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最初の任務①

「それでぇ…君、名前は何て言うんですか?」

「あぁ…俺は凛堂坂李玖って言います!」

「うん。元気ヨシ。ヒロさん、またいい子見つけて来ましたねぇ…」

「そうか?まぁ、まだ俺の隊に来るって決まった訳じゃないけどな。」

「いやぁ…でも、ボスもそこら辺はよく理解してくださっているでしょうし、きっと同じ隊だと思うんですけどねぇ…僕は。」

「まあ…一旦全員飯食おうぜ?な?」

「そうだな。」

「そうですね。」

「そうっすね。」

「「「「いただきます!」」」」

こうやって仲間と囲んで飯を食うのも初めてかもしれないな…こんなにも楽しかったのか。そして会話を進めていくと、人懐っこい犬のような話し方の方はショウタ。丁寧に話す方がシンジという名前だと教えてもらった。そうして、あと少しで食べ終わるという所でヒロのスマホに通知が入った。

「……マイカさんからの通知だ。恐らくリクがどこの隊に入るかのお知らせだぜ…読み上げるぞ。」

「あぁ。」

「それじゃあ、えー[お疲れ様です。ボスの代理として私の方から、本日契約した構成員。凛堂坂李玖の所属に関する決定事項をお知らせ致します。]おぉ!やっぱりか。なになにぃー?[凛堂坂李玖は、十一眼 三津井 寛の隊へ所属する事となりました。彼の部屋は南棟四百十三号室です。つきましては、本人にも所属する隊が決定した旨をお伝えいただけますと幸いです。」だってよ!!」

「マジか!超ラッキーじゃん!」

「良かったですね。リク君。」

「二人とも、ありがとうございます!!」

「あーちょい待ち、もう一通来てるぞ。読み上げる。[ボスからの司令があなたの隊の二名に届いています。リク、ショウタの二名に以下の内容をお知らせください。]こりゃあ早速リクに仕事が来たんだな。良かったじゃねえか。[リク、ショウタの二名には、旧天神山駅付近にて本日午後四時に発生した茜術を使用した犯罪事案の犯人を指導していただきます。犯人の特徴、家、顔写真はショウタに送信しておきます。]だとさ。まあちょくちょく来る事案だな。別に大したことは無い。抹消とか処刑じゃなくて指導って書いてあるから、しょぼい犯罪やったやつを軽く脅すんだよ。いらんことするなってな。」

「指導の事案かー……特に面白味が無いんだよなーー。」

「まあまあ、良いじゃないですか。こういう日々の業務をやるからこそ、うちの組織は信用してもらえるんですよ?」

「そりゃあそうだけどよ…?まあいいや。飯食い終わったら武器持ってさっさと終わらせて来ようぜーリク。」

「はい、分かりました!」

俺は客室に戻り荷物を全て自分の部屋に移した後、四尺刀を持って食堂に戻った。

「よし、それじゃあ行くか。」

「はい。」

もう日も落ちて暗くなった道を、ただ歩く。街灯はもちろん通電していないし、道も恐らく数百年前から舗装されていないのだろう。所々がヒビ割れているが放置されている。

「そういえば、ショウタさんって何歳なんですか?」

「俺?俺は五十八歳だよ。茜術のおかげで老けないだけで、もうおっさんだ。」

「へえ…何か以外ですね。二十代だと思ってました。」

「褒め言葉として受け取っとくよ。」

「俺はまだ術が開花して数日ですから、そんなに長い間戦って生きているのって想像も付きませんね。」

「そうか?ボチボチ生きてりゃすぐこんな歳になるぜ?ヒロさんは確か二百歳くらいだし。」

「へぇ…」

「お、そろそろ街が見えてきたぞ…」

そう言われ前を見ると、そこには廃墟のビル郡が広がっていた。

「まあ街って言っても…ここら辺は人がちょこちょこ住んでるだけだから地味だけどな。この道真っ直ぐ行ってしばらくすると何軒が飲み屋があって、旧薬膳院駅の所を左に曲がってまっすぐ行くと中心的なネオン街がある。標的はそこら辺に住んでるみたいだぜ。」

「そうなんですね…スラム地区なんて入った事無いので新鮮です。」

「そうか…リクって外から来た人間なんだよな。まあこの辺りで堂々と武器もって歩いてるのなんてウチの組織の人間くらいだから、薬漬けのアホかレスパリの若造くらいしか襲ってくる奴なんていないぞ。」

「にしても…こんな所まで歩いて行くなんて、なかなか大変ですね。別に自治組織なんて十契以外にもあるはずですけど…」

「まあ、それだけウチの組織が信用されてるって証拠だろうよ。食堂にさ。客の腕章付けて飯食ってる人が十数人居ただろ?ウチの食堂は金さえ払えば一般人でも食べに来れるようになってんだよ。美味いって好評らしいぜ。」

「そうなんですか……なんかイメージしてたギャング組織とは少し違うかも。」

「あー…多分リクがイメージしてるギャング組織そのまんまなのはレスパリだぜ。アッチもそこそこ人気らしいけど、色々厳しかったりもするらしいからな。」

そんな風に、話しているとネオン街に入る。とても綺麗だ。まるで近未来都市にでも来たかのような派手さがある。原色の強い光を放つ居酒屋や風俗の看板が乱立していた。

「凄い……綺麗だ。」

「感動してる所悪いが、もう敵のそこそこ近くまで来ている。気を引き締めて行くぞ。」

ショウタの顔付きが変わった。こういう時はちゃんと真面目にやるんだな…

「あのマンションだ。」

しばらく歩いた先でショウタが指差した建物は、一見普通のマンション。特に怪しい雰囲気も無い。

「じゃ、突撃するか。」

ショウタのその言葉で、俺に少しの緊張感が走った。

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