最悪の開戦
俺のスマホに届いた連絡は、到底信じがたいものだった。ハルとの再会も含めて、俺はあまりの情報量の多さで固まってしまった。気づけば俺は、目的地のバス停まで来ていた。車内アナウンスでハッと我に返る。
(とりあえず今は任務に集中しないと!)
俺は重い足取りで金を払ってバスを降りると、スラムへ向かった。俺に届いた報告とは……あのマイカさんがレスパリの人間にやられて重症だというものだったのだ。
━━━━━━━━━━━━━━━数時間後、十契拠点━━━━━━━━━━━━━━━
俺は急いで医務室へと向かった。すると、苦い顔をしたコウさんとカイセイさんがいた。
「マイカさんはッ!! どうなったんですか!」
「……なんとか生きている。だが、安心はできない」
「まさか、マイカちゃんが遅れを取るなんてなぁ……今マイカちゃんは別の離れた場所で秘密裏に治療されている。場所はボスと九眼、その他ほんの一部の人間しか知らない。四眼以降の幹部はもちろん、俺やユイにだって伝えられてない」
よく見ると、カイセイさんがマイカさんの側頭部にずっと付けてあった能面を持っている。
「ソレは……??」
「あぁ、この御面か? これはマイカちゃんのやつだ。この御面に茜力が残っているおかげで、今のマイカちゃんはギリギリ生きている。この御面は、マイカちゃんの固有術にも関わる重要な物だからな……コイツが破壊されたらマイカちゃんも危ない。だから、念の為に別で保管して俺達が守っているんだよ」
「そうなんですか……」
「正直、ボスが助けに入らなければあのまま殺されていただろうな。俺もカイセイも、恐らく相手にならないだろう。ボスもなかなかに苦戦していたみたいだし……どうしたものか」
「……ッ! 一体だれがやったんですか!?」
「レスパリ幹部……明平 ジェイキーだ。どうやら、固有術の進化とやらをしたらしくてな……紅蜘蛛華にも匹敵する強さとなったらしい」
「そんな……」
「だが、最高幹部に並ぶ人間をこんな風にするってのは明らかな挑発行為。こっちも黙ってちゃいられない。コッチからも仕掛ける事になるだろうから、リク君もsのつもりで居てくれ」
「分かりました……」
どうにも信じられなかったが、現実みたいだ。これは五十年前よりも過酷になっていくような気配がする……
━━━━━━━━━━━━━━━一方その頃、レスパリ本拠点━━━━━━━━━━━━━━━
「申し訳ありません!」
「……気ぃ抜かれちゃ困るよ、ジェイキー。あと少しで仕留められたよね?」
「はい……ホントに申し訳ない。まさか茜術の感知機能を取り付けてあったとは思わず……」
「で、零眼と戦った感想はどうだった??」
「はい……かなり強かったですし困惑しましたが、次は負けません。必ず仕留められる自信があります」
「そう……なら良い」
「はい…………」
昨日、必ず仕留めると宣っておきながらこのザマだ。責められるのも仕方がない。すると、気まずい沈黙を打ち破るように見知った顔が入ってきた。
「ハナ様」
「ん? 君から来るなんて珍しいね、レノ」
「はい、報告に参りました。例の協力者からの伝達によれば、マイカを治療している場所は分からないとの事でして……どうやら完全に秘匿されているようです」
「そうか……まあ、かなり戦力を削げたはずだし良しとしよう。これで、後警戒するべきなのは『一眼、コウ』『二眼、ユイ』『三眼、カイセイ』そして……『零眼、●●』」
「それと、個人的に十一眼隊のリクも仕留めたいですね。因縁がある」
「お、そうだったね。あともう一人いなかったっけ?」
「あぁ、もう一人の……シンジは製作所のジェーンが仕留めたようです。それと、なぜハナ様は零眼の能力を知っていて黙っているんですか?」
「そりゃあ、戦意喪失を防ぐためだよ。知ってしまったら恐ろしくて相手にしたくなくなるだろうからさ」
「そんなに強いんですね……」
「あぁ、アレはヤバかったぜ。俺はすぐに退避したからなんとかなったが、初見じゃあブルッちまう。レノちゃんの固有術でも相手取るのは相当厳しいぜ?」
「まあ私はリクを仕留めればそれで満足ですが」
「そっか……じゃ、各々頑張ってもらうよ」
「「はいッ!」」
今日は二話出せるかもッス




