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お客様は神様です?  作者: 黒一もえ
4・お友達の登場ですか?
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十六章・神様が突然出でて何します!?

そろそろ別の神様が出したいです。日本とか。

 級に訪れた自称・旧友に閉店後に会おうと伝えられ、会おうと思った私ですが、

「バルドルなんて名前知りませんよ」

 旧友に心当たりのある私ですが、バルドルという名前ではなかった気がします。ですが、思い出そうとすると旧友だと名乗った人たちも知っている気がして…。

 ああ! ややこしい!

 まあ、会いましょうかね。正直、興味があるんですよ。




「もう店じまいするのでルドさん、ブレントさん、グッバイ」

「え…」

 目を見開き、二人は私を見ました。

「何その違和感のある言葉遣い…おかしくない!?」

「うん。なんかシャルっぽくないね」

 ですよね〜。私演技ヘタなんですよ。口調がおかしくなっちゃって。おまけに棒読みなんでばりばり違和感あるんです。

「いやぁ…今日は歌の練習でもしようかと思って、的な? 私ド音痴だから人払いしなきゃできないんですよ〜みたいな?」

「「みたいな?」ってなんだよ」

 ルドさん、ナイスつっこみ。

「まあ、それなら仕方ないよね。ルド、帰ろう?」

「え…何ソレ。お前、俺を誘ってる?」

「なんでだ!?」

 ブレントさん、いいようにからかわれちゃってますよ。

「とりあえず今日はもうこの時間で閉店です」

「いつもは延長してもらってるけど、これが一番正しいんだよね」

「あ、いえいえ。ラストオーダーが閉店時間ですから。夜に行き場がなければ、バー金魚草にお越しくださいね!」

 ちゃっかり宣伝した私を見て苦笑すると、二人は帰っていきました。


 うぇい! 私の自由時間ですよ。

 緊張しますね、旧友に会うのって。

 お義父さんは買い出しに行っているのでしばらくは一人でいても大丈夫です。厨房から裏口に出ます。

「ああ、来てくれたんですね!」

 嬉々とした様子でバルドルさんは微笑みます。オーディンさんと似た系統の綺麗な人ですから、浮世離れしてて眩しいです。美形、凄まじいな!

「えっと…皆さんは、私の元・友人なんですよ、ね……?」

「はい」

 バルドルさんは優しく頷きました。

「ですが、貴女は僕達のことを思い出していないようですね…。少し悲しいですが、また友達になれたら嬉しいです」

「はぁ……?」

 また友達になれたら、と言われても友達でいた記憶がこちらにはさっぱりないですし、ほとんど初対面の人間と「はい、友達です」とできるわけがないでしょう。

「まあ、貴女は無理に思い出す必要はありません」

「そうだ。真の友情というのは時間をかけて確実に育んでいくのだからな」

 静かに隣家の塀にもたれかかっていたた黒髪さんーー多分、トールさんというのでしょうーーは、しっかりとそう言いました。…この人体育会系かもしれませんね。持論っある感がそれっぽ〜い。

「俺達はぁ、シャルちゃんと友達でいたいんだ。その方がうまみがあるからねぇ」

「素直じゃないな、お前。シャルロットさん、こいつは照れているので気にしないでください。まあ、うまみがあるのは事実ですが…」

「ちょ、何言うんだよバルドル。それにうまみ云々は(俺が言っちゃったけど)黙ってればいいのに」

「そうだな」

 二人に責められるバルドルさん。うまみについてはよく分かりませんが彼が口を滑らせたのは分かりますね。

「違う」

 穏やかな声でバルドルさんは反論しました。

「僕は公平が好きだからこうしたまでだ。裁判で平等に裁くのと同じだろう?」

 この人ら、裁判官なんでしょうかね。そうなると結構高位かもしれないし、関わると厄介かもしれません。裁判官って恨まれることもありますから。

 そのときでした。閃光のようなものが私の視界を横切り、私が向かい合っていたバルドルさん、ではなくその横のロキさんにむかいました。

「なっ!」

 私が絶句していたのは、ロキさんが閃光を右手で振り払った後でした。

「シャルロット、無事か?」

 いつもより険のある声でオーディンさんが問いました。

「大丈夫で…え?」

 オーディン、さん? なぜに? っていうかどうして私の盾みたいな感じで立っているんです?

 そうなんです。オーディンさんは私の旧友(?)三人組と対峙しているんです。

「シャルロット…不用意に出歩くのは今後控えた方がいいだろう」

 オーディンさんの声は落ち着いていましたが、手にはノレンをぶった切ったときに使っていたサーベルがありました。

「出歩くも何もちょっと外にでただけですよ?」

「それでこんな輩に遭遇したのだから外に出るのもどうかと思うぞ。金魚草は入りにくいが、入れにくいのが美点だ」

 入りにくい店って店として駄目じゃないですか! 

「ときにシャルロット」

 三人も応戦の構えになった頃、オーディンさんは言いました。

「今日は何曜日だ?」

「え…と…水曜日、ですかね?」

「よかった」

 水曜日のどこがいいんですか。ゴミ出しの日だからちょっと面倒なんですけど…。

「私は水曜日が好きなんだ」

 ギィン、と刃と刃がこすれる深いな音が響きました。オーディンさんとバルドルさんが刃を交えています。

「ッ!」

 じりじりとおされているバルドルさんが飛び退り、距離を取ります。他の二人は臨戦態勢ですが、ロキさんなんかはもう傍観を決め込んでいるように思えました。

「ちっ。水曜日のこの人には叶わない!」

 と言いつつかけ、オーディンさんに向かっていくバルドルさん。勝てない戦にわざと突っ込むタイプなんでしょうかね? 命、大切に。

 とか思っているとオーディンさんがサーベルを一降りしただけで凄まじい風が巻き起こり、バルドルさんは払われました。

「シャルロットに邪心を持って近づくのはやめろ。ルドが許さないと思うぞ?」

 神様と戦っている人に自称騎士のことなんて持ち出しても畏怖されないでしょうに! ほら、今困惑しちゃってんじゃないですか!

「僕達が邪心で近づいていると思うならっ、貴方の目は節穴だっ」

 サーベルと剣の戦いを繰り広げながらバルドルさんは毒づきます。気心しれた中に見えますが、オーディンさんは身に覚えが内容でした。まるで、初めて会ったときの私とオーディンさんみたいです。

「先程からわたしに敬語を使わないのに私を知っているようだが、何者だ」

 息が全く切れていないなんて、オーディンさんすごくないです? これは結構疲れる戦いだと思うんですけど…。

 …って、ああ!


 オーディンさんと旧友’sさん、何がしたいんですか!?

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