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飲み明かそうぜ

 夕日に照らされた暑さで、俺は目を覚ました。起きると壁に大きな穴があいた医務室のベッドの上にいた。寝転がっている俺に、デカいスズメバチが飛んで来る。

(あ……アレ、スズメバチか? やっべぇ……コッチに飛んできてる…………動けねえってのに……)

「ぁ……あぁ…………」

 掠れた声しか出ない。体もまだ上手く動かせないので抵抗できずにいる。するとスズメバチは俺の顔の前でホバリングし始めた。襲うかどうか迷ってるみたいだ。すると急に横からナイフが飛んできて、ハチを貫くと壁に突き刺さった。飛んで来た方向を見ると、ヒロが立っている。

 そして、壁の方へ歩いてナイフを抜いた。そして、ナイフをグルグルと回してハチの死骸を地面に振り落とす。

「ヒ……ロ……」

「おぉ、起きてたか。とりあえず水でも飲め。体起こせるか?」

「ん……おう……」

 俺は筋肉痛と疲労で重くなっている体を必死に起こした。そして、ボトルに入った水を受け取ると一気に飲み干す。

「……ふぅ」

「喋れるか」

「おう。それで、俺が寝こけて何日経った?」

「まだジャスト一日くらいだ。そう焦るなよ」

「そうか。それで……単刀直入に聞くんだが……」

「おう」

「俺達勝ったのか?」

「ひとまずは勝ったぞ。ただ、完全な終わりじゃない」

「……というと?」

「とりあえず、俺達が最も警戒していた四人……紅蜘蛛華、明平ジェイキー、天代叶依、ダン・レストレードは全員を殺害又は無力化するのに成功した。紅蜘蛛華と天代の野郎は地下牢にブチ込んである。別々の場所にな」

「おぉ! 良かった……」

「ただ、その他レスパリ幹部と、そいつらに準ずる製作所のサイボーグ達。レスパリの関連組織の奴らみたいなド下っ端はまだまだ大勢いる」

「そうか……」

「だが、そう焦る事は無い。一番厄介だった奴らは居なくなったから、後は俺達がある程度回復したらサクサクとレスパリ領を沈めていくだけだ」

「一つ聞きたいんだが……」

「ん? どうした?」

「ハルがレスパリ側に居る可能性がかなり高い。それで、今回の抗争で二丁拳銃の術者の死体が上がってないか気になったんだ。恐らくはそいつがハル」

「んー……まだ被害の規模を正確に確認できていないから何とも言えないが……知る限りでは、一人いたな。ハルって子は、どういう銃を使ってた?」

「リボルバーで……SAAシングルアクションアーミーを改造したような見た目の銃だった」

「なら違うと思うぞ。その死体は自動式拳銃を使ってたし……」

「そうか。なら良いんだが……」

 ヒロは崩れた壁に腰かけてタバコに火を付けた。そして、手元のナイフをグルグルと回す。

「なんだそれ……」

「バタフライナイフ。実用的じゃあないが……もう何百年も続けてる」

「そうか……」

「お前、目が覚めたんだしもう動けるか? いや、カリナが丁寧に治療したんだし動けるだろ? 今夜空いてるよな」

「え? お、おう。どうした?」

「一応、お前以外の生きている契約者達は全員回復してる。だから、今夜は全員で飲み明かそうぜ」

「そりゃあ嬉しいが……紅蜘蛛華とカナイに監視付けなくて大丈夫なのか?」

「流石に大丈夫だろう。あいつらは俺が完全回復したらすぐに影龍で取り込む」

「そこは任せるぜ」

「あぁ」

 俺は話を終えると、ゆっくりと立ち上がった。

「さて、行くか」

 ヒロはナイフを回しながらパタンと閉じた。

「おう、今夜は飲むぞ〜!!」

ついに100話までいきました!!!!

ここまで続けられたのも見てくださった皆さまのおかげですッ!

本当にありがとうございました! これからもどんどん書き続けるので応援してくださると幸いでございます!

100話で区切りの良い所まで書けて安心しました。

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