幕間4・彼と私とその間
私には愛する人が大勢いる。
それぞれに対する私の「愛」の意味は違ったけれど、みんな、みんな、私にとって愛しくて、かけがえがなくて、うつくしい旋律のように心を温めてくれるの。
私はみんなの声が好きだった。私の好きな声はただの美しいではなくて、そのひとの性格や感情が表れた声。そういう声が私は好きで、言葉を交わす度に、世界にたった一つの歌をもらったような、すごく嬉しい気持ちになった。
特に、「彼」の歌が好きだった。
流れる水のように穏やかな音が好きだった。鈴の音のような清涼感があって、雪解けの水のような清らかさがあって、それはすぅっ、と私の耳に届いた。どんなに愛している人の声よりも、彼の声が、音が、好きだった。
だから私は彼が好きだった。愛していた。けれど、その思いは恋ではなかったし、身を焦がすような激しい思いでもなかった。ただ、ただただ隣にいたくて、どんなときでもその声を聞いていたくて。
私の思いが絶対に恋にはならないことだけは、なんとなく分かった。けれど、彼が他の人と仲良くしたり、愛を囁き合っている姿を想像しただけで苦しくなったの。恋人でもないのに、我が侭にそう思った。
私の思いは決して恋にはならなかった。激情にもならなかった。憎らしいほど想うこともなかった。
けれど、この思いは「友情」という陳腐な音だけで表せるものではなかったの。私達の間に存在する、絶対に絶つことの出来ない不思議な絆は、恋情にも友情にも何にも変化しなかったけれど、それはちゃんと意味もあったし言葉にもできた。
そう。
どんな人にも着ることの出来ない強い絆はあった。
私と、美しい音を奏でるあの人の間にあったのは、確かに「愛」という音だったのだ。
延々と幕間だけを綴りたいという感情で満たされています。
すぐに5が書けるように、進めたいです。




