この上なく優しく撫でた。そして少年の耳元に、囁きのようなあまりにも温かな別れの言葉を残した。

「ありがとう……メシア。」


その後、彼女は振り返り、微塵の躊躇もなく、陰影の中に佇む治癒の大統領へと冷たく告げた。

「マルバス……あとの事は、すべてお前に任せるぞ。」


言葉が落ちるのと同時に、ディアは手にした黒赤のルーンの魔光を放つ古の金鍵——ソロモンの鍵を高く掲げた!

『嗡——————!!』

大小姐の唇が微かに開き、高らかで荘厳な古の魔界の呪文が洪鐘大呂の如く天界に響き渡り、狂い咲く雲層を打ち砕いた!

最後の音節が落ちると同時に、ニビルとディアの二人の足元に、萬丈に渡る漆黒の法陣が忽然と展開された! 大地が激しく割れ、無数の遠古の髑髏と鎖に覆われ、天を焦がす地獄の業火を撒き散らす巨型の黒鉄の大門——地獄の門が、虚無の裂け目から咆哮を上げて轟然と立ち昇った!


『バン——!』

漆黒の巨門が豪快に押し開かれ、血の如き業火を纏った数万の黄金の鎖が地獄の深淵から放たれ、狂乱する巨蟒の如くニビルの巨大な六翼と躯体を死に物狂いに縛り上げ、門内の無尽の深淵へと強引に引きずり込んでいく!

『嫌だ——! あり得ん! 我こそは唯一神なり——!』ニビルは絶望と凄惨に満ちた叫びを上げたが、地獄の業火の中ではあまりにも無力だった。


鎖が舞い散る狂風と天を覆う黒煙の中で、ディアはゆっくりと振り返った。

陽光が破れた黒雲を突き抜け、血痕と涙の跡が残る彼女の愛らしい顔に降り注いだ。倒れたまま驚愕に目を見開き、震える手を伸ばすメシアを見つめながら、その口元に、この上なく美しく、温かく、そして永遠の微笑みを浮かべた。


『さらばだ……本王のバカ保鑣。』


『ドガァン——!』

人々の魂を引き裂くような叫び声の中で、地獄の門は比類なき重量を伴って、轟然と重く閉じられた!

ディアとニビルの影は、永遠の深淵へと続く黒鉄の大門の向こう側へと消え去った。聖台の上の狂風は徐々に凪ぎ、ただ静寂を取り戻した大地と、胸を刺すように冷タク、寂しい微風だけが残されていた……

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