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幹部選別闘技大会、開催決定

 会議から数日後。俺達はボスに闘技場へ呼び出されて戦闘スペースに集まった。呼ばれたのは五〜十一眼隊だけのようで、皆なぜ集められたか検討は付いているようだ。そして、しばらくすると黒い外套を纏いフードを深々と被って顔を隠したボスがマイカさんを連れて観戦スペースに来た。そして、話し始める。

「来てくれてありがとう。今日集めたのは他でもない、ウチの七眼幹部であるナイアル・ガログが敵幹部に殺された。これは戦争の火種になるだろう。それに、七眼の契約者達の心は穏やかではないはずだ。そこで、それに備えるためにも空いてしまった七眼の席に着くに値する者を選出しようと思う。現在出場が決まっている者は十一眼から二人。十眼から三人。九眼、八眼からは無し。七眼からは五人。六眼からは二人。五眼からは無し。という事で合っているかな?」

「はい! 合ってますよ!」

 一瞬の沈黙の後に、ヒロが答えた。

「ん、ありがとう。じゃ、そういうことで明日に応募終了とする。まだまだエントリーは受け付けてるから、参加したくなったらそれぞれの隊の隊長に声を掛けると良いよ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 呼び出しがあって以降、特に志願者は居なかったようだ。そして、トーナメント表が張り出されている。

「スゥーーーー……リク、お前最初で終わっちまうかもな」

「え、なんでですかショウタさん」

「初戦の相手、お前との相性最悪だぜ? あとシンプルに強い」

「どんな人なんです?」

「相手は十眼の二番手だ。元々十眼はスパイ専門の組織みたいな感じだし、手段を選ばない奴が多い。拷問で口を割らせるって手段が当たり前に入ってる奴らだ。せいぜい用心するんだな、下手すれば殺されるぞ。」

「え……でも契約書に契約者間での争い及び殺害行為は厳罰に処するって書いてありましたよ?」

「確かに普通なら理由次第じゃボスやマイカさんに処刑されたりもする。だけど、闘技大会だけは許されるんだよ。本来の力を引き出す為みたいだな」

「まあ、つまりは俺が殺しても良いって事ですよね?」

「え……まあ、そうだが」

「なら俺だって殺す気でやりますよ。ハルを見つける為だったらなんだってやりますよ」

「お前もなかなか、アウトローな雰囲気に仕上がってきたな」

「そうですかね? まあハルは俺の多くを知る唯一の人間ですから」

「ま、その信念があればきっと大丈夫か。ブチカマせよ?」

「当たり前じゃあないですか」

 俺は、ハルをレスパリから助け出す為なら何だってやってやる。ここに入って友人も数人できたが、やっぱり長い間苦楽を共にしたハルだけは代えが利かない最高の友達だ。

「アイツ……今何してるのかな」

「あぁ……お前の対戦相手の術の事を伝えるの忘れてたな。」

「そうでしたね」

「お前の最初の対戦相手は、三間(みま) 康介(こうすけ)。軌道をズラす固有術を持っている男だ。お前の『千裂瞬斬(せんれつしゅんざん)』の斬撃を飛ばす能力。引いては、斬撃をヒットさせる前提の術とは最悪に相性が悪いぜ。だから、いっそのこと刀と固有術を封印して汎用属性を使った術だけで戦ったほうが良いんじゃないかと俺は思うぜ」

「そんな……俺はまだまともに汎用属性の茜術を使って戦ったことがありませんよ?」

「闘技大会の開催は二日後……せいぜい特訓するんだな」

「マジかよ……ま、頑張ってみますわ」

「おう、頑張れよー」

 そうして俺は、二日後に備えて訓練を始める。闘技場下の訓練スペース手始めに取り組んだのは術を放つイメージ。どんなに強力な術でも、それを使って戦うイメージができなければどんな茜術にも劣るとヒロが言っていた。そして、その次に実際に解放してみる。基礎的な汎用属性の活用は既にできるが、それ主体で戦うとなるとかなり貧弱だ。

「苦戦してるみたいだな」

「おう、ヒロ。やっぱ固有術に頼ってたから、こういうのって苦手だな」

「やっぱ対人でやらないと成長しにくいしな」

「そうか……そうだよな」

「水の汎用属性だけの使用ならここで訓練してやろうか?」

「いいのか? 助かるぜ」

 俺は訓練スペースでヒロと向き合うと、床に手を添えて力を全体に伝えるようにイメージする。すると、床から五つほどの水滴が現れた。そして、それを尖らせて前に吹き飛ばすイメージを持つ。

「『ライトブルースピア』ッ!!」

 すると、浮かぶ水滴が尖ってヒロの方へ飛んでいく。

 だが、ヒロはバッと物を掴み上げるように腕を動かすと渦を巻く水の壁が生み出されて、俺の水滴を吸収した。

「基礎的な出力生成はできるみたいだな。だけど、この威力じゃ一般人には勝てても十眼二番手には勝てねえぞ」

「クッ!」

 俺は次の一手を打つためにヒロの右側に回り込む。そして、両手を丸い物体を包み込むように合わせて中に茜力を集中させる。すると、手の中に水流が生成された。そのエネルギーは手の中で無限に加速して、一点の隙間からレーザービームのように放出された。

「『濫線廻廊(らんせんかいろう)』か……それを習得してたとは、ちょっとびっくりだぜ」

 やはり、避けられてしまう。だが、今ので感覚は少しだけ分かった。

「次は絶対に当てるぜ」

「へえ……やってみな」

二日も空けてしまい申し訳ありません!


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