表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

3






パチリ、と部屋の灯りが点けられた。綺麗な男だと思っていたが本当に美しかった。金色の髪に薄い水色の澄んだ瞳。


「…あれ?さっきまで紫の目だったんじゃ」


「光の加減で色が変わるんですよ」


なるほど。


「それで、えーっと、どこから聞いたものやらちょっと分からないんですけど」


男は頷く。


「私の名前はゾイサイト。あなたがシロと呼んでいたものです」


私はいつの頃からか、私の悪魔的な願望を叶えてくれる存在をシロと呼んでいた。悪魔と取引をしている。その悪魔の名前はシロ。そう決めた。その考えが他人に知られていたと思うと少し気恥ずかしい。


「これからもシロと呼んでくださって構いませんよ」


シロが穏やかに微笑んだ。

美しい顔で微笑まれると何だか照れてしまう。


「えーっと、それで、シロさん「シロ」」


「ん?シロさ「シロ」」


これは呼び捨てにということなのだろうか。どうもこの美しい年上の人を呼び捨てにするのは抵抗があるのだが、彼は黙って微笑んでいる。意地でも譲らないというものを感じる。


「えっと、シロ?」


微笑んで頷く。


「私の願い事を叶えてたということは、シロは悪魔ってことですか?」


「悪魔ではありませんね」


「ん?」


「ああ、そのきょとんとした顔も愛らしいですね」


いやいや、こっちは平均的な日本人容姿だと言おうとしたら、ベッドサイドに座り込んでいた彼が立ち上がった。空気を読んで黙る。


バサッー


背中から一対の羽が広がる。その翼の色は漆黒。それはどこか蠱惑的で私の瞳を魅了する。



「…堕天使です」



彼は誇らしげに言った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ