第25章 三倍価格の買賣
第一幕:羞恥の爆発と帝王の喝破
マモンの軽薄でありながらも幾分か強欲さと挑発を帯びた宣言を聞き、黄金の鎖でぐるぐる巻きにされ、豪華な馬車のソファの上に縮こまっていたディアブラの、その白く愛らしい小さなお顔は、わずか半秒の間に「ボッ」と音を立ててまるで今にも爆発しそうな熟し切ったトマトのように真っ赤に染め上がった!
霊魂の深くに刻まれた魔王としての尊厳と、少女の羞恥心が同時に爆発し、彼女は尻尾を踏まれた逆立てた子猫のように、レースのスカートの裾から伸びる両足を激しくバタバタとジタバタさせ、その体に巻き付いた黄金の鎖がそれに伴って忙しく、かつ軽やかなチンチリンとぶつかり合う音を鳴り響かせた。
「お前……お前という金ピカで、廉恥心のかけらもないクソ商人が! 本王に向かって一体どんなふざけたたわ言をほざいているのだぁぁぁ——っ?!」
ディアブラは羞恥と憤怒が入り混じった涙目を潤ませ、頬をパンパンに膨らませ、目の前で優雅に金縁の片眼鏡を直しているマモンに向かって、腹を立てながらキーッと叫び声を張り上げた。
「本王は千年前、諸天万界を恐怖のどん底に陥れた万魔の尊であるぞ! 一体……一体誰が、お前のような算盤と金貨しか頭にない臭い狐の女などになるものか――っ?! その臭い手を本王から離せ! 本王の『専属従者』がすぐに追いかけてきて、お前のその憎たらしい面をブタの丸焼きにしてやるからな――っ!」
「いやぁ~、ディアちゃん相変わらず口が達者で、本当に愛らしいですねぇ~♥」
マモンは純白のシルク手袋をはめた手を引っ込めると、頭の上の黄金のシルクハットを優雅に押さえ直し、片眼鏡の上で黄金色のまばゆい光をチラリと瞬かせながら、その口元に商人の打算的で遊び心に満ちた笑みを浮かべた。
「しかし、商人の観点から厳密に計算するならですねぇ~ 古き魔界の七十二柱の魔神との契約をその手に握る、気高き魔王様であるあなたをこうして手元に置いておくというのは……霊魂転生の究極の奥義を探求できるだけでなく、毎日このような小さくて可愛らしい悶え姿まで堪能できるのですから、この取引の長期的な『プレミアム収益』は、単なる先物取引の決済なんかよりよっぽど割に合いますよぉ~」
「お前……お前というクソ商人は、本当に本王を相手に打算を弾いていたのかッ?!」
ディアブラは怒りのあまり息が詰まりそうになり、小さなお顔は赤から青へと変わり、そして真っ青に冷え切っていった。
◇
第二幕:三倍の価格と、商人の寝返り
だが、マモンが優しく身をかがめ、魔力を失ったこの小さな小千金をさらにからかおうとした、まさにその瞬間——
「待て、マモン!」
黄金の鎖でしっかりと縛られ、ソファの上で縮こまっていたディアブラが、突如としてガバッと顔を上げた。両頬が羞恥と怒りで微かに赤らんでいるにもかかわらず、その深紅の瞳の中には、かつての魔王にして当今の公爵家令嬢たる鋭い光が猛然と爆発していた!
千年前、世界を支配していた魔王ディアブロとして——彼の知恵は、商人の本質が『絶対的な利益』に屈することを見抜いていた!彼女は高慢に小さな頭をぐっと突き出し、歯ぎしりをしながらも圧倒的な覇気を放ってマモンに言い放った。
タイラントの如く堂々と言い放つ。
「ルシファーというあの裏切り者は、一体いくら積んで本王を買うと言った?! 本王がお前の軍隊、武器、そして物資の買い付けに『三倍の価格』を出してやろう! 本王は今や全帝国で最も栄えある公爵家の大お嬢様だ、名義上の金庫には山のように金が積もって、金ならいくらでもあるのだぞ! 今すぐ本王を解き放て——!」
「三倍の価格」というその四文字を聞いた瞬間、マモンが伸ばしていた手はピタリと空中で停止した。
彼の金縁の片眼鏡の上で、黄金の輝きが「シュッ」と鋭く光り、脳裏には数え切れないほどの算盤と金貨が猛烈な勢いでぶつかり合う、軽快で小気味よい音が響き渡ったような気がした。
マモンは面白そうにクスクスと笑い、細長い双眸から比類なき抜け目なさと驚愕の光を迸らせた。彼は優雅に指をパチンと鳴らすと、ディアブラの身体を縛り上げていた数々の黄金の鎖は一瞬にしてあたり一面の金色の光へと変わり、鮮やかにサラリとほどけて地面へと滑り落ちた!
「ほほう……いやはや、さすがはディアちゃんですねぇ~」
マモンは黄金の鎖を引き戻し、頭上の黄金のシルクハットを軽く斜めに被り直すと、その口元にこの上なく眩しく、優雅な商人の弧を描いた。
「可愛いだけでなく、まさかこれほど驚異的なビジネスセンスと資本の度胸を持ち合わせていようとは! この僕は純粋な商人ですからね、絶対的な利益の目の前では、立場なんていつでも柔軟に弾力的に調整するものなのですよ~ 僕はますますあなたが気に入りましたよ~♥」
マモンの瞳に富に対する極限の狂熱が宿り、彼は優雅にソファの前で片膝をつき、束縛から解放されたディアブラに向けて純白のシルク手袋をはめた片手を差し出した。
「この取引、成立です!」
「ふんっ! お前という金ピカのクソ商人も、多少は物分かりがいいようだな!」
ディアブラは鎖に締め付けられて微かに赤らんだ細い手首を揉みほぐしつつ、少し乱れたレースのスカートの裾を慌てて整えた。彼女は高慢に鼻を鳴らすと、白く瑞々しい小さな手を差し出し、パチンと大きな音を立ててマモンの手のひらと力強く重ね合わせた。
「本王の三倍の手付金を受け取った以上、今この瞬間から、お前の流通ルート、魔法の薬、そして魔導軍械に至るまで、すべて本王に優先的に供給しなくてはならん! もし万が一、粗悪品でごまかそうものなら、本王が力を取り戻した暁には、真っ先にお前を金庫のなかの飾り人形にして詰め込んでやるからな!」
「それはもちろん~ 商人の信用というものは、黄金よりもさらに尊いものですからね~♥」
マモンは微笑みながら、二人が固く握りしめた手をゆらゆらと軽く振ってみせたのだった。




