↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《適正》の軍師――SSS級冒険者は、天才皇帝の侵攻に挑む  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
145/216

抜け道ではない窪地

王国の見張りが、帝国の兵が川辺の低い土地へ薪を運んでいると報告した。砦を造るには湿りすぎている。セイルは地図を見て、冬のうちにできた新しい砂州へ降りた。遠くに見える帝国兵は薪ではなく、束ねた軽い板を積み上げているようだった。


軍議でダリオは船着き場の建設を疑った。セイルはそれだけではないと思った。増水のあとの川には、上流から流れてきた砂で浅くなる場所がある。敵が板を運ぶなら仮設の渡り床に使える。しかし板を見ただけで渡河点を特定するのは危険だった。


彼は夜に偵察を出す代わりに、川下の葦原へ小さな観測所を作る案を出した。敵の目につきやすい高台より、川の広さを毎朝比べやすい位置である。葦を刈れば隠れ場所が減るため、必要な道幅だけを残して兵を入れた。


葦原の観測所に配された若い兵は、毎日同じ川を見続けるのが苦手だった。三日目には水面ばかり見て背後の草を見落とした。セイルは交代時の報告に、前日と違うことを一つ記す欄を増やした。兵は流木の位置を書き、次の日には鳥の減った場所を記した。敵が現れない日も、目を使い続ける練習にはなった。


見張りの三日目、砂州の向こうで帝国の舟が一隻転覆した。兵が岸へ上がるのは見えたが、板は流されていった。セイルは舟の数より、帝国側がすぐに別の舟を下ろさなかったことを気にした。敵は渡る準備だけでなく、川を試している。


彼はダリオへ、川辺のすべてを塞ぐのは不可能だと告げた。代わりに、渡られたあとどの道で兵を集めるかを定める。地図には抜け道が何本も描けたが、春の地面は紙の線より弱かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。