↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《適正》の軍師――SSS級冒険者は、天才皇帝の侵攻に挑む  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
223/240

裏返した盾列

王国の丘で、帝国の工兵が砂州に大きな木枠を運んでいるのが見えた。将校の一人は舟を隠す設備だと考え、全弓兵を川辺へ寄せようとした。セイルは木枠の長さと、運ばれる杭の数を比べた。舟を伏せるには形が合わない。岸を補強する枠かもしれなかった。


ただし、工事が上陸の足場になることもある。セイルはダリオへ、動かせる兵の半数をそのまま丘に残し、残りに盾を裏返して置く訓練を頼んだ。盾の内側を地面へ向けると、泥に沈みにくい仮の足場になる。川辺で追われたときの退路を確保するためだった。


新兵は盾を土へ置くことを嫌がった。傷めば次の戦いに使えない。セイルは不要な古盾を集め、実際に泥の上へ並べて試した。すべてがうまくいったわけではない。割れた盾は沈み、革紐の切れたものは足を取った。使える種類が分かると、隊は訓練の意味を理解した。


夕方、帝国側では木枠が川岸へ固定された。王国側の兵は弓を引かず、セイルの示した場所へ盾を戻した。彼は相手の目的を断定しなかった。工事が防御なのか攻撃の準備なのか、どちらでも起こり得ることを並べた。


古盾を運んだ兵は、使えない盾をなぜ残すのか不思議がった。セイルは割れた場所を指し、次に同じ素材の盾が泥へ沈まないよう確かめるためだと説明した。隊長は廃棄する前に、どの部分が壊れやすいか記録することにした。失敗した道具が教えることもある。


ダリオは「何も決めないように聞こえる」と言った。セイルは「決めることと決めつけることは違います」と答えた。予備兵の位置は決めた。見張りの人数も決めた。ただ、まだ見えない敵の意図だけは、地図へ書かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。