第34章:天啓の聖剣と帝王不屈の血瞳
『叮——叮——轟!!』
関所の廃墟の上で、七色の剣光と紫黒色の毒気の残影はすでに明らかに速度を落としていた。
オフィーリアの全身は猛毒の気流によって数え切れないほどの生傷を刻まれ、銀灰色の狼の毛並みは鮮血でまだらに染まり、呼吸は激しく重かった。だが、銀狼の少女の双眸には依然として不屈の狂暴な血光が宿り、一撃繰り出すごとに背水の陣の死決の勢いを纏い、目の前の強敵に死に物狂いで食らいついていた!
対する暴食のベルゼブブもまた、状況は決して芳しくなかった。魔人化した硬質な甲殻には無数の凄まじい剣痕が刻まれ、紫黒色の魔血がその巨体からポタポタと滴り落ちている。
双方はすでに体力と魔力の絶対的な限界に達していた! これは意志の持久戦——どちらか一方がたとえもう一度だけでも致命傷を受ければ、この惨烈な勝負の行方は一瞬で決着を見るだろう!
「小賢しい狼のクソガキめ……ガハハ……この私がバラバラにしてくれるわ——!」ベルゼブブがしゃがれた咆哮を上げる。
「大小姐に手を出す者は……絶対に許さない……!」オフィーリアは歯を食いしばり、無理に気息を整えて再び剣を突き出した!
その傍らでは、リヴァイアサンが「万劫横掃」をもって最後の暴食魔軍の群れを完全に血の泡へとすり潰した後、背後にそびえ立っていた巨大な深海触手が青い光の点となって霧散していた。深海魔神は激しく上下する胸を押さえ、その小さなお顔はいくぶん青ざめていた——最高峰の範囲魔法を連続で放った代償として、彼女の魔力備蓄は急激に枯渇していたのだ。
だが、満身創痍のオフィーリアの姿を目にした瞬間、リヴァイアサンは歯を食いしばってその身をまっすぐに立たせ、両手に再び湛えられた青き水系の光華をみなぎらせた。
「オフィーリア、持ちこたえて! 私がすぐに助太刀してあげるから——!」
だが——
『啪嚓 ———— !!』
何の前触れもなく、一同の頭上に広がる天幕全体が、まるでひび割れたガラスのように万丈もの広大な巨大な黄金の亀裂を爆破させた!
天啓の神聖なる金光が濁流の如く陰影を突き破り、高大で、冷徹で、背に三対の黒白の羽翼を生やした影が、空間の破片を踏みしめながら、崩壊した虚空からゆっくりと歩み出てきた——
【傲慢のルシファー】!
「なっ……?! ルシファーが黄金の異空間を自力で爆破したっていうの……?!」オフィーリアとリヴァイアサンは同時に顔色を激変させた!
だが、異空間から踏み出したばかりのルシファーは、睫毛すら一回も動かさず、その高慢な金色の瞳には万物を虫けらのように見下ろす冷徹な無関心だけが湛えられていた。
言葉もなく、ルシファーの手に握られた天啓の裁決聖剣が因果を超える一筋の金色の光束へと変化し、下方で無防備になっていたリヴァイアサンめがけて極速の突撃を叩き込んだ!
『噗嗤 ———— !!』
「……!?」
耳をつんざく肉体を貫く重い音が、死に沈んだ廃墟全体に轟いた。
金色の聖剣は、一切の抵抗を許さない冷酷なる毀滅の力を纏い、極めて正確に、一瞬にしてリヴァイアサンの華奢な腹部を丸ごと貫通した!
「ぐっ……おはっ——!」
極限の激しい引き裂かれるような痛みと聖光の灼熱感がリヴァイアサンの双眸を一瞬で虚ろに変え、大量のドロリとした濃い鮮血が深海魔神の甘い口元から盛大に噴き出し、彼女の湛えられた青いドレスを真っ赤に染め上げた! その小柄な身躯はまるで萎びゆく一輪の花の如く、金色の剣芒の中で激しく震えた!
「リヴァイアサン様————!!」オフィーリアが絶望に満ちた悲鳴を上げた!
『唰——!』
ルシファーは表情一つ変えずに軽く手を振り、裁決聖剣に突き刺さったままのリヴァイアサンを、まるで壊れかけたボロ人形のように冷酷に遠くへと放り投げた!
「ドサッ!」
小柄な深海魔神は冷たい瓦礫の山へと叩きつけられ、腹部の血の穴からは噴水のごとく途切れることなく熱い鮮血が溢れ出し、湛えられた青い裾は完全に真紅に濡れそぼった。リヴァイアサンは虚ろな目で天空を見上げ、甘い口元からは絶えずドロリとした血の塊が零れ落ち、呼吸すらも途切れ途切れになり、そのまま動かなくなった。
「リヴァイアサン……!」
まさにこの絶望の極みにあった瞬間、それまで昏睡していたディアブラが、この強烈な血の匂いと仲間たちの悲鳴によって強制的に意識を呼び覚まされた。
大小姐の顔面は紙のように真っ白で、両手で凍てついた大地を必死に突っ張りながら、死に物狂いで少しずつ這い上がった。血の海に倒れ込み生死の境をさまようリヴァイアサンを目撃した瞬間、大小姐の目元は一気に血走り、体内に残された最後の一滴の微力な魔力を振り絞って、虚空に向かって声を枯らして叫んだ。
クソッ、マルバス……! 本王のことなどどうでもいい……早く……早くリヴァイアサンを治すんだよぉぉぉ——!!
翡翠色の微光が再びかそけく点滅し、大統領マルバスが疲弊しきった巨体を引きずりながらリヴァイアサンへと突進し、深海魔神の消えかける最後の命の灯火を全力で繋ぎ止めた。
だが、ディアブラがしっかりと立ち上がるより早く——
『パァン!』
白く華麗で、それでいて神の如き恐るべき威圧感を放つ一対の手が、前触れもなくスッと差し出された。
ルシファーは体を軽く屈め、まるで何の抵抗力もない病弱な子猫を摘まみ上げるかのように、その二本の指でディアブラの精巧な小さなお頬をグッと強く挟み込み、このかつての万魔之尊を生身のまま宙へと引っ張り上げた!
「うっ……は、離せ……本王を……!」大小姐は小顔を歪められ、宙に浮いた両足を無駄にバタバタと暴れさせ、血赤色の双眸で目の前の反乱軍の首魁を激しく睨みつけた。
ルシファーの背後にある三対の翼がふわりと広がり、金色の瞳がその手の中にあるか弱く小さな少女を見下ろし、その冷酷な声には深い失望と惜別の響きが混じっていた。
「ディヤブロ大人……本座は本当に今日のような結末を迎えたくなかった。だが、お前が私にこうさせたのだ」
ルシファーは手に力を微かに込め、その眼光は氷のように冷徹に光った。
「今の自分の姿を見てみろ……お前はただの、脆く、無力で、一踏みで潰せる人間の小娘にすぎないというのに……どうしてみんなをそそのかして私の邪魔をさせる? 私は至高の神となり、この醜く歪んだ世界を完全に再構築するためにこれをしているのだ! それだというのに、お前は……こんなくだらない仲間同士のままごときに甘んじるというのか……?!」
大小姐は首を締め上げられて窒息しかけ、視界が真っ黒に染まりつつあったが、その深紅の帝王の双眸には、恐怖も服従の色も微塵も宿っていなかった!
「大小姐——!!」




