バジリスク①
「さて……始めようか」
ショウタさんがコキッと首を鳴らしてホルスターに付けている銃を取り出した。ショウタさんの守護獣は戦闘向きじゃないし、本人の戦闘能力もそこそこなので銃に頼っているようだ。
「ここからは別行動だよ。俺は逃げ遅れた人達を守護獣で安全な場所まで連れて行く。リク君はレスパリの処理をお願いね。恐らくあっちに見えるショッピングモール跡らへんに固まっているはずだよ」
「分かりました。では、こっちの風俗街はショウタさんにお願いします」
「おう! じゃ、お互い頑張ろうぜ。多分もう七眼隊の人達が侵略者達の捜索をやってると思うから参加しな」
「はい!」
俺は急いでビルを降りて、少し先に見えるショッピングモール跡のへと歩いた。かなり大きな建物で、割と最近まで使われていた形跡もあった。
「そこのお前! 何者だ!」
唐突に背後から声を掛けられた。振り返ると、ショットガンを構えた術者がいた。
「俺は十一眼隊のリクだ。お前はレスパリか?」
俺は警戒しつつ刀を構える。術者である事はなんとなく気配で分かるが、どっち側なのか全く分からん。もしコイツがレスパリならここで斬り伏せるか……
「おっと失礼……俺は七眼隊のシンタロウだ。よろしく」
「あぁ、なんだ味方か。よろしく」
「お前もあそこに潜入するか? 俺は今から行くが。レスパリの奴らがずっと前から不法占拠してる所だ。絶対に何かある。そういやお前、他のバディ達はどうした?」
「バディ……?」
「あぁ、新入りか? そういうの教えてくれない隊なのか十一眼隊って。バディってのは殆どそのままの意味だ。頻繁に組んで任務に当たる奴のことで、お前もそういう奴がいたはずだろ?」
「なるほど。俺のバディの内一人は守護獣で逃げ遅れた人達を捜索して連れ出してるよ。もう一人は分からねえ」
「そうか。じゃ、一時的に組んで行こうか」
「え、シンタロウのバディは?」
「あー……一人は同じく逃げ遅れた人達の捜索に行った。もう一人は先にあの建物に入ってからずっと連絡が取れない。もう十五分くらい経つけど出てくる様子も無いし連絡も無いから多分中で死んでる」
「え……」
「気を引き締めて行くぞ」
困惑する俺を他所にシンタロウは建物へと歩み始めた。俺も急いで付いて行く。
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「……誰もいないな」
「あぁ。ただ、油断するなよ。俺から絶対に離れるな」
「分かった」
建物の敷地に入ると、広大なショッピングモール内の半屋外のような道へ繋がっていて、左手には浅い人口川が目に入った。そして、右手にあるテナント跡の壁には所々に大きな穴が空いていた。
(この穴もしかして……)
心当たりはある……だが、絶対に的中してほしくないな。もし的中したのなら、きっと生きては帰れない。そんな事を考えながら俺はシンタロウさんと建物の奥へと進んでいった。そして、五階程まで楕円形に吹き抜けたエスカレーターのある場所に出た。
「……ここらにも居ないな。」
“……ドサッ!!”
急に目の前に何かが落ちてきた。人の形をしている……
「え…………レン……さん? レンさん。レンさん!」
「この人……知り合いなのか?」
「知ってるも何も……ッ! この人は七眼隊の隊長だ。俺の直属の上司なんだよ!」
「何ッ!?」
「隊長は建物周辺に怪しい動きが無いかを監視する役目だったはずだが……クソッなんで……ッ! 野郎!! 出てこい! どこに居やがる!!」
「待て落ち着け、まずは状況を━━」
そこまで言った所で、頭上からシュルルルというガラガラ蛇の尻尾の様な音が響いて来た。慌てて上を見ると、黄色い二つの目が俺達を見下ろしていた。
「……ッ!?」
(畜生、やっぱり勘は当たってたか……!!)
黄色い目は一瞬引っ込むと、円形の吹き抜けをエスカレーターを利用して螺旋状に降りてきた。大蛇の姿が現れる。そして、そのまま俺達を囲むように這って逃げ道を絶った。
(デカい。四十メートル以上はあるな……前よりも成長している? 恐らく俺が雷野郎の片腕を吹っ飛ばした時に割って入ってきた奴の守護獣と同じ個体だ。という事は……幹部!!)
案の定、蛇の頭上には幼い容姿の男が乗っていた。
「お前では話にならない。幹部を連れて来い。そこに転がってる奴よりも強い幹部をな」
「テメェ!」
シンタロウさんが激昂してショットガンを男に放つ。だが、蛇はとんでもなく速い反応速度で弾を避けると、シンタロウに頭突きをして吹っ飛ばした。
「無駄だ。お前如きではこの俺の最強の守護獣、『バジリスク』には勝てない」
鋭い縦長の瞳孔はが次に捉えたのは俺だった。
書くだけ書いて投稿を忘れるというミスをまたやってしまった……
私生活がかなり忙しくなってきたので、投稿頻度が落ちます。すみません。




