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アルトレウスの娘 ~イグニシア戦旗~  作者: 名も無きサルカズ
第1章 アルトレウスの娘

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《第1章 アルトレウスの娘 登場人物紹介》


帝国歴467年7月27日現在/第36話まで


※この人物紹介は、第1章(第1話~第36話)の内容を含みます。

人物の生死、正体、所属の変化にも触れているため、第36話まで読了後にご覧ください。


※「初出」は、その人物が本文中で最初に登場、または言及された話を記載しています。名前が後の話で判明した場合や、名前だけが先に示された場合は、その旨を併記しています。固有名を持つ人物は全員掲載し、名前の明かされていない人物については、物語上重要な者のみ最後にまとめています。




           * * *


《フェリシアと行動をともにする者たち》


【フェリシア・オ・アルトレウス】(14歳)

本作の主人公。帝国七家の一つ、アルトレウス家の末娘。荒馬の呼吸や怯えを読み取り、導く天性の騎乗能力を持つ。

家族と領地を失ったのち、兄から託された紋章指輪を受け継ぎ、アルトレウス家の名を背負って生きる道を選ぶ。

初出:第1話


【ヴィクトル・オ・シルミウム】(28歳)

アルトレウス家の騎士。黒髪と頬の傷、不揃いの武具が目立つ。軽口を交えながら周囲を気遣い、戦場では状況に応じて素早く動く。

主家への忠義と母への思いの間で迷うが、すべてを失ったのち、フェリシアの行く道へ最後まで同行する覚悟を固める。

初出:第2話


【グレゴリウス・オ・マケドニア】(31歳)

アルトレウス家に長く仕える騎士。寡黙で実直、体格に優れ、武具や馬具の扱いにも隙がない。

セバスティアーヌスから紋章指輪と短剣を託され、フェリシアを新たな主君として最初に忠誠を誓う。

初出:第2話


【アスターナ・パンフィロス】(12歳)

ハミリ・パンフィロスの娘。年少ながら商家の娘らしい観察力を備え、困窮するルキウスたちへ自ら食料を差し出す心の強さを持つ。

隊商襲撃で父を失い、ただ一人生き残ったのち、フェリシアの一行に加わる。

初出:第12話


【パトリシウス・オ・トリウス】

アルトレウス家の傍流にあたるトリウス家の元継嗣。善良で行動力もあるが、貴族への憧れが強く、世間知らずなところがある。

本家救援を主張して父に勘当され、ラケスとともに出奔。残った資金をすべてフェリシアへ差し出し、その臣下に加わる。

初出:第34話


【ラケス】

パトリシウスと同年齢の従者。幼い頃から遊び相手、護衛見習い、目付役として彼の側にいる。

剣、馬術、読み書き、計算に優れ、主人の浅慮を容赦なく指摘しながら、実務面では誰よりも確実に支える。

初出:第34話


           * * *


《アルトレウス家》


【エウスタティウス・オ・アルトレウス】(51歳)

アルトレウス家当主。帝国北西部の要地を治め、東方交易と新市場の開設を進めていた。

家の存続より領民を守る領主の責務を優先する。皇太子から自刃を命じる親書を受け、家族と家名へわずかでも道を残すため、自ら命を絶った。

初出:第1話


【イザベラ・フォン・ニコメディア】(46歳)

エウスタティウスの妻で、アウレリウス、セバスティアーヌス、フェリシアの母。帝国内の少数派であるテュリンギ人貴族、ニコメディア家の出身。

母としての情と領主家の女主人としての責務を併せ持つ。フェリシアを逃がすため館に残り、その後の生死は直接描かれていない。

初出:第4話


【アウレリウス・オ・アルトレウス】(21歳)

フェリシアの長兄で、アルトレウス家の継嗣。勇猛で人を惹きつける一方、血気に逸りやすく、人を疑うことが不得手。

レオニウスの誘導に従って罠へ踏み込み、セバスティアーヌスとともに戦死した。

初出:第1話


【セバスティアーヌス・オ・アルトレウス】(18歳)

フェリシアの次兄。冷静で観察眼と戦術眼に優れ、レオニウスの不自然さにも早くから気づいていた。

兄を救うため死地へ向かう前に、紋章指輪と短剣をグレゴリウスへ託し、フェリシアを家の未来として選ぶ。

初出:第1話


【マティアス・オ・アルトレウス】(48歳)

エウスタティウスの弟で、アルトレウス領軍を実質的に率いる戦経験豊かな指揮官。

防衛線崩壊後も若い騎士や農民兵を逃がし、自らは残った老兵とともにグリゴリ将軍へ最後の突撃を敢行する。

初出:第2話


           * * *


《アルトレウス家の家臣・領内関係者》


【ジュリアーヌス・オ・アルトレウス】(29歳)

アルトレウス家の傍流に生まれ、本家へ仕える文官。帝宮の作法や官僚の思惑、根回しの経路を知る。

援軍要請の使者として帝都へ赴き、ファルセリ兵団の救援行にも加わる。本家滅亡後はファルセリ家への仕官を断り、支度金を受けて野に身を置く道を選んだ。

初出:第1話


【ディオニシウス】

マティアスを支える若い騎士。輜重襲撃隊を率いるなど、簡潔で正確な報告と実務能力を見せる。

防衛線崩壊時にはマティアスを諫め、最後まで彼と行動をともにした。

初出:第2話


【ルドルフ】

アルトレウス家の家令。館に残り、避難準備やフェリシアの動向など、危機の中で家中の実務を担う。

初出:第13話


【デメトリオス・オ・アルトレウス】(40代後半)

避難民の一団を取り仕切るアルトレウス家の騎士。身分意識と自尊心が強く、状況に応じた実務的な指揮を不得手とする。

ハミリの隊商が襲撃されると持ち場を捨てて逃走し、装備を奪われた遺体となって発見された。

初出:第13話


【バルド】

アルトレウス家に仕える老騎士。フェリシアの偵察報告を受けた話し合いでは、慎重な立場からその進言に難色を示した。

のちにエウスタティウスの最後の命を受け、悲嘆に暮れるフェリシアを館の裏門まで導く。自ら門口に踏みとどまり、衛兵たちとともにフェリシアとマクシムの脱出路を開いた。

初出:第12話(老騎士として登場。名前は第23話で判明)


【パウロス】

ヴィクトルの従士。野盗の襲撃で致命傷を負い、フェリシアに最期の慈悲を求めた。その死は、フェリシアが主として戦死者を見送る最初の経験となる。

初出:第26話


【ニコラス】

ディオニシウスの輜重襲撃隊に属するアルトレウス領兵。敵の馬糧へ火を放とうとして戦死した。

初出:第10話


           * * *


《アルトレウス家に連なる者・周辺領主》


【ルキウス・オ・ベラータ】

マロネイア村を治める若い領主騎士。小柄だが、領民とともに働いてきた引き締まった体を持つ。

エウスタティウスへの恩義から、わずか四人で援軍に駆けつける。避難民を見捨てず守り抜き、セルギウスから「良き騎士、良き領主」と評された。

初出:第12話


【ファウロス・オ・トリウス】

トリウス家当主で、パトリシウスの父。アルトレウス家の分家筋にあたり、「オ・トリウス」の名乗りを許されているが、トリウス家は帝国貴族録に名を持たない。帝室直轄領内に荘園を持つ地方名士であり、軍旗も召集権も持たない自家の立場を冷静に理解している。

本家救援を主張する息子を表向きは勘当する一方、ラケス、馬、物資、多額の手切れ金、アルトレウス家から下賜された古剣を持たせた。

初出:第34話(パトリシウスの父として登場。名前は第36話で判明)


【ヨアニス・オ・トリウス】

パトリシウスの弟。兄より優秀で性格もよいと、父とパトリシウスの双方から評価されており、兄の勘当後はトリウス家の継嗣となる。

初出:第35話


【マルケルス・オ・ラウレントゥム】

アルトレウス領の東隣を治める小領主。兵五十を率いてファルセリ兵団に呼応し、周辺諸領主が相次いで参陣する最初の契機となった。

初出:第29話


【ガヴラス】

エウスタティウスが援軍を打診した北西部の領主の一人。帝国軍本隊と歩調を合わせるとして、単独での出兵を見送った。

初出:第12話


【カスパル】

エウスタティウスが援軍を打診した北西部の領主の一人。帝国軍本隊と歩調を合わせるとして、単独での出兵を見送った。

初出:第12話


【クセナキス】

エウスタティウスが援軍を打診した北西部の領主の一人。帝国軍本隊と歩調を合わせるとして、単独での出兵を見送った。

初出:第12話


【ウォルフ】

ニコメディア家の家令で、イザベラの父と兄の腹心。ハインリヒの使者が実家を訪れた事実を、イザベラへ密かに伝えた。

初出:第13話


           * * *


《ファルセリ家・ファルセリ兵団》


【セルギウス・オ・ファルセリ】(39歳)

帝国七家の一つ、ファルセリ家の当主。帝都の軍事を担い、ファルセリ兵団を率いる。

皇帝へ直諫して出兵の許しを得るが、アルトレウス領の救援には間に合わなかった。戦後は避難民の救護を即断し、息子ダリオスに戦と政治の関係を学ばせようとする。

初出:第5話


【ダリオス・オ・ファルセリ】(18歳)

セルギウスの息子で、ファルセリ兵団の若き副司令官。父に似た体躯と、赤みを帯びた金髪を持つ。

経験不足から迷うこともあるが、アルトレウス領救援への思いは強い。先遣隊を率い、陥落後の戦場で独断を控えるだけの成長も見せる。

初出:第5話


【マルティウス・オ・ペルガモン】(26歳)

セルギウスの副官として、ファルセリ兵団の実務を預かる。黒髪を短く整え、若いダリオスを立てながら不足を補う。

出撃準備、進軍、輜重、避難民救護までを的確に処理する、兵団の実務上の要である。

初出:第5話


           * * *


《ヴァルトレア帝国・帝都》


【クラウディウス・パウリヌス・アウグストゥス】

ヴァルトレア帝国皇帝。かつての果断さを失い、帝国内の分裂を恐れるあまり決断できなくなっている。

セルギウスの直諫を受け、帝国の正式命令ではなく、自らの名代という形でファルセリ家の出兵を許した。

初出:第6話


【ステファノス・アレクシオス・アウグストゥス】

皇帝クラウディウスの皇太子。アルトレウス家排除を最終裁可し、エウスタティウスへ自刃を命じた人物。

自らの正しさを疑わず、周囲の制止にも耳を貸さない。イグニズ教を捨てて聖光教を国教とし、西大陸諸国とともに東大陸へ進出する構想を抱く。

初出:第19話


【ガルシア・オ・トレオル】(45歳)

皇室の血を引く帝国七家の一人で、皇太子派の中心人物。アルトレウス家を切り捨てることで、西大陸との全面衝突を避けようとした。

侵攻計画と旧領権益の配分を実務面で取り仕切るが、皇太子の苛烈さと改宗構想には強い危機感を抱いている。

初出:第19話


【ハインリヒ・フォン・グラーフェン】

帝宮侍従長を務めるアウレ。テュリンギ人共同体の盟主的立場にあり、同胞の将来を守るため皇太子派へ協力した。

アルトレウス家を切り捨てた後、皇太子がテュリンギ人の事情を顧みていないと悟り、その陣営を内心で見限る。

初出:第6話


【アレクシオス・オ・コムネノス】

アウレの一人で、帝国直轄のコムネノス兵団を率いる指揮官。御前会議ではアルトレウス領への即時出兵を強く主張し、ガルシアと正面から対立した。

初出:第19話


【オクタヴィアヌス・オ・カレンディス】

帝国の司法・行政を担う七家の一つ、カレンディス家のアウレ。ガルシアと歩調を合わせ、アルトレウス領への援軍派遣を引き延ばす一派に属する。

初出:第19話


【カストル】

帝都防衛を担うアウレ。灰狼傭兵団の帝国内潜入にも関わるが、巡検隊や警備兵の足止めによって傭兵団の集結を遅らせた。

初出:第19話


【コンスタンティヌス】

帝国の財務を担うアウレ。ガルシアと歩調を合わせ、援軍派遣を引き延ばす一派に属する。

初出:第19話


           * * *


《神殿庁・神官》


【ニコラウス・オ・ソラリス】

帝国七家の一つ、ソラリス家の当主で神殿長官。ガルシアの要請を断れず、領内神殿を反アルトレウス工作に利用させた。

神官としては善良で、配下を守るため襲撃前に退避させる。皇太子の改宗構想には強く反発するが、一門の権益や財を十分に掌握できていない。

初出:第22話


【ヒエロニムス・ペルガモンコス】(50代前半)

アルトレウス領の神官長。平民出身で、親しみやすさを残す老神官。

ソラリス家の命令に従って館側の情報を帝都へ流し、襲撃前に神殿から退避した。神殿焼失後、領民の信頼を失った現実に直面する。

初出:第4話


           * * *


《セヴァリス王国・ドロミア家》


【グリゴリ・ボヤル・セヴァリッキ】

セヴァリス王国の将軍で、アルトレウス領侵攻軍を実質的に指揮する。五十歳に届く頃の老将。

軍規と戦場の作法を重んじ、敵であるアウレリウス兄弟やマティアスたちにも武人としての礼を尽くす。アルトレウス家の騎士グレゴリウスとは別人。

初出:第10話


【ヴァルデリク・オ・ドロミア】(55歳)

アルトレウス領の隣領を治める領主で、侵攻軍の名目上の総大将。作戦の実権はセヴァリス王国側に握られている。

旧知のエウスタティウスを案じ、傭兵の略奪から村人を守る。館から逃れてきたフェリシアを見抜きながら、兵に追わせず道を開けた。

初出:第1話


【レオンティオス・オ・ドロミア】

ヴァルデリクの嫡孫。若さに似合わぬ沈着さを持ち、剣を抜く前に言葉で落としどころを探る。

祖父の意図を素早く察し、フェリシアを見逃すため全軍停止を命じた。

初出:第24話


【ロスティス公爵】

侵攻軍に加わった一部隊の主。配下が軍令に反する失態を犯すが、政治的事情からグリゴリも関係者を処断できなかった。

初出:第10話


           * * *


《灰狼傭兵団・その他の傭兵》


【ドラガン・ステファノヴィッチ】

聖光教徒からなる灰狼傭兵団の若き団長。長い金髪を束ね、粗暴で残忍な振る舞いを見せる。

一方で、人の恐怖と場の勢いを利用する戦場勘に優れ、相手の命令や筋書きの隙を突く弁も立つ。アルトレウス館陥落後、皇太子から「使える駒」として関心を持たれる。

初出:第22話


【ジョルジュ・ヴコヴィッチ】

灰狼傭兵団でドラガンを支える副官格。進入路、脱出路、遮蔽物、敵味方の数を常に測る現実的な人物。

幼馴染でもあるドラガンの無茶と鋭さを熟知し、悪態を交わしながらその判断を支える。

初出:第22話


【ソティリウス・ノスタルギア】

偽名:レオニウス

東方馬との競争に敗れて廃業したノスタルギア牧場の元牧場主。レオニウスと名乗ってアルトレウス家へ潜入し、アウレリウスを死地へ誘導した。

復讐を果たした後、東方馬の優秀さと、自らを信じた仮初の主君を裏切った事実に向き合い、母の故郷モエシア連邦へ向かう。

初出:第8話


【ボグダン】

セヴァリス側で、およそ二十人の小傭兵団を率いる団長。村で略奪と放火を行うが、レオンティオスの提案を面子を保てる引き際として受け入れた。

初出:第24話


           * * *


《商人》


【ハミリ・パンフィロス】(49歳)

パンフィロス商会を率いるカッスクリア出身の商人。商人らしい計算高さと、人の懐へ入る柔らかさを併せ持つ。

カッスクリア女帝の密命を受け、繁殖可能な牝馬マクシムをアルトレウス家へ献上した。隊商襲撃時には娘アスターナを干し草へ隠し、自ら囮となって命を落とす。

初出:第1話


           * * *


《名前の明かされていない重要人物》


【ヴィクトルの母】

母一人子一人で暮らしていた老女。避難民の一団へ加わり、息子が帰る場所を守るために生き延びようとするが、隊商への待ち伏せで命を落とす。

初出:第14話


【パンフィロス商会の番頭】

ハミリの腹心で、マクシム献上の政治的意味を理解する人物。隊商襲撃時にはアスターナを隠す作業を助け、ハミリの最後の命令を受けて動ける者たちの脱出を試みる。

初出:第27話


【アルトレウス館裏門の衛兵隊長】

バルドの命令を受けて危険な開門を決断し、弓でフェリシアとマクシムの脱出を援護した。

初出:第23話


【パトリシウスらに同行した従者】

ファウロスに選ばれて旅へ同行するが、出立した夜に荷駄馬と物資を持ち去り、二人の騎乗馬も逃がした。

初出:第35話


           * * *


《フェリシアの愛馬》


【マクシム】

フェリシアが名づけた栗毛の牝馬。「偉大なる者」を意味する、男性的な名を持つ。

東方パルティア系の軍馬で、気性が荒く誰にも扱えなかったが、フェリシアには自ら従う。カッスクリア女帝の密命によって国外へ出された繁殖可能な牝馬であり、その血統自体が政治的・軍事的価値を持つ。

初出:第1話(名前は第11話)


           * * *


以上、第1章「アルトレウスの娘」終了時点の登場人物です。



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