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Madder Lesson!!⑤

「そろそろ立てるようになったかな?」

「あぁ……はい。すみません」

 俺は少しフラつきながら立ち上がった。威力を調整してくれたのか、大した怪我はしていない。そこから刀を拾い上げ、さっき走り出した位置まで戻った。

「じゃあさっきの事も踏まえてやってみよーーーー!!」

 遠くに立つカイセイさんが声を張り上げた。俺は全力で走り出すと、さっきと同じ様に火球をいくつも出してきた。そして、俺を追跡するように曲がりながら向かってきた。斬り落とそうかとも思ったが、走りながら刀を振ると次の一手に遅れる可能性もあるため、水の汎用属性を螺旋状にして全身に纏って強行突破を試みた。

「へぇ……そう突破してくるか。こんなパターンは初めてだよ。じゃあ、コレは耐えられるかな?」

 カイセイさんが少し笑顔を浮かべて、杖の先端を地面に接触させた。すると、恐らく前回俺を仕留めたものであろう凶星(バッドメテオ)が発動し、二個の球が地面を蛇行しながらこっちに向かってきた。

(こんなに分かりやすく地面を這わせるってことは恐らくジャンプしても当たる……となれば壊すか?いや、さっきの火球のようにエフェクトが出ていない。完全な球体だから、どんな属性かも分からない。赤色をしている……炎系だってことに賭けて斬ってみるか。)

 俺は汎用属性を刀に纏わせて、向かってくる凶星(バッドメテオ)を地面に突き刺して止めた。だが、もう一個の球が急加速して突き刺している球と接触し、大爆発した。頑丈な刀は地面に刺さったままだが、俺はカイセイさんとは反対方向に飛ばされた。痛え……この人の固有術はシンプルな強さだ。だが、謎が残る。なぜ球を直接俺に当てなかったのか。接触させる必要があったのか?いや、今はそんな事考えている場合じゃない! 俺はもう一度カイセイさんに向かって走り出した。

「元気ヨシ。でも次で終わりかなー」

 今の俺は丸腰。つまり、自由に動ける! 戦闘に使っていた分の茜力も全て回避に使う。見た所、『奇術師(マジシャン)』は近接戦闘が苦手。このまま突っ切って体術だけでカイセイさんを仕留める!

「そのまま突っ込んでくるつもりかな?なら……『白金の閃光(デネブ・ダスト)』」

 カイセイさんがそう唱えて杖を回すと、パッと空が暗くなり一つの巨大な明るい星が浮かんでいた。

(……ッ!? なんだ、これは。夜になった……? アレは月か? いや、違う。アレは……)

 そう思った瞬間。星の光が急に強くなり爆散し、空全体が照らされ、昼間に戻った。あまりの眩しさに一瞬目を強く閉じてしまった。

(しまった……!!)

 次の瞬間にはもう、火球が目の前にあった。俺は必死に水の汎用属性を滑り込ませて防御する。だが、既に十個近く射出されていた火球には対応しきれなかった。俺は再び気絶する。

━━━━━━━━━━━━━━━数時間後━━━━━━━━━━━━━━━

 夢を見た。ハルと遊んだ記憶だった気がする。小学校の頃、まだクラス全員と友達になれていた時期だった。クラスの端にハルは居たんだ。当時の俺はみんなと仲良くできると思っていた。だから、今思ってもかなり陰気だったハルに声を掛けたんだ。そっから仲良くなって……あ、でも中学校では一度離れちゃったな。でも高校でまた一緒になった。俺は中学で色々あってあんまりグイグイいかなくなってたんだが、ハルは昔みたいに笑ってたな……そして、今度はハルが声を掛けてくれた。本当に心の底から嬉しかった……

「リクくーん、そろそろ起きてー」

「は!!」

 俺は気絶から目を覚ました。空は朱く染まっている。そうやら、何時間もこうして寝ていたようだった。

「ここは……?」

 俺はベッドに寝かされていた。病室によくあるカーテンがあり、横の椅子にカイセイさんが座っていた。

「旧保健室。まあずっと手加減して相手してたから大丈夫とは思ったけど、念の為にここに連れてきた。」

「ほーう……ウチの部下を半分焦がしたのに()()()と…………さぞ自身がお有りだったんでしょうねぇえ?」

「い、いやぁーー……ね? ほら、カリナ君が治してくれるっていう信用込みでの大丈夫って意味だよ? ね? そんな怖い目しないでよ……ごめんってぇ……」

 カーテンの外からヒロの声がした。来てくれたんだな。

「半分焦げてたんですか……? 俺」

「そうだよー」

 カーテンの隙間から女性の声が聞こえた。

「誰……ですか?」

 そう言うと、カーテンがバッと開けられ、ヒロと一人の女性が姿を現した。

「ウチはこの組織の九眼。今江(いまえ) 夏莉奈(かりな)だよ。回復系の術いっぱい持ってるから、主に救護役として働いてる。ウチの隊の子達も皆回復がメインだね」

「そうですか……ありがとうございました。治していただいて」

「あーいいのいいの。アンタ治さないとヒロがカイセイさんをズッタズタにして怪我人が増えちゃう所だったし」

 そういえば、横に立っているヒロはずっと腕を組んでカイセイさんを見ている。

「たはは……」

 カイセイさんは気まずそうに笑った。

「とはいえ……今の時期に暇なのカイセイさんしか居ないんで今後も任せますよ……()()()()()()()()()()?」

「分かってるよ……飯奢るから許してーー……ね?」

「ならヨシ」

「あいざいます!」

 こういった会話を本人抜きでやるのはいかがなものかと思う。

今回若干短めですがご容赦を!

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