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謁見する

 翌朝、迎えが来たので俺達は迎えとともに王城に向かった。


 王城に到着すると控室に通された。そこでドレスコードにあった服装に着替えたりデモンストレーション用に曲を弾く為のギターの準備をしたりした。


「皆んな、これだけは言っておく! 相手が話し終わるまで口を開かない。発言の順序を守り、礼節を重んじた行動をする事、それを必ず守ってほしい」


 俺は注意事項を伝えた。


「俺、自信ないっス」


「俺のやる事をそのまま、真似すればいい」


「わかったっス! やってみるっス」


 そうこうしているうちに、王との謁見をむかえた。


 謁見の会場は、魔王軍を一撃で倒したという、レックス達をひと目みたい貴族達が、多かったため、一番大きい広間に選定されていた。


「すげえ、多くの人達がいるっス」


「緊張してきましたわ」


「お前等、気圧されるなよ! 俺達は色んな死線をくぐり抜けて来たんだ」


「師匠、そんなのとは次元が違うっス! もう帰りたいっス」


「バズ、何を情けない事を言ってんだ!」


「師匠が、代表して一人で国王とあって欲しいっス」


 バズがゴネていると呼び出しが掛かった。


「ほら、サッサと行くぞ!」


 バズの首根っこを掴んで謁見の間へ向かった。



  俺達は謁見の間にいた。王と会場に集う貴族達の何とも言えない雰囲気ににあてられてバズは吐きそうになっていた。


「師匠、俺、もうダメっス! 吐きそうっス!」


「我慢しろ、何事も経験だ! ここを乗り越えたらお前は一回り成長する、女にも、もっとモテるようになる!」


「本当っスか?」 


「ああ、本当だ!」


 勿論、そんなハズあるわけがないが、バズの表情は引き締まった。


「師匠、早く行きましょう!」


「バズ、お前、人が変わったようだな」


「なに言ってるんスか? 俺は元々、こんな感じっスよ」


 キリッとした表情のバズが俺に顔を向けた。


「そ、そうか、そう……だったな、それじゃ、頼むぞ」


 俺はバズの変貌ぶりに冒険しているとき以上の成長を感じた。


「バズはもう心配いらないな」


 俺はティナの方を見た。


「旦那様、この衣装、似合っているかしら?」


「ああ、良く似合ってるぞ」


「エヘッ、ありがとうございます」


 照れて、はにかむティナに俺は思わず、ドキッとした。


「マナーは大丈夫か?」


「昨日、旦那さまに教えて頂きましたので」


 ティナが答えた。


「よし、行くぞ!」


 俺達は気合いを入れると王の御前に移動し、王の前で深く頭を下げた。


「面を上げよ」


 俺は頭を上げた。それを見て、バズ達も頭を上げた。


「我がこの国の王、キャデラックだ! お主等、よくぞ参った。お主等の活躍は良く聞いておるぞ」


「恐悦至極に存じます」


 そう言って、俺は頭を下げるとバズとティナも頭を下げた。


 王は立ち上がると俺達の方へ歩み寄った。


「そんなに畏まらんで良い。我はお主等の口から、魔王軍を壊滅させた時の様子を語って欲しいんだよ。あまり外に出られなくて退屈しておるのだ」


「王様、申し訳ありませぬが、玉座へ御戻り下さい。あの者達が困っております」


 宰相が、興奮気味の王を玉座に連れ戻した。王はとても残念そうな顔をしていた。


「レックス・ナガシマとその一行は勇者と同待遇の英雄とする」


 王は席に着くと真剣な表情で言葉を発した。


「あの若さで英雄ですって」


「英雄の誕生だ!」


「おおっ、素晴らしい瞬間に巡り合うことが出来ましたな」


 そんな声がアチコチから聞こえて来ると盛大な拍手が巻き起こった。


「それと、レックス・ナガシマ、お主を子爵に任じる。それとブルーバズお主には騎士爵を与える。あと姓をつける事を許可する」


 拍手の音が静まると、王が俺達に一方的に叙爵した。


「王様、我々は名誉を得る為に戦いに参加したワケではありません。もしそのような名誉が得られるなら、我々ではなく、戦闘に参加した冒険者の傭兵達に与えて下さい」


 俺は自由になりたくて冒険者になったというのに、また貴族にさせられて、縛られるなんてまっぴらゴメンだ。


 そう思った俺はやんわりと申し出を断ろうとした。


「ハハハ、そんな事か、ギルドを通して報奨金を傭兵達に渡す様に、既に申し付けておる。」



 コレは詰んだな、俺はそう思った。



 あらすじ的には終わりな感じですが、プロローグを掲載した後、もう少しだけ続けます。


 

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