展望台会議
今日は半年振りの展望台での会議。やはり、自分の育て上げた精鋭達が全員揃っているのを見ると安心する。
「お、今日は早いね零眼」
「んー、カイセイもなかなか早いじゃん」
「あと来てないのはユイだけか……」
「そうだね〜」
ユイは先日のアクアサーペント討伐でかなり表情が明るくなった。そのせいか、少し最近緩んでいるが……彼女とアクアサーペントの因縁を知っている身からすれば、それを責めるつもりは毛頭起きない。
すると、下からガッという音が聞こえて屋上の縁に手が掛かった。姿を現したのはユイ。
「ごめ〜ん、遅れちゃった」
「ユイ、最近気が緩んでるんじゃないの〜??」
「ごめんごめん」
「あんな事があったんですし、無理はありません。あまり責めてやらないであげましょう、カイセイさん」
「ん、マイカちゃんがそう言うだなんて珍しいねー」
「それで、今日の議題は? やっぱりレスパリと製作所か?」
「お、乗り気だねコウ。その通り。五十年前の工場地帯戦争以降、ずっと大人しくしていたその二つの組織が今になってまた暴れ始めた。その証拠に、『ジェーン』と呼ばれる人物による契約者襲撃が頻発している。そのうち二名、六眼のユウトと十一眼の……シンジが殺害された」
「やはり、私と零眼も積極的に表で活動する方が良いのではないでしょうか?」
マイカ……なかなかに痛い所を突いてくるな。確か、五十年前も同じ様な話になったんだっけか? ただ、俺とマイカの二人で拠点を警備するシステムは絶対に崩すつもりはない。
「……俺とマイカも動いた方が良いのは分かっている。だが……」
「俺もマイカちゃんの意見に賛成だー」
「アタシも」
「俺も……アンタには悪いがマイカが正しいと思う」
「そうは言ってもな……」
「もう少しだけ、末端でも部下達を信用する事はできないの?」
「そんな事は俺だって分かっているッ……!! それでもできないんだ……」
「でも、それ以外に方法はありませんよ?」
「……ッ! とにかくそれだけは━━━━」
「●●!! お願い……下の子達を信じられないのなら、私達を信じてッ!」
もう何百年も呼ばれずに錆びつきかけていた俺の名前を、マイカは口にした。
「お、おい。頼むから、ソレを大声で言うのはやめてくれよ……」
「首を縦に振るまでは何度でも呼び続けます」
「……」
「マイカちゃんもこう言ってるぜ? ●●。珍しくアンタに反抗してでも意志を突き通そうとしてんだ。それなりの対応はしても良いんじゃないのか?」
「アタシからも頼むよ」
「俺もだ」
「…………ッ」
俺の中で激しい葛藤が起きる。確かに皆の言う案の方が確実ではあるが……それ以上に譲れない物がある
「お願い……」
もうずっと見ていなかった表情で懇願するマイカは、見ていると心が絞め付けられるような気分がする。
「……分かった。じゃあ、最初は俺かマイカの片方ずつで出て様子を見よう。それで良いな?」
「……え、ホントに良いんですか??」
「あぁ。こうもお前らに頼まれちゃあ断りきれねえよ。ここは一つ、お前らを信用してみるか」
「やったぁーー! マイカちゃんナイスゥ!」
俺の一言で、皆安心したような喜んでいるような顔になる。
(やれやれ……面倒な事にならなきゃ良いがな…………)
物語も終盤となって参りました!
ここからもドンドン調子上げていくんで応援よろしくお願いします!




