表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/61

Madder Lesson!!③

「……次、やる?」

 強い……大人しそうな外見から正直少し舐めてたけど、この人俺よりも超強い。お互いに茜術を使ってない状態じゃ勝負にすらならないのか…………

「君は、私に手加減してるよね? 確かに私は細身だし君より身長も低い。でも、積んできた経験の量が違うのよ。この組織と契約して百年以上経つけど、まだまだ衰えてはいない。私は茜術を使うつもりはないけど、君はそうもいかないんじゃない?」

「百年以上……え、つまりババア━━」

 俺がそう口にした瞬間に、サユさんは矛の刃の側面で床に座っている俺の顔をブッ叩いた。一瞬、首が取れたかと思うくらいの強烈な一撃だ。

「……リク君」

「はい……」

「次それ言ったら……分かるね?」

 俺を見下ろすサユさんの顔はピクピクしていた。メッチャ怒ってる……

「すみません」

「まあいいや、立って。次を始めるよ」

「あの……少し休憩をしませんか?」

「私は結構。それに、君は友人を探すためにここに来たんだろ?」

「はい」

「なら尚更、強くならないと。今や、ここら一帯の全てが術者の蔓延るスラムになった。レスパリとの戦争で、今後も多くの人が巻き込まれて死んでいくはず。そんなグチャグチャな環境で人探しをする方法は一つ、レスパリを沈めることよ。それ以外に道はない。さあ、立って」

 サユさんの目には、何か決意が見えた。恐らく百年近くあんな風に激務な中、働いてきたんだろう。それでもこの組織にいる理由はきっと、ボスやマイカさんを慕っているからなんだ。やはりここがギャング組織だとは思えないな。

 俺は促されるまま立ち上がると、今度は刀を構えずに始めの合図を出す。俺はふと考えついた。逆に考えるんだ、無理して安全な状態を作ろうとするからダメなんだと。ちょっとくらい受けても良いじゃないか。サユさんは、また頭を狙ってきた。俺は前のように無理に避けたり流したりせずに、最小限の動作で頭を少し後ろへ反らせた。カバーのついた刃先が俺の額を軽く突く。だが俺は怯まない、そのまま頭上を抜けていく矛をがっしり掴み、柄の部分にまたがる様に飛び越える様に身を捻りながら飛びサユさんの頭へ踵で薙ぐように蹴りを入れた。いくら訓練とはいえ、少し申し訳ない。顔に傷がついたりしない程度に抑えたつもりではある。

 そんな事を思いながら着地してサユの方を見ると、もう次の一撃に移行しているのが分かった。効いていないのか!? いや、そんな事考えてもしょうがない。今はただ、攻めあるのみ! 矛の先が俺から見て左下の位置にある事から、左下から右上へ斬り裂くような突きが来ると予測して刀を降る。だが、その予想は外れた。矛は左下に傾いたまま()()()を加えられて伸ばされ、蛇のように曲がって俺の左脇腹を捉えた。

「うぅっ!」

 いくらカバーが付いているとはいえ、脇腹にそこそこ尖ったものが刺さる痛みには声が出た。さらに、休む暇もなく引き戻された矛は次の突きへと滑らかに移行した。数え切れないほどの連撃が俺の全身に刺さる。カバーが無ければもう既に十回は死んでるな。だが、俺だってここで退くわけには行かねえ、安心してこのスラムからハルを捜し出すためには強さが必要だ。さっきサユさんに言われてやっと気がついた。

 俺は連撃の僅かな隙を見つけると、刀を刺し込み防ぐ。一度弾いてしまえば、次の一撃には間ができる。そうすれば、簡単に見切ることができるんだ。俺は調子を取り戻し、何度も矛を刀で叩き返して抑え込んだ。だが、やはりサユさんのスピードには勝てない。徐々に押されていき、頭に直線の突きを受けてのけぞってしまう。だが、サユさんは気付いていない。既に俺が固有術を発動させている事に。俺は少しずつ一撃が強くなっていく事がバレないように、力を抜きながら攻撃を弾き続けた。そして、斬撃エネルギーを飛ばすか両手両足以外が地面に付かない限り、俺の強化は継続される!

 俺はなんとか倒れ込むのを耐えると、刀を真横に振った。当然、サユさんは矛を地面に突き立てて防御しようとした。俺の固有術の効果を知らないのだから誰だってそうするだろう。

(これが好機(チャンス)だ!!)

 俺は全力で刀を矛に当てて、そのまま振り抜いた。あまりの勢いで、サユさんが壁にドンッ! と叩きつけられる。矛が手から離れて地面に転がった。俺は急いで矛を拾い上げると、遠くの方へ転がした。

「武器も抑えました。俺の勝ちってことで良いですか?」

「イテテ……なかなかやるね。デスクワークで痛めた腰に響くよ。」

(軽めの冗談言う余裕はあるのか……この人はまだまだ戦えるんだろうな。)

「君の勝ちかだって……? そもそも勝負しているつもりは無いよ、これは単なる訓練。まあ私の訓練でこれ以上何か学べる事は無いって点で言えば、君の勝ちかな。もう次の訓練に移って良いと思うよ。お疲れ様。」

 俺は強い達成感を噛みしめる。幹部の人……しかも五番目の幹部に認められる程の実力を身に着けているなんて自分には才能があるんじゃないかとさえ思った。

「今君の思っている事を当てようか。」

「……はい?」

「五番目の幹部に認められるなんて俺ツエー!! って感じでしょ?」

「あぁ……はい。よく分かりましたね」

「そんな君に酷な事を言うんだけどさ……三眼未満の幹部は、特に強い順で決められてる訳じゃないのよ。割と適当に決められてる」

「えぇ!?」

「一眼から三眼は強さ順なんだけどね……四眼から十一眼は、ホントにただの認識番号みたいな感じよ?まあ十一眼だけは若干下っ端みたいな風潮があるみたいだけど」

「マジかよ……なんかちょっと残念」

「それともう一つ。これが一番大事」

「……何です??」

「女性の顔を蹴るのはやめましょうね?」

「……すみません…………」

早くも二十話……

割と飽き性で、続いてる趣味は筋トレとアクロバットしか無い自分が、ここまで続けられるとは思っていませんでした。それも、読んでくださる皆様のおかげでございます。本当にありがとうございます!!!

また、サブタイトル等がコロコロ変わっているのにお気づきの方もいるでしょう。はい、その通りです。ノリで付けたタイトルなので、後ろにつけるサブタイトルがコロコロ変わってます。優柔不断なんです。

コミュニティの方で、色々とアドバイス貰っているので今後も変わるかもしれません。ただ、空色のサファイアって部分だけは変えるつもり無いのでご安心を!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ