↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《適正》の軍師――SSS級冒険者は、天才皇帝の侵攻に挑む  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
109/228

王命とギルド札

王宮からセイルへ、新たな命令書が届いた。期限付き参与としての任務を延長し、軍の正式な軍師に任じたいという。書面には国王アルベルトの印があり、報酬と護衛も記されている。セイルはすぐには署名せず、まず依頼を出したギルドへ手紙を書いた。


ミレーネから返事が届いた。「王国があなたを欲しがるのは当然です。でも冒険者としての契約を一方的に破るなら、こちらも断る権利があります」彼女は政治的な判断を迫らず、本人に決めるよう促した。


ダリオは正式な軍師になれば発言力が増すと説明した。セイルは確かに軍議で苦労していた。だが指揮権を持てば、他人に危険な行動を命じる立場になる。自分が選ぶ最適な一歩と、数千人が同時に踏み出す一歩は同じではない。


彼は国王へ書面を返し、臨時参与のまま任期満了まで務める意向を伝えた。必要なら更新は協議する。ただし正式な軍師という身分だけを先に受け取ることはできない。王宮の使者は不満げだったが、回答を持ち帰った。


セイルは任命書の報酬欄をもう一度読み返した。金額は冒険者として稼ぐより多い。だがその金で、自分の判断を正しいことにできるわけではない。王宮の使者には、現地の将校が異論を言える仕組みを残してほしいと伝えた。指揮権がない自分だからこそ、反対される余地を大切にしたかった。


その夜、セイルは自分の銀黒色の冒険者札を布で磨いた。二十五歳までに積み上げた仕事の記録が、その小さな札に残っている。王国の軍事に関わり始めても、帰ってこられなかった人の捜索や魔物の駆除を、突然他人事にはできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。